「テレビ局の思うツボ」フジモン復帰に苦言を呈したマヂラブ野田、フジが考えた炎上回避のシナリオ
週刊女性PRIME / 2024年3月29日 16時0分
芸人たちの“プロレス”にまんまと騙されてしまっては、テレビ局の思うツボになってしまうのではないか。
──そう感じたのは、フジモンことFUJIWARA・藤本敏史(53)の地上波テレビ復帰だ。
フジモン復帰に野田クリスタルが批判
昨年10月に当て逃げ事故を起こして活動自粛していた藤本。2月下旬にFUJIWARAのYouTubeチャンネルでは復帰を果たしていたが、3月23日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で、ついに地上波テレビ復帰を果たした。
MCの明石家さんま(68)や出演していた多くのひな壇芸人たちは、約5か月ぶりに復帰した藤本をイジりつつも温かく迎え入れていたが、ただ一人、異彩を放っていたのがマヂカルラブリーの野田クリスタル(37)だった。
さんまらのイジりにブランクを感じさせない絶妙な切り返しで爆笑をかっさらう藤本に対して、野田は「なんか、明るいな」、「こんなに笑いをとっている姿を見たくはないっすね」と藤本の早期復帰やジョークを繰り出す姿に否定的。どうにも納得いっていないという態度を示す。
さんまは擁護の姿勢を見せるが、大先輩に反論するスタンスになることもいとわずに批判を続ける野田。ついには、「こんなに不祥事ばっか起こして、吉本の芸人。当然のように戻ってくるのを、ここ(同番組)で処理するみたいなシステムができるのは、俺、許せないんですよ」と、“不祥事芸人の再生工場”のようになっている番組にも苦言を呈したのだ。
野田の意見が正論だと賛同する視聴者
この番組内容を報じたニュースサイトのコメント欄は、野田に賛同する声が多く見られた。
《野田さんの率直な意見は国民の声ですよね。ただ芸能界で同業種の狭い場所での発言は仲間を裏切ることにもなりかねません。現に、大御所のさんまさんと真逆の発言をしているので下手すると自分で自分の首を絞めかねない行動です。想像ですが、野田さんは生き方が上手ではない方だと思います。でも私はそんな野田さんが好きですよ》
《野田さんの意見に賛成。人間誰でも大なり小なり過ちは犯すもので、反省して更生して行く機会や場は必要だとは思います。でもこの藤本さんの「俺150連休やってんぞ。ある? そんな連休?」自らそれを言う?反省なんかしてない。復帰して当然だという態度が野田さんに厳しい意見を言わせたのでしょうね》
《凄いな、ちゃんとさんまに対してもここまで意見の言える芸人っているんだな。 藤本や斉藤(ジャングルポケット)は禊をした訳でもなく単に休暇のようなものだっただけでしょ》
このように大御所・さんまに反旗を翻して意見した野田を称賛する声があがる一方、次のように“裏”を読む声も……。
《これって事前に番組制作側や吉本が事前に野田や藤本と打ち合わせたと思う。 野田が藤本に苦言を呈することで視聴者も思ってることを野田が言ってくれたとなって、地上波復帰へ禊ぎを済ませた感じにさせることが出来る》
《芸人の不祥事後の復帰シナリオとして、芸人仲間が温かく迎える一方で、それについて難癖をつける芸人がでて喧々諤々してお茶を濁す演出が一般化している》
《恐らくさんまさんを筆頭に歓迎ムードで戻ってくる場所を作るも、スキャンダルに対して断固たる姿勢を持つ野田クリのように視聴者の代弁のような立ち位置の人を配置して番組のバランスを取ろうとした狙いもあるのでは思います》
と、野田の発言は番組側(さんま、藤本含む)と織り込み済だったと考えた視聴者も少なくなかったようだ。
発言はどう考えても“プロレス”だった
筆者も、後者の織り込み済の演出だと見た視聴者のみなさんと同意見。
率直な感想は「どう見ても“プロレス”だろ」だった。
あえてきつめの言葉で言わせていただくが、この回を視聴したうえで「野田がリスクも恐れずに勇気ある声をあげてくれた!」とか、「野田がガチでフジモンに噛みついている!」と素直に受け取ったのだとしたら、“TVショー”に簡単に騙されすぎではないか。
野田があのような反論をするのは、制作陣やさんまには前もって話を通してあったと考えるのが自然。フジモンにきつく当たっていたのもあくまでコントのようなもので、実際に野田の“ブチギレ演技”でスタジオは爆笑に包まれてもいた。
ただ少々ややこしいかもしれないが、野田がウソをついているとか、心にも思ってないことを喋っていたとまでは思っていない。野田は正義感が強い印象だ。普段から本当に不祥事を起こす芸人を快く思っていないのだろう。だからあの発言の数々は彼の本心かもしれない。
とはいえ、それをわざわざさんまの冠バラエティー番組のなかで、あのように激しい言葉で先輩芸人を腐したのは、番組を盛り上げるための“プロレス”に違いない、ということだ。
さらに掘り下げると、あの野田のスタンスは藤本への“攻撃”どころか、むしろ“防御”になっている。
番組に出演していたさんまやほかの芸人仲間たちは歓迎ムードだったため、全員がそういった温かい雰囲気で藤本復帰を受け入れると、世間から猛烈なバッシングを浴びかねない。
野田の「仲よしこよしじゃないんだ!」と振る舞うポジションは、まだ藤本を許していない層の視聴者たちの共感を呼び、留飲を下げる効果があったということ。野田がいた場合といなかった場合では、後者のほうがフジモンやさんまへの批判の声がもっと多かっただろう。
無自覚なほうが怒りの熱量は増幅しがち
テレビ番組内に限った話ではないが、“当人たちが自覚していない場合”のほうが、怒りの熱量は増幅しがち。
今回のケースで言うと、番組側や芸人たちが「フジモンを温かく迎え入れることのなにが問題なのか」がわかっておらず、藤本をただただ快く迎え入れるという番組構成だったとしたら、それこそが最大の悪手。
対して、番組内で藤本を許していないスタンスの野田を配置することで、野田と同じようにまだ許していない世間の声があることは承知のうえで出演させている、という“あえて感”が出せるのである。
当人たちが無自覚ならば指摘してやらねばならないという感情から怒りが増幅するが、自覚したうえであえてやっていることに、わざわざ怒りをぶつける必要はないと考える視聴者も多いだろう。
要するに、現状でも藤本やさんま、番組側への批判の声は多いが、野田ポジションがいなければ、もっともっと盛大に炎上していた可能性が高かっただろうということだ。
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