387馬力の新型「スープラ」は「気持ちいい!」 発売2年目迎えた本格スポーツカーの〇と×とは

くるまのニュース / 2020年8月6日 10時30分

一部改良を受けて最高出力が387馬力に向上したトヨタ新型「スープラ」。改良前のモデルと比べてどのような点が進化したのか、自動車評論家の国沢光宏氏がチェックしました。

■最高出力は47馬力もアップ! 進化したスープラの実力は

 すでにアメリカでスペックが公開されていた、改良モデルのトヨタ「スープラ」の試乗会が開催されました。2019年5月の発売から1年、今回の年次改良でもっとも大きく変わった3リッター6気筒ターボ搭載の「RZ」グレードを試してみたので、レポートしていきます。

 最初に変更点を紹介しておくと、最高出力は340馬力から47馬力も向上した387馬力に、0-100km/h加速が、0.2秒速い4.1秒となっています。

 スープラのコクピットは相変わらず「狭き門」といえます。これは、スープラのチーフエンジニアを務める多田(哲哉)さんが、トヨタの基準どころかBMWの乗降性基準にもとらわれず、前後重量配分&ボディ剛性優先でドライビングポジションを決めたためです。

 開口面積は狭く、サイドシルも厚い。「乗りにくいな」と悪態を吐きつつ「これがスープラですね」とニンマリする。スポーツカーはこれでいいんです。

 プッシュボタンでエンジン始動すると、厳しい騒音規制が始まっているなか「大丈夫なのか?」と思うくらい元気良いサウンドを響かせます。

 あとで多田さんに聞いたら「遮音材を削ったんです。車外騒音は規制値をギリギリですがクリアしています。思ったより賑やかになりました」とのこと。走行中もエンジンを感じさせます。なるほど気持ち良い。

 Dレンジをセレクトして走り出すと、パワーは使い切れないほど。車重は1530kgと軽いため、0-100km/hは5リッターで481馬力のユニットを搭載するレクサス「RC F」の4秒台中盤よりも速く、最高速293km/hのポルシェ「911カレラ」と同等です。

 アクセル開度3分の1くらいで、普通のクルマならほとんど全開レベルの加速感といってよかろう。アクセルを床まで踏んだら爽快です。

 バランスの良い直列6気筒だけに、スムースな“物体”が滑らかに回っている感じ。さらにアクセル開度で音質も変わります。

 ATのシフトタイミングも自然です。これまた多田さんに聞いたら「トヨタの場合、『プリウス』などで企業平均燃費を稼いでいます。だからスープラは燃費より自然な乗り味を追求しました」BMW「Z4」とも違う制御とのことです。

 だからといって燃費が悪いかとなれば、巡航燃費は良好。年次改良前のSZで高速道路を流れに乗って走ったときの燃費は、WLTC燃費12.2km/Lを凌ぐ13km/L台でした。

 空気抵抗が小さく車重も軽いスポーツカーって、流れに乗って走ったときの燃費は案外良いです。毎日乗るようなクルマじゃないということを含め、環境にもやさしいと思います。

 シャシ関係ではフロントの剛性アップが加えられました。乗っているとハンドル操作に対しクルマの動きが素直になった感じです。

 これは、フロントを補剛したクルマに共通する味だと思いますが、同時にリアのセッティングも換えたといいます。このレベルになるとサーキットじゃないと試せませんが、じゃじゃ馬傾向だったハンドリングがどうなっているか楽しみです。

 そんなスープラながら、個人的には「やっぱりデザインが理解出来ない」です。

 クルマのデザインは、絵画と共通点が多いです。スープラのデザインを画家に例えるならピカソやムンク、シャガールなんだと思います。

 私にはとうてい理解出来ないけれど、熱烈な支持者が少なくありません。スープラのデザイナーや多田さんも、そんな趣味人のひとりなんだと思います。私は凡人。

 スープラがモネやレオナルド・ダ・ヴィンチ、東山魁夷のようなデザインなら、真剣に欲しくなっちゃうかもしれません。

 ちなみに多田さんが語るからスープラを買おうという人も多数居るかと思います。現在63歳の多田さんが勇退し、スープラを熱く語る人がいなくなったらどうなるのでしょうか。ぜひスープラの象徴として、居残って欲しいです。

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