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高速道路上で「電欠」は違反になるの? 「ガス欠は違反」もEVは記載無し!? NEXCO&警察の見解は?

くるまのニュース / 2022年5月12日 9時10分

高速道路上でガソリン車が燃料切れを起こすと道路交通法違反となりますが、電気自動車が電池切れを起こした場合には違反の対象となるのでしょうか。

■高速道路上の「ガス欠」は違反も…「電欠」はどうなの?

 2022年のゴールデンウイーク期間中も、各地の高速道路で数十kmという長い渋滞が発生し、なかには通過に何時間も要してしまったといったケースも少なくないようです。
 
 渋滞にハマると食事やトイレなどにも困りますが、ドライバーにとってもっと怖いのは「燃料切れ(ガス欠)」です。
 
 道路交通法では「ガス欠」に関する条項もありますが、今後普及するであろう「電気自動車(EV)」で「電池切れ(電欠)」を起こして高速道路上で停車した場合、何らかの罰則はあるのでしょうか。

 道路交通法第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)において、高速道路上でガス欠になった場合は法律違反とされており、減点2点と9000円(普通車)の反則金が科せられます。

 そのためもあり「早めの給油をしましょう」というNEXCO各社の呼び掛けもあるわけですが、困るのはEV。

 プラグインハイブリッド車(PHEV)であれば、給油をすることでドライブを続けることができますが、EVは電池切れになった瞬間に人事不省に陥ります。

 では、ガソリン車の場合「高速道路上のガス欠」は道交法違反になりますが、高速道路上でEVが電欠になった場合、道交法違反となるのでしょうか。

 道路交通法第75条の10は次のような条文となっています。

「自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。」

 一方の電欠について、NEXCO東日本の広報からは「今まで考えたことがなかったです。警察でないと分かりませんね……」という意外な回答が返ってきました。

 そこで、埼玉県警本部交通部高速隊に聞いてみたところ「どうなんでしょう??」といいつつも、前述の道路交通法第75条の10には「電欠も含まれるのではないか」という見解でした。

※ ※ ※

 なお、万が一電欠となった場合には、状況によってJAFなどのロードサービスを手配することも考えられます。

 JAFによればEVの「高速道路/一般道の救援依頼(2020年度)」では、1位「タイヤのパンク、バースト、エアー不足(29.1%)」、2位「過放電バッテリー(22.9%)」、3位「EV車の駆動用電池切れ(9.9%)」となっていました。

 なお、電欠時の対応方法としては「最寄りの充電ステーションまでの搬送作業をレッカー車でけん引して対応しています(ガソリン車による燃料切れとほぼ同様のけん引)」と説明しています。

 またJAFは今後EVが増加した場合の救援対応や作業時間への影響について、2021年4月に公表している資料にて、次のように説明しています。

「駆動用バッテリーの電池切れの救援対応は現状、搬送のみ。給電車を配備しているが、救援場所、車両価格、ランニングコストに課題があり運用は困難。

 車種により高電圧配線の配置が異なるため、事故や乗り上げ作業時の対応に事前調査と対応資機材の準備が必要」

■高速道路上の充電設備は今後増えるのか?

 高速道路を使ってEVで長距離ドライブするにはいまだ問題があります。

 それはインフラ不足。NEXCO各社は現在、各地のサービスエリア/パーキングエアリア(以下SA・PA)に充電設備を設置していますが、数が十分といえません。

 しかし問題は数だけではありません。内燃機関のクルマは、満タンに給油するまでわずか数分。

 休日などで混雑していたとしても、給油で30分待たされるこということは稀です。

 一方、EVは充電の所要時間が30分(公共充電施設での上限)で、自車より前に充電しているクルマがあればそれ以上の時間がかかることが予想されます。

 そのうえ、充電器が1基(1基で2台充電できる場合も)しかないというSA・PAがほとんどというのが実情です。

 昨今のEVはフル充電で200km近く走行できるモデルが多くなってきましたが、日本の20kW-50kW規格の設備で30分充電した程度では、フル充電にすることは難しいようです。

 また50kWの充電器であっても、バッテリーへの負荷を避けるために、必ずしも最大出力で充電されていない場合もあります。

 さらに、輸入車の一部にはCHAdeMO規格を採用していない車種もあり、その場合は100/200Vの普通充電でわずかに電力を補充するしかありません。

 渋滞時の低速走行では比較的電費が良いEVですが、問題は充電設備と充電時間にあるといえます。

高速道路のサービスエリアに設置されている「充電設備(EV QUICK)」高速道路のサービスエリアに設置されている「充電設備(EV QUICK)」

 前述の通り、NEXCO各社は充電設備を増やしていますが、今後の動向についてNEXCO東日本の広報は次のように話しています。

「SA・PAはドライブ中に休憩していただき、安全なドライブを続けていただくという目的があります。

 昨今、SA・PAでは大型車用の駐車スペースが足りないという問題があり、充電設備のみを大幅に増やすことはできないという事情があります」

※ ※ ※

 今後、EVはガソリン車並に普及することが予想され、航続距離に関しては必要十分なレベルまでを備えるモデルが出てきていますが、充電時間に関する課題は残ります。

 そうしたなかで、充電ステーションの設置数以外にも充電設備自体の課題がどのように解決されるのかにも関心が寄せられます。

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