え! 高速道「東京-大阪」が“約50分”短縮!? 青森から鹿児島なら3時間も? 最高速度引き上げの夢広がる
くるまのニュース / 2024年3月16日 7時10分
2020年9月、東北道の花巻南IC〜盛岡南ICで、全国で初めて最高速度が120km/hに引き上げられたのを皮切りに、各地で最高速度の引き上げが進められています。では、もしすべての区間の最高速度が120km/hへと引き上げられたら、各地への所要時間はどの程度変わるのでしょうか。
■高速道路が100km/hから120km/hになったら世の中はどう変わる?
一部の高速道路で最高速度が120km/hへと引き上げられてからしばらくが経ちました。
では、もしすべての区間の最高速度が120km/hへと引き上げられたら、各地への所要時間はどの程度変わるのでしょうか。
現状ではデメリットよりもメリットのほうが大きいとされています。
そのため今後はさらに多くの区間で最高速度が引き上げられる見込みです。
2020年9月、東北道の花巻南IC〜盛岡南ICで、全国で初めて最高速度が120km/hに引き上げられたのを皮切りに、各地で最高速度の引き上げが進められています。
2024年2月現在では、東北道の花巻南IC〜盛岡南ICに加え、同じく東北道の岩槻IC~佐野藤岡IC、新東名の御殿場JCT~浜松いなさJCT、東関東道の四街道IC付近~成田ICで最高速度が120km/hとなっています。
また、110km/へと引き上げられている区間も一部には存在しており、常磐自動車道の岩間IC~桜土浦ICなどがあります。
これまでの高速道路は、原則として100km/hを最高速度としていました。
しかし、近年ではクルマの性能向上などにより実勢速度が最高速度を上回っている区間も多く、円滑な交通の促進のためにも最高速度の引き上げが求められていました。
最高速度の引き上げによる最大のメリットは、やはり所要時間の短縮です。
たとえば、100kmの区間を100km/hで走行した場合の所要時間は60分ですが、同じ区間を120km/hで走行すれば所要時間は50分となり、10分の時間短縮が図れます。
実際の区間で見ると、新東名の御殿場JCT〜浜松いなさJCTではこれまで約87分だった所要時間が、120km/hで巡航することによって約73分へと短縮されることになります。
ただ、実際には120km/h以下で巡航しているクルマが多くいたり、あるいは120km/h
区間が短かったりするなどの理由で、最高速度引き上げのメリットを感じにくい区間もあるのが実情のようです。
一方、最高速度引き上げによるデメリットとして懸念されていた重大事故やスピード違反の増加については、現時点では目立った傾向は見られていないと言います。
賛否両論あった最高速度の引き上げですが、現状はメリットのほうがデメリットを上回っており、今後も最高速度が100km/hを超える区間は増えていくと見られています。
では、もし仮にすべての高速道路および自動車専用道路が最高速度を120km/hへと引き上げた場合、日本はどれだけ“狭くなる”のでしょうか?
まずは、東京〜大阪間で見てみましょう。
東名の東京ICから名神の吹田ICまでは約515kmの道のりとされていますが、これを平均100km/hで巡航した場合の所要時間は約5時間9分となります。
一方、120km/hで巡航するとその所要時間は約4時間18分となり、約51分の短縮となります。
また、日本一長い高速道路として知られる東北道は、起点となる川口JCTから終点の青森ICまで約680kmの道のりですが、これを100km/hで巡航すると、その所要時間は約6時間48分となります。
しかし、平均120km/hでの巡航が可能になると、所要時間は約5時間40分となり、1時間以上も短縮されることになります。
最後に、東北道の青森ICから高速道路を乗り継ぎ、九州自動車道鹿児島ICまで陸路で日本を縦断した場合について見てみましょう。
ルートにもよりますが、最短距離で走った場合でもその走行距離は約1983kmにもおよびます。
これを平均100km/hで巡航した場合の所要時間は19時間50分ですが、平均120km/hとなると約16時間32分と3時間以上の時間短縮が可能となります。
※ ※ ※
もちろん、この計算はあくまでも机上の空論に過ぎず、道路状況や休憩などを考慮すると、少なくともこの1.5倍〜2倍の時間を要することは言うまでもありません。
ただ、いずれ完全自動運転の時代が到来すれば、高速道路を安定した巡航速度で走行し続けることが今よりももっと楽になると見られます。
それがいつのことかはわかりませんが、もしそうなれば、高速道路の最高速度の引き上げは、今以上にメリットを感じるかもしれません。
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