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クルマの「暖房」はガソリンを消費しない? 実は完全に「無料」じゃない!「燃費を悪化」させる間違ったエアコンの使い方とは

くるまのニュース / 2024年3月12日 11時10分

カーエアコンの「暖房」は燃費には影響しないという話も聞きますが、これは本当のことなのでしょうか。その構造や使用時の注意点、電気自動車(EV)の場合などについて解説します。

■「暖房」は燃費に影響しない?

 クルマに搭載されている「カーエアコン」は、冬は暖かい風、夏は冷たい風を“吹き出し口”から出し、車内を快適に保ってくれます。
 
 しかし、ガソリン価格の高騰している昨今だけに、「エアコンを作動させると燃費が悪くなりそう……」と、使用をガマンしている人がいるという声も。
 
 そんな中「“暖房”の使用であれば燃費には影響しない」という話も聞かれます。はたしてこれは本当なのでしょうか。

 カーエアコンの冷たい風は、エンジンルームにあるコンプレッサーを動かし、冷却ガスを使って作られます。

 一方で暖かい風は、エンジン内を循環させて熱くなった冷却水をヒーターコアに送り、そこに風を当てて熱風を作っています。

 つまり、コンプレッサーを作動させる冷房はガソリンを使わないといけませんが、暖房の場合はすでに熱せられているエンジンの廃熱を有効活用しているに過ぎないため、「暖房は燃費に影響がない」と言われているのです。

 しかし、この理屈は完全に正しいはと言えないケースもあり、「A/Cボタン」をONにすると大きく話は変わります。

 A/Cボタンは、エンジンルームにあるコンプレッサーを作動させるためのボタン、つまりエアコンのON/OFFスイッチであり、冷たい風を作るために必要不可欠なため、冷房の作動時は必ずONにする必要があります。

 そして実はコンプレッサーにはもうひとつ大事な役割として、「除湿」を作動させる機能も存在します。

 つまりコンプレッサーを動かすと、車内の除湿機能が働き、ガラスが曇るのを防いでくれるのです。

 たとえ暖房を使っているときも、ドア・窓を閉めっぱなししていると車内には湿気がこもるため、定期的に換気をしないとガラスが曇ってしまいます。

 そうなると当然のように視界が確保できないため、窓を開けて換気をする必要がありますが、そこで「冷たい風が入ってくるのはイヤ」という人は、暖房を使用しながらA/CボタンをONにすれば、ガラスが曇らず快適に運転でいるというわけです。

 しかしその場合は、冷房使用時と同じようにコンプレッサーを作動させるため、燃費は悪化してしまいます。

 ディーラーの販売員によると、「(温度設定をすれば自動で動作する)オートエアコンの搭載されている最近の車種では、暖房を入れると自動的にA/CボタンもONになる仕組みになっている」とのこと。

 もし燃費が気になるようでしたら、暖房を入れた後にA/Cボタンをオフにすると良いでしょう。車種によってはオフと同時にオート機能が解除されるものもあるため、詳しくは車種ごとの取扱説明書を確認してください。

 そして窓ガラスが曇ってきたら、窓を開けて空気を入れ替えたり、A/Cボタンを適時ONにしたりして曇りを取り除くようにすれば効果的です。

 ただし、電気自動車(EV)だけは構造が異なるため注意が必要です。

 EVはエンジンが無いため排熱も利用できず、よって蓄えられた電気を使って暖かい風を作っています。

 そして暖房を使えばそれだけ電気使用量が増えるため、走行距離が短くなるのです。

「暖房の使い過ぎで電池切れ」という思わぬ事態に陥らないよう、冬場の走行は電池残量に十分ながら暖房を使用するように注意しましょう。

 また、消費電力が少ないシートヒーター(座席自体を温める暖房機能)を備えるEVの場合は、上手く併用すると良いでしょう。

※ ※ ※

 このように、カーエアコンの暖房は単純に車内に暖かい風を送るだけであれば燃費に大きな影響はありませんが、除湿のためにコンプレッサーを動かすとガソリンを使うため、冬でも燃費は悪化します。

 冬場の燃費が気になるという人は、カーエアコン作動時にA/Cボタンを切り、窓が曇らないよう適時換気するなど工夫してみると良いかもしれませんね。

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