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EVで「ロングドライブ」は楽しめる!? 「電池切れ」の心配は? 「航続可能距離」とは“にらめっこ”… 実際に試した印象は?

くるまのニュース / 2024年3月17日 17時10分

BEV(電気自動車)を相棒にして長距離旅行をすると、果たしてどんな旅になるのでしょうか。まだ雪の残る啓蟄の信州を、編集部がドライブして試してみました。

■EVの「長距離ドライブ」どんな感じ?

 長距離のドライブは楽しいものですが、途中の給油はつきものです。しかし、これが充電の必要なバッテリーEV(BEV:電気自動車)となると、果たしてどんな旅になるのでしょうか。
 
 2024年3月上旬、まだ雪が残る信州で、スバルの最新BEV「ソルテラ」で往復700kmのドライブを敢行しました。

 ソルテラは、スバルとトヨタが共同開発したSUVタイプのBEVです。2022年5月に発売され、2023年10月に改良モデルが登場しています。トヨタでは「bZ4X」が兄弟モデルとしてラインナップされています。

 プラットフォームには、両社で共同開発したBEV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM(イースバル グローバル プラットフォーム)」を初採用。さらに、先進運転支援システム「スバル セーフティ センス」や四輪制御「X-MODE」を搭載し、走行性能と安全性を高めています。

 改良では、楕円形状の「オーバルステアリング」を採用したほか、渋滞時のアシスト機能「アドバンストドライブ」やレーンチェンジアシスト、後方車両接近警報などが追加。

 さらに、回生ブレーキの効きをステアリングのパドルで選択できる機能やパワーシートのリクライニング角度変更などが実施されました。

 そんなソルテラだけでなく、BEVの多くのモデルの特徴として、モーターによるリニアな加速が挙げられます。

 例えば高速道路の合流や追い越しでは、通常のエンジンを搭載するモデルの場合、よほどのハイパワーモデルでなければ、アクセルを踏み増してキックダウン(低いギアに落とし、回転数を上げて出力を高めること)することが必要な状況も多くあります。

 しかし、キックダウンではワンテンポ加速が遅れることや回転数の高いエンジン音が室内に侵入することで、ストレスを感じるシーンも。

 さらに長距離・長時間走行すると、アクセルを踏み増す足の微細な動きであっても、度重なる動作で疲労を感じることもあるのです。

 対してBEVではアクセルを踏んでも静かなまま、すぐさま加速できるため、ストレスから解放された気持ちになります。

 特に、今回走行した中央道や上信越道では日本有数の山岳地帯を通るため起伏が激しく、同クラスのガソリンモデルでは、目一杯アクセルを踏まなければ加速できないと思われる箇所もありました。

 今回試乗したソルテラは、最高出力80kW・最大トルク169Nmを発揮するモーターをフロントとリアに搭載するAWDモデルです。静かながらも2.2トンもある車重を軽々と加速させ、余裕の加速を味わえました。

 静粛性についても、エンジンがないことで低速から高速まで一貫して静かな環境となっており、さらに微細な振動なども抑えられ、疲労度の少ないドライブが可能です。

 今回は標準モデルでしたが、ソルテラの上級モデル「ET-HS」では10スピーカーのハーマンカードンサウンドシステムが搭載されているほか、他のBEVでも高性能なサウンドシステムが設定されていることが多くあります。

 音楽を存分に楽しみながらのドライブを堪能しやすいことも魅力で、BEVならではの旅だと言えます。

 また、BEVでは重量物のバッテリーが搭載されます。

 重量のあるものを搭載することは本来ならデメリットになり兼ねませんが、車体中央に搭載すると重量配分に優れ、ハンドリングの良さと重心の低さにつなげることもでき、操縦性能を高められます。

 これによって高速道路では直進安定性だけでなく、横風にも強くなり、安心して走行できます。

 ソルテラの場合は、BEV専用プラットフォームのイースバル グローバル プラットフォームを採用し、床下のバッテリーも車体の骨組みの一部として利用することで、高い剛性を確保。安心して楽しく走ることできます。

 市街地から外れた山間部を縫うように走る国道や県道を巡ることも長距離ドライブの魅力ですが、ワインディングが続く道でも、アクセルレスポンスの良さと相まって、ついついハイペースになってしまうこともあります。

 こうしたBEVならではの特徴を活かしながらドライブするのも、ひとつの楽しみと言えます。

■BEVの「充電問題」に直面… 常に航続可能距離とにらめっこ

 一方で、充電に関してはどのタイミングで行うかを常に考えているような状況が続きました。

 3月初頭とはいえ気温は氷点下に近く、暖房を入れたい寒さであるものの、エアコンを使用すると航続可能距離が変化するため、強めに設定することはできません。

 その分ソルテラではシートヒーターやステアリングヒーターが装備されており、こうした装備を活用すればうまく節電しながら走行でき、必要以上にエアコンを強めることは必要ありません。

 しかし、窓のくもりを防止するのにエアコンが必要な場面では、刻々と減っていく航続可能距離とついつい「にらめっこ」してしまうこともあり、気になる部分ではあります。

 さらに、アップダウンのある高速道路や山間の一般道を走行する際は、エンジン搭載車以上に、アクセルを踏みすぎないよう心がける必要もあり、帰路では少し急ぎ目であったことも重なり、どこのPAで充電するかを考えながら運転する必要が生じました。

充電のタイムロスもうまく活用する方法がある充電のタイムロスもうまく活用する方法がある

 また、充電中に発生する「待ち時間」の過ごし方も工夫が必要です。

 エンジン搭載車では給油にかかる時間はせいぜい5分程度で、時間のロスとしては気になるものではありませんが、急速充電でも30分、普通充電では数時間の充電待ち時間が発生するとなると、旅行の計画段階で念頭に置く必要が生じます。

 一方で、実際に信州方面を走行すると、高速道路のSAやPAだけでなく、道の駅や国道、県道などの主要道路沿いにある多くの観光施設では、急速充電器が完備されていることに気づきます。

 待ち時間が発生することで、むしろゆったりと食事やお土産などを探している時間ができるため、こうした施設で買い物や食事を同時に済ませてしまうのが良さそうです。

 さらに、充電施設の数も一般向けのBEV登場当初は極めて少なかったものの、現在では都市部から離れた山間部であっても、付近の観光施設などに完備されていることが多かった印象です。

 そのため、「電池切れ寸前の数%で充電器を探し回る」という心配はほとんど不要だと言えます。

 加えて郊外のガソリンスタンドでは24時間営業ではないこともあり、エンジン搭載車では夜間の給油に困るケースもありますが、BEVの充電器は24時間利用できるところも多く、電池切れの心配は少ないことがわかります。

 こうしたことから、長距離を走行する際は、宿泊施設や食事する店など、あらかじめ「必ず寄る施設」で充電できるかを事前に把握しておくことが大切です。

 また、途中で入りたい施設があり寄り道する場合、設備があれば充電を済ませておくこと、反対に充電のために本来目的ではなかった施設に立ち寄る際は、そこで新しいアクティビティや名産を見つけられると、楽しい旅行になるでしょう。

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