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バーチャルからリアルへの道!? eスポーツ選手が実際にロードスターを操りレーサーを目指すマツダの取り組みとは

くるまのニュース / 2024年3月24日 13時10分

近年盛り上がりを見せているeスポーツですが、自動車メーカーのマツダもバーチャルレースの公式大会を主催しています。その大会で好成績を収めた選手を実際のサーキットで特訓し、バーチャルレーサーからリアルレーサーへと成長させるというチャレンジプログラムの練習風景を取材してきました。

■バーチャルレースで好成績の選手を抜てき

 近年、盛り上がりを見せているeスポーツは、格闘ゲームやFPS(シューティングゲーム)といったジャンルだけでなく、モータースポーツを題材としたゲームも含まれます。

 そんなeモータースポーツの中でも抜群の知名度を誇る「グランツーリスモ」を舞台に、自動車メーカーであるマツダが「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP」という公式の大会を実施し、モータースポーツのすそ野を広げていることはご存じでしょうか。

 そのマツダが取り組んでいる「倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGチャレンジプログラム」は、グランツーリスモの大会で好成績を収めたユーザー、つまりバーチャルレーサーに、リアルなモータースポーツへの挑戦の機会を提供するものとなっており、「バーチャルからリアルへの道」と銘打って実施されています。

 すでに2023年度には、19人のeスポーツドライバーがサーキットでの体験走行会に参加し、その中から9人のドライバーが耐久レース「マツダファン・エンデュランス(マツ耐)」への参戦を通じてリアルモータースポーツの楽しさや素晴らしさを体感しているのです。

 そして2024年も前年と同様に、グランツーリスモの大会で好成績を収めたユーザーを対象に、実際のサーキット体験走行会を実施するということで、今回は筑波サーキット(茨城県下妻市)で行われるプログラムを取材することになりました。

■驚きの技術 筑波サーキット練習会で体感

 今回は10人が参加。参加者の年齢も20歳から44歳までと幅広く、モータースポーツ経験がある人もいればない人もいるといった状態です。別会場で実施された体験走行会では、マニュアル車の運転も久しぶりという人もいたほどで、まさにどんな人にもチャンスがあると言えるものとなっています。

 今回の体験走行会は3月13~14日の2日間にわたって行われ、初日はコース1000を、2日目はコース2000を走る日程で、レーシングドライバーとしても活躍する講師陣がインストラクターとしてアドバイスをしてくれるというものです。

午後にはコースを実際に歩いて、速く走るコツを指南されていた午後にはコースを実際に歩いて、速く走るコツを指南されていた

 また、昨年チャレンジプログラムに参加した1期生がメンターやインストラクターとして参加。1期生の中にはすでにワンメイクレースである「パーティレース」に自主的に参戦している人もいるそうで、チャレンジプログラムが早くも実を結んでいると感じることができました。

 車両はマツダが用意したパーティレース仕様の「ロードスターNR-A(ND型)」で、足元にはこの試みに賛同したブリヂストンとBBSによって常にフレッシュなものが供給されている点も見逃せません。

 プログラムとしては、午前中にコースを区切って基本的な運転操作方法を確認したのち、午後に実技走行を行うという流れです。

■グランツーリスモ上位ランカーは実車でも隙なしの走り!

 参加者の中には、普段は実車の運転は近所の買い物程度と話す人もいましたが、さすがはグランツーリスモの実力者ということもあり、スピンやオーバーランをするような人は皆無。それどころかすぐに実車の運転にもアジャストして、今回初めて乗るはずの車両を手足のようにコントロールする姿に筆者(小鮒康一)はただただ驚くばかりでした。

コース全体を使ったライン取りのトレーニングや、パイロンスラローム走行などで車両の挙動を学んでいたコース全体を使ったライン取りのトレーニングや、パイロンスラローム走行などで車両の挙動を学んでいた

 そして午後の走行後には、車載映像を使ってインストラクターからアドバイスを受ける時間が設けられました。ここでもアドバイスののみ込みの早さだけでなく、ドライビングの疑問点をインストラクターに投げかける姿も見ることができ、参加者の前向きな姿勢が感じられました。

■リアルは”G“耐性や”車幅感覚“が求められる

 ここからは参加者の声を聞いてみたいと思います。まずは三重県から参加の岩田和歩さん。25歳の岩田さんはモータースポーツ経験こそないものの、グランツーリスモだけでなく、ほかのレーシングシミュレーターでもドライビングテクニックを磨いており、実車での体験もしてみたいと考えていたところ、このチャレンジプログラムに巡り合ったとのことです。

三重県から参加の岩田和歩さん。モータースポーツ経験はないがシミュレーターで腕を磨いていた三重県から参加の岩田和歩さん。モータースポーツ経験はないがシミュレーターで腕を磨いていた

「実車はゲームでは感じ取れない“G”があったり、車幅感覚をつかむことや目線の送り方など、ゲームではなかなか感じることができない体験があったりして、参加してよかったと感じています」とやりがいを感じた様子。

 リアルではST202型のトヨタ「セリカ」が愛車という岩田さんはラリー好きということで、サーキットでの走行だけでなく、いつかはラリーのようにクルマを振り回すような走りをしてみたいと将来の目標を語ってくれました。

■リアルはバーチャルよりも情報量が多く、その処理が難しい

 続いては石川県から参加の上野柊斗さん。21歳の上野さんはコロナ禍真っただ中だった高校生時、eスポーツの国体にグランツーリスモで出場。当時はゲームパッド(コントローラ)での操作だったということですが、ステアリングコントローラーを使用するようになり、さらに技術が向上したと言います。

 現在はその技術を認められて、「マツダファン・エンデュランス」にもNDノーマルクラスで参戦するなど、すでにリアルとバーチャルの両方で活躍を見せているひとりです。

石川県から参加の上野柊斗さんは高校生時にeスポーツの国体に「グランツーリスモ」で出場石川県から参加の上野柊斗さんは高校生時にeスポーツの国体に「グランツーリスモ」で出場

 そんな上野さんも「実車とグランツーリスモを比較すると、実車はGや音、振動などの情報量が圧倒的に多いので、その情報をいかに処理するかが難しいところですね。操作についてもリアルとバーチャルでは特にブレーキのタッチがかなり違うので、実車で体感できる機会があるのはありがたいです」と話してくれました。

 小さな頃から両親の影響もあってクルマ好きだったという上野さんですが、近年はその思いが爆発気味で、リアルもバーチャルもクルマ漬けの生活とのこと。ゆくゆくはスーパー耐久、そしてスーパーGTへ参戦したいと目標を語ってくれました。

 今回のサーキット走行体験参加者の中から選抜されたメンバーは、今後国内の各サーキットで実施される「マツダファン・エンデュランス」への参戦機会が与えられるということで、どの参加者も真剣にプログラムに取り組む姿が見られましたが、なにより楽しそうにクルマを操っている姿が印象的でした。

 このチャレンジプログラムは今後も継続的に実施していく予定とのことですので、腕に覚えのある人はグランツーリスモでの大会が実施されるまで、さらに腕を磨いておいてみてはいかがでしょうか。

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