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岡田准一さん愛好「ブラジリアン柔術」人気の秘密探る 実はザッカーバーグ氏も

京都新聞 / 2024年3月11日 6時30分

ブラジリアン柔術のスパーリングに汗を流す会員ら(京都市中京区・カルペディエム京都)

 柔道にルーツがあり、ブラジルで進化した「ブラジリアン柔術」の道場が京都でじわりと増えている。道場をのぞくと、仕事を終えた会社員や学生たちが技の応酬を繰り広げていた。時には外国人観光客が混じることもある。なぜ、この激しい競技に魅了される人が多いのか。

 2月の平日午後7時。京都市中京区烏丸御池交差点近くのオフィス街にあるブラジリアン柔術ジム「カルペディエム京都」に、スーツ姿の中年男性たちが入っていった。道着に着替え、マットの上で柔軟や基礎トレーニングをみっちり30分こなす。「ディフェンスのイメージで」。頻繁にインストラクターの指示が飛び、生徒たちは黙々と練習に打ち込む。

 実戦形式のスパーリングは寝技の真剣勝負で、一瞬の隙で攻めと守りが入れ替わる。1年前に会社の同僚に誘われて始めた会社員上木貴博さん(45)は「手の読み合いは相手と会話しているよう。勝てなくても楽しい」と話す。この日の対戦相手の佐々木達憲さん(39)は弁護士だ。「無理なく取り組めて、仕事や家庭とは異なる『サードプレイス(第3の場所)』の充足感が得られる」と語る。

 道場代表の渡辺智史さん(42)も実は大手電機メーカーの社員だ。大学時代から続けるブラジリアン柔術を広めたいと、在職しながら1月に道場を開いた。働き盛りの30~50代に支持されているのは、寝技が中心の競技性にある。動きは激しい半面、外傷を避けやすいため、「翌日に顔を腫らして仕事に行くことはない」(上木さん)。

 ブラジリアン柔術とは、どんな格闘技なのか。

 日本ブラジリアン柔術連盟(東京)によると、講道館出身で異種格闘技2千戦無敗と言われた柔道家前田光代が1916年に旅先のブラジルで後に格闘家となるカーロス・グレイシーと出会ったのが始まりだった。当時まだ15歳だったグレイシーが前田に教わった技を独自に進化させる。

 柔道が投げ技に重きを置くのに対し、ブラジリアン柔道は、床に手や足を付けた状態での関節技など寝技が中心。日本では格闘家の桜庭和志とグレイシー一族が激戦を繰り広げた2000年前後に知名度と人気が高まった。俳優の岡田准一さんや玉木宏さんが大会に出場しているほか、米IT大手メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)ら海外の著名人にも愛好家が多い。

 なぜ今になって新規の道場が増えているのか。

 「ブラジリアン柔術は今、世界的なブーム。首都圏は1駅に1道場くらいの密度になっている」と渡辺さんは解説する。大阪府内にも約10カ所あるが、「隣接する京都は少なかった」という。ボクシングジムのようにリングやトレーニング機器をそろえる必要がなく、初期投資を抑えることができるのも開業が相次いでいる理由のようだ。

 渡辺さんによると、京都府内では現在、専門道場3カ所を含めて少なくとも5カ所に道場がある。

 ブラジリアン柔術は所属先と異なる道場での出稽古が一般的なため、訪日中の外国人が立ち寄ることも珍しくなく、親子で稽古を楽しんだ米国人旅行者もいたという。このため、世界中の人々が絶えず訪れる京都は特にブラジリアン柔術が似合うと渡辺さんは見る。「われわれにとっては旅先で朝、ジョギングするのと同じ感覚。言葉が通じなくても柔術で語り合えますからね」

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