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『DQ』勇者の名前が「えにくす」でなくなったのはなぜ?「アルス」が広まった経緯

マグミクス / 2023年2月7日 7時10分

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■「えにくす」は分かるけれど「アルス」はどこからやってきた?

『ドラゴンクエスト』の勇者の名前と聞いて、どんな名前が思い浮かぶでしょうか。「アベル」「ロト」はたまた「えにくす」が浮かぶ方もいるかと思いますが、なかでも「アルス」という名前の定着度は高いです。

 とは言え「ドラクエ」シリーズでは、主人公の名前は基本的に自分で決められる仕様です。果たしてこの「アルス」はどのように広まったのでしょうか。勇者の名前の歴史を概観してみましょう。

「アルス」という名前が登場したのは『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』でした。ファミコン版の説明書では「えにくす」と仮に設定されていますが、資料によっては「あるす」という名称がすでに用いられることもあったようです。しかし、この時点では一般的な知名度を獲得したわけではありません。この「アルス」が市民権を獲得するのは1991年から「月刊少年ガンガン」で連載が開始された『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』(原作・設定:川又千秋、脚本:小柳順治、作画:藤原カムイ)の影響と言われています。

 大ヒットした本作の主人公の名前こそ「アルス」。作中でも「聖なる名」であることが強調されており、6年に及ぶ長期連載ということもあって、「勇者=アルス」というイメージは一気に定着していったのです。そして決定的となったのが1996年発売の『ドラクエIII』のスーパーファミコン版です。かつて「えにくす」だったプレイ画面での勇者の名前がリメイク版の説明書では「アルス」に変更されました。つまり「アルス」という名前が、半ば「公式の勇者ネーム」として使用されたのです。

 そして2000年に発売された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』ではプレイ画面ではなく、キャラクター紹介の主人公の箇所で堂々と「アルス」と書かれています。主人公にデフォルトの名前が与えられたのはこの『VII』が初のこと。この「アルス」の大躍進によって以降、関連作品の主人公の多くが「アルス」という名前に統一されたのでした。

『ロトの紋章』で一気に広まった勇者「アルス」という名称。現在、再びその傾向は弱まり、各ナンバリング名を仮の名前にすえるケースも増えてきました。(『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』なら「エイト」、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』なら「ナイン」のように)。

 次回作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』で、ひそかに「アルス」が復活しないか。さらに言えば「えにくす」も復活しないか。伝説の勇者の名前を、ファンとしては引き継ぎたいと勝手に願っています。

(片野)

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