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【漫画】生理が3か月止まらない←がんだった! 「見ないふり」していた理由とは?【作者インタビュー】

マグミクス / 2024年2月29日 20時50分

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■体を二の次にしてしまいがちな自分に気付くきっかけに

 生理が3か月止まらなくなってしまうなど、あきらかな不調を無視し続けて仕事をしていた漫画家の小林ロクさん(@kbys6uuupaaa)。忙しい日々のなかで正しい判断能力を失っていました。友人の勧めもあり検査を受けると初期の子宮体がんを宣告され、手術することになります。手術は無事に終わって、現在は絵を描けるまでに回復しました。手術における将来への決断や、退院後の体調管理を通して、小林ロクさんが気付いた大切なこととは……?

 小林ロクさんによるエッセイマンガ『不調を無視し続けてがんに至ったお話』がX(旧:Twitter)上で公開されました。いいね数は7500を超えており、読者からは「無事で本当に良かったです」「標識の表記が『止まれ』ではなく『止まろ』という表記になっていて優しさを感じました」「がんの治療法を決めるときって、頭のなかがごっちゃになるのでとても励みになりました」などの声があがっています。

 小林ロクさんは漫画家として活動中で、坊主たちが働く「寺カフェ」を描いた作品『ぶっカフェ!(既刊6巻)』(星海社)が発売中です。

 作者の小林ロクさんにお話を聞きました。

ーー今作『不調を無視し続けてがんに至ったお話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。

 これまで、自分の思いを誰かに向けて表現することに苦手意識があったのですが、がんと告げられた頃、「経験したことや感じたことを自分なりに表現する方法を私は持っている、それができるのもいまの自分しかいない」と思い、寛解後、苦手に挑むような気持ちで描き始めました。長らくマンガの連載をお休みしているので、リハビリを兼ねて気持ちの整理をしてから再出発したかったのもあります。

ーー自分の体の健康が一番だと改めて感じる作品でした。今回の経験をきっかけに、日々の生活で気を付けるようになったことなど変化はありましたか?

「もっと頑張らないとダメだ」という思い込みを手放すようになりました。「ダメ」という否定は、己に厳しい……を超えて自分への攻撃になってしまっていたからです。あと、誰かにとっては理想的とされる健康法を無理にまねようとするのも「頑張り」だと思うので、これも手放しました。ついつい何かしなきゃと思っちゃうんですよね。

 頑張らないですむのはいつもできている「習慣」の範囲ですから、自分に合った生活習慣を守っています。療養のときはむしろいっさい何もせず、目からも耳からも情報を入れない時間があって、これが普段にも必要だと感じました。

著:小林ロク『ぶっカフェ!』第6巻(星海社)

ーー今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?

 気を付けた点は、「こんな無茶をすると大きな病になります!」みたいに病気の因果関係を断定したり、読者さんの不安をあおったりすることがないよう、あくまでひとつの体験談として「私はこの経験からこう思った」という個人の感想に留めたことです。

 12ページ目の「決断」のシーンは、気持ちの整理をする意味でも描きたかった場面です。当時は治療方法の選択で悩みましたが、悩みきった最後には「どちらを選んでも私は私だ」という、不思議なほどシンプルで落ち着いた境地だったのを憶えています。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 まずは、たくさんの温かなお言葉にお礼を伝えたいです。ひとりで抱える必要はないんだ、と勇気づけられました。同じ婦人科系疾患の治療をされた方からも体験談をうかがい、「婦人科系の不調は見ないふりをしてしまいがち」というお声が印象に残りました。

 なぜ「見ないふり」をしがちなんだろうと考えると、自分の場合は重い生理痛や生理不順などは日常的でした。なんなら生理自体が、「毎回さまざまな不調を引き起こすもの」なのに「病気ではない扱い」だからこそ、取り立てて考えていられない、が正直なところでした。

 みんなもつらいのを我慢しているから……とか。「みんなも我慢してる」はいい換えれば、「私も耐えるんだからあなたも耐えろ」といっているのと同じで、本当は誰ひとりとして我慢する必要はないですよね。

ーーほかにも、マンガ『ぶっカフェ!(既刊6巻)』(星海社)が発売されています。あらすじや見どころを教えて下さい。

 主人公のルリが「寺カフェ喫茶去(きっさこ)」でアルバイトとして働きながら仏教に触れてゆく物語です。「寺カフェ喫茶去」は宗派の違う僧侶3人が経営するカフェで、ドジで自分に自信がないルリをはじめ、お客さんや周囲の人の悩みに仏教を通して答えたり、また、それぞれの僧侶自身もひとりの人として悩んだりする様子を描いています。

 作者自身、お寺や仏教についてはよく知らないところから執筆がスタートしました。知っているようで知らない仏事の知識や、「これって仏教が由来だったんだ!」という言葉、教えを楽しく学びながら描かせていただいています。

ーー小林ロクさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 子供の頃から親の影響でマンガに囲まれて育っていたので、幼少期はノートにオリジナルの作品を描いていました。でも人に見られるのは恥ずかしくて、本当にこっそりと。ノートも厳重に隠したり。親も友人も知らなかったと思います。なので身内含め、人様に見せたオリジナルのマンガはデビュー作が最初です。

ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 今後はもっと、これまで思ってきたことや日々感じたことも表現して行こうかなと。せっかくなら明るいことや楽しいことを発信したいとやってきましたが、日常には悲喜こもごもがあって自然ですし、著作の『ぶっカフェ!』でもその切り離せない悲喜を大切に描いています。気負わず活動できたらと思います。

(マグミクス編集部)

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