主人公機が燃え尽きた!?『ゲッターロボG』の衝撃 後のロボットシーンに大きな影響
マグミクス / 2020年5月15日 12時10分
![主人公機が燃え尽きた!?『ゲッターロボG』の衝撃 後のロボットシーンに大きな影響](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_27908_0-small.jpg)
■炎のなかに崩れ落ちるゲッターロボ
1975年5月15日に放送開始した『ゲッターロボG』は、前作『ゲッターロボ』の直接の続編にあたります。戦死した巴武蔵に代わり車弁慶を新たなパイロットとして迎え入れた新生ゲッターチームが、新たなゲッター「ゲッターロボG」を駆り、ブライ大帝率いる百鬼帝国と人類の存亡を賭けた戦いに臨むストーリーは、当時の少年たちを熱狂させました。幼少時はアニメを見ていて、その後ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでゲッターチームを切り札として愛用していたライターの早川清一朗さんが「ゲッター」の思い出を語ります。
* * *
『ゲッターロボ』は1970年代にロボットアニメを見ていた方々ならば、決して忘れることができない不朽の名作です。ささきいさお氏が歌い上げるオープニングテーマ「ゲッターロボ!」の熱さと、イーグル号、ジャガー号、ベアー号が合体変形して誕生するゲッター1、ゲッター2、ゲッター3の変幻自在の戦いぶりは、主人公、流竜馬を演じる神谷明さんの「ゲッタービーム!」をはじめとした数々の叫び声と共に、脳裏に焼き付いて消えることはありません。
その直接の続編となるのが、『ゲッターロボG』となります。『ゲッターロボ』のラストでゲッター3のパイロットである巴武蔵がコマンドマシンで無敵戦艦ダイに突っ込み、不運にも戦死してしまった場面は、再放送で見ていた筆者に大きな衝撃を与えました。
そうして始まった『ゲッターロボG』でしたが、『ゲッターロボ』とオープニングテーマが同じだったこともあり、特に別の番組を見ているというイメージは持っていなかったような記憶があります。それよりも気になっていたのは、「武蔵の次は誰が乗るんだろう?」という点だったのですが、番組が始まってすぐに、度肝を抜かれてしまいます。
あろうことか、ゲッターロボが火に包まれていたのです。
恐竜帝国との激闘を戦い抜き、数多のメカザウルスを倒してきた無敵のゲッターが、炎のなかに崩れ落ちようとしていたのです。
■「たった今、新しいゲッターロボが完成したのよ」
原作:永井豪 作画:石川賢 オリジナル版『ゲッターロボ』 第一巻 (復刻名作漫画シリーズ)(小学館)
やがてゲッターロボは爆発して燃え尽きます。そして次の瞬間ミチルさんの「新しいゲッターロボが完成したのよ」との声と共に、ゲッタードラゴンが姿を現したのです。まだ主人公機が交替するという概念がほとんどない時代、これは大変に画期的な出来事だったのです。
このときはこのときで「すごい!新しいゲッターロボだ!」とはしゃいだものですが、大人になってからよく考えてみると、「え、ゲッターロボって火で燃える素材でできてるんだ……」という疑問が湧いてきたのもまた事実です。
それはさておき、ゲッターチームは車弁慶を新たなパイロットとして迎え入れ、新たな敵、百鬼帝国との戦いに突入します。
ドラゴン号、ライガー号、ポセイドン号の3機のゲットマシンがゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンへと合体変形する新たなゲッターロボは、もともと宇宙開発用として作られていた旧ゲッターロボとは異なり、最初から戦闘用として設計されているため、10倍もの能力向上を果たしていました。さらには3人の呼吸を合わせ、同時にペダルを踏むことによって放つ必殺技「シャインスパーク」も追加され、中盤以降に登場した強大な敵を次々と葬っていきました。
『ゲッターロボG』は全39話で放送終了となりますが、前作と合わせ、後のロボットシーンに大きな影響を与えていきます。
特に知名度を高める要因となったのが、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズへの参戦でしょう。特に初期のシリーズでは『ゲッターロボ』は『機動戦士ガンダム』『マジンガーZ』と共に「この3機がいればなんとかなるようにしてある」と言われるほど重要な戦力として機能するようになっており、3人分の精神コマンドが使えることもあって、『真・ゲッターロボ』が参戦するまでは最強戦力の一角として、多くの強敵の撃破に貢献してくれました。
1990年代半ば以降、多くのゲッター作品が作られるようになりますが、その基本は『ゲッターロボ』と『ゲッターロボG』であることは間違いありません。石川賢先生の手による漫画版ではゲッターロボとゲッターロボGの対決が描かれたり、ゲッタードラゴンが真ドラゴンに進化したりするなどさらにスケールの大きな物語が展開していましたが、2006年の先生の他界により、結末が描かれなかったのが、今でも残念でなりません。
(早川清一朗)
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