いま振り返る初代「ゾイド」の軌跡。子供たちの心をとらえた魅力はどこに?

マグミクス / 2020年10月17日 17時10分

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■おもちゃ屋の店頭で子供たちの目を引いた

 40年近く愛されてきた「ゾイド」は、2020年の現在も、「ゾイドワイルド」シリーズとして玩具やアニメ作品が注目を集めています。2020年10月17日(土)からは、アニメ最新作『ゾイドワイルド戦記』が配信開始しています。「ゾイド」が人びとを引きつける魅力はどこにあるのでしょうか。

 その始まりは1982年。トミー(現在のタカラトミー)から、「メカボニカ」というシリーズの玩具が発売されました。簡単にいえばゼンマイで動く組立式の動物型ロボットです。その後、1983年から海外と同じタイトルの「メカ生体ゾイド」に変更しました。この時に新しく「ゾイド」たちの設定を加えます。地球とは別の惑星で戦う共和国と帝国、ふたつの陣営に分かれて戦う……という設定です。

 この設定がヒットのきっかけになります。そして、初めてのモーターと電池で動く大型ゾイド「ビガザウロ」が販売されました。

 この「モーターと電池で動く」というのがポイントで、おもちゃ屋で実際に稼働するゾイドを見せることで、子供たちの興味を引くことに成功したわけです。

 やがて新しいギミックが次々投入されることで、シリーズ展開は加速していきます。それは1984年。「ゾイド」第一期の代表的キャラとなる共和国側の「ゴジュラス」と、敵役となるゼネバス帝国側のゾイドがラインナップに加わったことです。

 このふたつの出来事が、「ゾイド」の地位を確立させたといっても過言ではないでしょう。

 筆者もこの時期くらいから「ゾイド」を買い始めています。帝国軍のモルガやマルダーとか動きがかわいくて、いくら遊んでいても飽きなかったです。塗装や改造が手軽にできるのも気に入った点で、それまでプラモデル趣味に使っていた時間はそのまま「ゾイド」に移行しました。

「ゾイド」は、数をそろえて遊ぶという組立式玩具の先駆けといえる存在でした。後に登場したタカラ(現在のタカラトミー)の『魔神英雄伝ワタル』のプラクションや、バンダイの『元祖SDガンダム』なども、同様のコンセプトからヒットした商品だったと思います。

■「改造」で広がる想像力、ヒットは決定的に

アニメ『ゾイドワイルドZERO』キービジュアル (C) TOMY/ZW製作委員会・テレビ東京

 もともと「ゾイド」の物語は、店舗で配布されていた小冊子「ゾイドグラフィックス」で発表されていました。それを読んで子供たちユーザーは、想像をふくらませて玩具を楽しんでいたのです。

 やがてそれは小学館の学年誌や、コロコロコミックにも広がります。玩具を使った本格的なジオラマ、さまざまな改造例が紹介されて、ブームは地に足がついた安定感を得ます。なかでも、増刊としてまとめられた「ゾイドバトルストーリー」がユーザーに与えた影響は大きかったと思います。

 大きな戦争のなかで、自分の部隊が戦うさまを想像し、玩具をそろえていく。オリジナルの改造が更なる想像を生んでいくわけです。

 トミーもそれを後押しするように改造セットやフィギアセット、ディオラマベースなど、脇を固める商品を販売していきます。ラインナップも、大型を越える超大型ゾイドの「ウルトラザウルス」や、通常の1/72よりフィギアと連動しやすい1/24の24ゾイドシリーズなどを発売していきます。

 その人気の高さは玩具だけにとどまらず、森永製菓から食玩として「森永チョコスナック メカ生体ゾイド アタックゾイド」という、1/72のゾイドと一緒に遊べる小型ゾイドが発売されています。

 しかし、「ゾイド」は1990年に発売されたデス・キャットを最後に終了を迎えます。このひとつ前に販売されたキングゴジュラスは、最後を飾るにふさわしい、第一期では最高のメーカー希望小売価格となる製品でした。

 こうして「ゾイド」第一期は終了し、世界観を引き継いだ『装甲巨神Zナイト』にバトンタッチします。

 しかしながら、「ゾイド」の本格的な復活は1999年、アニメ『ゾイド』が起こした第二期ゾイドブームまで待つことになります。

 そして2020年の現在、『ゾイドワイルド』が起こしたのが第三期ゾイドブームということになるのです。振り返ってみると、昭和、平成、令和と、「ゾイド」はそれぞれの時代で子供たちのハートをしっかりつかんでいるのですね。

(加々美利治)

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