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『スパロボ』の醍醐味? 独自の設定や悲劇回避が招いた、予想外の「三角関係」とは

マグミクス / 2021年7月15日 17時10分

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■スパロボの独自設定が「公式」になったことも

 先日、30周年を迎えて新作が発表されたゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズ、通称「スパロボ」。その最大の魅力は、本来なら共演することのないさまざまな作品のロボやキャラたちが夢の共演を果たすことです。今回はその魅力について紐解いていきます。

 ひと口に「共演」といっても、作品によってさまざまな世界観があります。スパロボのスゴいところのひとつが、この異なった世界観を無理なくつなげることでした。作品によって世界観は現代から未来世界、他の惑星、異世界など、実に多種多様です。これらをつなぎ合わせるためにゲーム独自の設定を作り、そこにはめていくという行程は並大抵の苦労ではないでしょう。

 そのため、時には本来とは異なった設定が付け加えられることがあります。いわゆるスパロボの「独自設定」です。第1作から遊んでいる筆者は、この独自設定が大好きです。時々、強引だと思うこともありますが、見事に設定として成り立つこともあって、スタッフに拍手を送りたい気持ちになることもよくありました。

 例えば、ゲッター3の必殺技である「大雪山おろし」。本来はゲッターの技ではなく、パイロットのムサシの技です。しかし本来と同じくムサシが戦死して、後をベンケイが引き継ぎました。その結果、ゲームではベンケイの乗るゲッター3は大雪山おろしが使えません。そこでオリジナル展開でベンケイを特訓し、大雪山おろしを使えるようにしました。

 この結果、大雪山おろしはゲッター3に限らず、上位機のゲッターポセイドンまでも使用、さらに真ゲッター3では大雪山おろし二段返しという技にパワーアップします。

 このスパロボの独自設定が逆輸入されることもありました。前述した真ゲッター3が、その最初の例ではないでしょうか。もともと、真ゲッターロボはスパロボの原作となるアニメには登場していません。マンガ版で真ゲッター1と、真ゲッター2の上半身が出ただけでした。それをスパロボで登場させるため、原作者の石川賢先生にデザインしてもらい、スパロボでデビューすることになります。このデザインが後に原作マンガに逆輸入され、さらにアニメ作品にまでなりました。

 この勢いで、マジンガーシリーズでも「マジンカイザー」という新マジンガーが誕生して今に至ります。他にも、本編未登場のファイナルダンクーガやグレートゼオライマーなど、本来はなかった強化形態ロボがスパロボを通して世に送り出されました。

 最近では、別の作品のロボにパイロットが乗るというシステムもあります。例えば『コードギアス 反逆のルルーシュ』のゼロが乗ったウイングガンダムゼロリベリオン、『蒼き流星SPTレイズナー』のエイジが乗ったスコープドッグ……など。スパロボの独自設定には毎回驚かされるばかりですね。

■悲劇的な結末を回避した結果…?

スーパーファミコンで発売され大ヒットとなった『第3次スーパーロボット大戦』。画像は同作のPlayStation版(バンプレスト)

 筆者がスパロボでもっとも魅力に感じているのが、「本来あった悲劇」の回避です。たとえば、悲惨な最期を遂げるキャラを、いくつかのフラグを立てることで救出できる。そして、その努力に応じて本来は味方にならないキャラが仲間になってくれるわけです。ファンにとって夢にまで見た展開かもしれません。

 さらにスパロボは基本的にハッピーエンドで終わるゲームですので、時には作品自体が全滅エンドのような展開も回避できます。もちろん、本来通りのエンディングを迎えてゲームオーバーという展開も用意されていました。

 このような悲劇回避の展開は、本来いないはずの他作品のキャラの影響という、スパロボだから起こりえる理由があります。もっとも顕著な例が『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジでしょう。本来なら孤独な環境下にあったシンジが周りの影響で前向きになるという展開は、スパロボでは定番のようになっています。

 もっとも、スパロボの世界ゆえに変わってしまう事象もありました。前述した悲劇回避で予想もしない「三角関係」が生まれることです。

『機動戦士Zガンダム』のカミーユの横にファとフォウ、時にはロザミアというラブコメにも似た恋愛模様や、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシンにルナマリアとステラという展開がありました。アムロにも『機動戦士Zガンダム』のベルトーチカと『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』のチェーンという、本来なら別の時間で付き合っていた彼女と二股になるという、定番の展開があります。

 恋愛模様に限らず、妙なつながりで意気投合する別作品キャラなど、異世界交流のような要素にスパロボの魅力を感じる人も多いことでしょう。その際、開発スタッフが入れ込んでくる難解なネタが分かるか分からないかで楽しみの度合いも違ってくると思います。

 新作『スーパーロボット大戦30』の情報が公開された時、アムロがゲッターチームに巴投げを教えてもらったというネタがありました。少しでも詳しい人ならニヤリとなるセリフです。みなさんはおわかりになりますか?

 こういった小ネタがスパロボの魅力であり、それが可能となるのもいくつもの作品が合流するからでしょう。今から新作の発売が楽しみでなりません。

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(C)1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会
(C) 2005 AIC・チームダンチェスター/ガンソードパートナーズ

(加々美利治)

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