ブリーダーからのレスキュー…飼育崩壊を生き延びたアメショーが、愛情豊かな日常をつかむまで
まいどなニュース / 2024年3月13日 12時15分
「動物をお迎えする際に、よく聞く言葉ではありますが、“最後まで責任を待つ”という覚悟が、ブリーダーや飼い主には必要なんだと思います」
そう語るのは、アメリカンショートヘアの愛猫あめちゃんと暮らす飼い主のamesownerさん。
あめちゃんは飼育崩壊したブリーダーのもとから救出された、元保護猫。一緒に暮らす中で飼い主さんは小さな命の守り方に、より思いを馳せるようになりました。
ブリーダーの飼育崩壊によって保護されたアメショーと出会って
共に猫好きな飼い主さんはたまたま、ペット飼育可の物件にパートナーと共に引っ越し。それに伴い、猫を迎えようと考えていたところ、飼い主さんの妹さんから、「ブリーダーから保護されたアメショーがいる」との連絡が。急を要する事態だと感じた飼い主さんはお迎えを決め、保護主さんと対面しました。
保護主さんによれば、ブリーダーは脳出血で半身不随のため動けず、最低限のお世話すらできていなかったそう。部屋の状態も、動物の飼育に適していとは言えませんでした。
「全てのブリーダーさんがそうではないとは思いますが、命を扱うのなら最低限の飼育はしてほしい。それができないのなら、厳しいことを言いますが、ブリーダーという仕事自体を辞めていただきたいなと、私は思います(保護主さん)」
そのアメショーは、約1歳。ご飯を満足に与えられてなかったのか、体はガリガリ。血便も見られ、全身から悪臭が漂っていました。
また、椅子の下に隠れて出てこなかったり、保護主さんの様子を伺ったりと警戒心は強め。保護主さんが軽く「ダメだよ」と注意をすると、怯えてその場から逃げていました。
そこで保護主さんは、噛まれても粗相をされても慣れるまでは好きにやらせてあげようと決意。すると、保護から3週間ほど経った頃、喉を鳴らして甘えたり、足の上で寝たりするように。
1カ月経つ頃には常に人がいないと寂しがるほど、人間好きになってくれました。
わずか2.2kgだった小柄猫がアクティブな性格に!
保護主さんのおうちで1カ月ほど過ごし、人間好きになってくれたアメショーはその後、飼い主さん宅へ。「あめ」という、かわいい名前を貰いました。
「過酷な中で生きてきた子なので、より大切にしようと話しながらお迎えしました」
迎えた当初、あめちゃんはまだ痩せており、体重はわずか2.2kg。知らない環境の中、再び警戒心を募らせ、部屋の奥に隠れてしまいました。
飼い主さんは撫でまわしたい気持ちを抑え、あめちゃんから甘えに来てくれるのを待つことに。すると、優しい気持ちが伝わったのか、お迎えから1日経つ頃には喉を鳴らし、甘えてくれたそう。
「警戒していたあめちゃんが初めておなかを見せてくれた時は、とても嬉しかったです」
それからというもの、あめちゃんは日を増すごとに甘えん坊になり、今では飼い主さんが帰宅した時、鍵穴に鍵を入れた音を聞きつけ、玄関でお出迎えしてくれるまでになりました。
「不思議なことに、仕事など長時間の外出は平気ですが、ゴミ捨てやコンビニなど短時間の外出時には大きな声で、呼ぶようにニャオニャオと鳴きます」
アメリカンショートヘアは、かつてネズミ取り要員として重宝されたルーツを持つ活発な猫種。そのため、飼い主さんは朝晩しっかりと遊び、あめちゃんがストレスを感じないように配慮しています。
「お気に入りは、ペットボトルのキャップ。一緒に遊ぶ時は猫じゃらしですが、ひとり遊びができるようにペットボトルのキャップを床に転がしておくと、ドリブルするように遊んでいます」
アクティブなあめちゃんは寝ている飼い主さんに奇襲をしかけたことも。
「ロフトのハシゴから、お腹に向かって飛び降りてきた時は、すごく痛かった。何度かやられたので、今では首輪についている鈴の音で、ハシゴを登っているんだと気づくようになりました」
そんな活発さを見せる一方、ロフトの階段から落ちる、一緒に寝ている時にベッドの淵から落ちるなど、あめちゃんにはちょっぴり鈍くさいところも。
「うんちをした時には一生懸命埋めようとしているけれど、全く埋まっていません(笑)」
予想外の行動をたくさんみせてくれるため、飼い主さんの親心はさらに掻き立てられます。
ブリーダーには倫理観に基づいて動物の命を大切にしてほしい
すっかり家族の一員として溶け込んだあめちゃんは、飼い主さんのパートナーとも絆を深めているよう。
パートナーの枕でくつろいだり、彼の帰りが遅い時には外に向かって呼ぶように、ニャオニャオ鳴いたりと、愛情が感じられる姿を見せてくれるのだとか。
「あめちゃんがいることで癒され、優しい気持ちでいられます。家族の一員として、少しでも長く一緒に過ごしていきたい」
そう思うからこそ、世のブリーダーに対しては、きちんとした倫理観に基づいて、小さな命を大切にしてほしいと願っています。
「命を扱っていますし、ましてやお金をもらっていますから、何かあった時のために頼れる人を決めておく、何らかのサービスを受けるなどして、動物の命を守れるようにしてほしいです」
それは、飼い主にも言える共通認識。そう話す飼い主さんの言葉を受けると、自分がしている・してきた動物の命との向き合い方を、改めて考えさせられます。
劣悪な環境から助け出され、ようやく自由奔放に過ごせる日々を手に入れた、あめちゃん。これからも天真爛漫な姿をたくさん見せ、猫らしいニャン生を謳歌してほしいものです。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
明日はナデナデできるかな?…「人馴れ修行」の日々も楽しい 過酷な暮らしを経て人間嫌い!2匹の三毛猫姉妹を迎えて
まいどなニュース / 2024年4月23日 16時10分
-
夜の国道…車に轢かれた野良猫がみせた生きる力「平凡なOLでも、ひとつの命を救えた」支援で紡がれた奇跡の物語
まいどなニュース / 2024年4月11日 16時20分
-
狭い「水槽」の中で育って…悪徳ブリーダーから救われた2匹の猫 愛あふれる新生活、虎太朗くんはがんも克服
まいどなニュース / 2024年4月10日 12時25分
-
ペットショップで売れ残っていた大きな猫をお迎え。精神的に苦しい時期を乗り越える支えに
女子SPA! / 2024年4月6日 15時45分
-
「バイクのツーリング先で…」山林から子猫の鳴き声!段ボール箱の中に2匹が遺棄「こんな酷いことを…悲しくて涙が出てきた」
まいどなニュース / 2024年4月2日 15時50分
ランキング
-
1サントリーCM「ひろゆき」起用に見る"したたかさ" 成田悠輔はダメなのに、ひろゆきは大丈夫な理由
東洋経済オンライン / 2024年4月27日 12時40分
-
2洗濯機の「水栓」を開けっ放しにしてしまうと危ないのでしょうか? 【家電のプロが回答】
オールアバウト / 2024年4月27日 20時10分
-
3元横綱・曙の「54歳で死去」はまったく不思議ではない…「野球選手14%」に対し「幕内力士58%」という死亡率の高さ
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 16時15分
-
4“100均”オススメ商品は? 男女200人の“リアルな声”
オトナンサー / 2024年4月27日 7時10分
-
5刑事役を拒否していた田村正和は、なぜ「古畑任三郎」だけは引き受けたのか…最終話で菅原文太に放った名台詞
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください