猫が横になった瞬間、ウキウキで現れるウサギ お目当てはグルーミング…仲睦まじく見える動画が「可愛い」と大反響
まいどなニュース / 2024年3月19日 15時30分
獣医師の和泉ユタカさん(@IzuYuta)は、米国でウサギや馬、猫、さらには爬虫類などと暮らしている動物好き。時折、彼らがどんな暮らしをしているのかXに投稿して見せてくれます。最近話題になったのが、ウサギのゆずり葉ちゃんと猫のアルバートくんの仲睦まじい動画。「いいね」は45万件にもなりました。
和泉ユタカさんは、
「夜更け、猫がベッドに横になると10秒以内にウサが嬉々として登場する。」
と投稿。ウサギが猫にピッタリと寄り添い、気持ち良さそうにグルーミングをしてもらっているのです。なんとその幸福な時間は1時間にも及んだとか。
和泉ユタカさんにお話を伺いました。
ーーなぜ即座にゆずちゃんが登場するのでしょうか。
「猫のアルくんはトイレとごはんの時間以外は、ほとんどベッドルームにいます。しかし、最近はゆずちゃんの“舐めて圧”が高いせいか、ゆずちゃんの手が届かない家具の上で昼寝していることが多いのです。しかし、ゆずちゃんは、夜更けに飼主がベッドに入った直後にアルくんもベッドに来ると知っていて待ち伏せしています」
ーー出会った当初から仲良しでしたか。
「ゆずちゃんは飼育放棄された子ウサギなのですが、生後2〜3カ月の時にうちで引き取ることになりました。まだ幼かったので猫に対する恐怖心などはなく、初日から興味津々でアルくんの匂いを嗅ぎに行っていました。一方アルくんは、我が家の帝王と呼ばれていたあやめたんに、子猫の頃から『ウサ様に逆らうな』としつけられて育ったので、ゆずちゃんが来た当初、少し離れた場所から恐る恐る観察していました。とはいえアルくんは、もともと性格が穏やかで他の動物とも仲の良い猫なので、2、3日もするとゆずちゃんに近付き、ちょっと匂いを嗅いだりシッポを触ってみたりするようになりました。1週間もしないうちにサークルの中で一緒に昼寝をするようなりました」
ーーグルーミングはどのように始まったのでしょうか。
「ゆずちゃんはすぐに猫に慣れて、寝ているアルくんにくっついて寝るようになりました。更に、『グルーミングさせてあげてもいいんだよ』と言わんばかりにお腹や胸に頭を突っ込むようになったのです。アルくんは初めはびっくりして逃げていましたが、だんだん子ウサギの頭や背中に手を置いてグルーミングするべきか考え込むようになりました。そしてゆずちゃんが家に来て2週間ほどしたある日、遂に恐る恐る頭を舐め始め、嫌がられないと分かるとだんだん大胆になり、前脚で抱き寄せるようにして全身を舐め回していました。職業柄、無数の猫を見てきましたが、アルくんは群を抜いて性格が良い猫です。子ウサギや子猫、子犬なんかが家に来たら、きっと可愛がるだろうなとは思っていましたが、思っていた以上に仲良くなるのが早かったです」
ーー猫のグルーミング、よほど気持ちいいのでしょうね。
「飼主に撫でられるよりも遥かに心地良いようです。舐めて欲しい場所へ頭や身体を移動しています。ある意味マッサージ機か孫の手のような扱いです(笑)」
ーー肉食と草食、一定の条件が整えば、異種動物でも仲良くなれると思われますか。
「異種動物で仲良くなる例は多くありますが、性格や環境が大きく関わってきます。たとえ同種族同士でも、相性が悪ければ肉食・草食に関係なく簡単に殺し合いになりますし、草食動物だからと言って大人しいとは限りません。例えば、野生のウサギでも巣を襲ったガラガラ蛇を半殺しにすることもあれば、一緒に飼われている犬猫相手に流血騒動(肉食動物がやられる側です)を起こすことも。私はウサギと猫のペアを飼うのはこれで4度目ですが、全てウサギの方が優位に立っていました。多頭飼いは上手くいけば楽しくて可愛いですが、同種、異種に関わらず、上手くいかない場合のリスクを忘れてはいけません。万が一、相性が悪かった場合にはどうするのか。安全な環境で飼えるほどの時間的余裕と物理的スペースがあるのかといったことを真剣に考慮してほしいと思います」
ーー何はともあれ、仲良くなれて良かったですね。
「ゆずちゃんは、夜も昼もアルくんの後ろをついて回り、寝ている時は常にお互いの体の一部をくっつけています。ちなみに、猫が他者を舐めてグルーミングするのは親愛の情や子猫の世話、または、相手の臭いや汚れが気になる時などですが、ウサギの場合は、グルーミングする方が格下で、される側は『おまえのことが気に入ったから、特別にワタシ/ボクをグルーミングさせてやる』と思っています。ゆずちゃんが優しいお兄ちゃんに甘えているように見えますが、実は、ゆずちゃんの心理としては『ゆずちゃんがボス!』という可能性が非常に高いです」
動画を見た人からは、たくさんのコメントが寄せられ大賑わいでした。
「すっごい毛づくろいしてあげてる…可愛すぎる。ウサギって結構警戒心強い生き物だって思ってたのに…」
「え…うちのウサギ私にだってこんな甘えないんだけども。心許しまくってるかわいすぎる!!!!」
「ずっと見ていたくなる優しい世界ですが、『わらわを舐めよ』なんですよね」
ゆずちゃんは、「懐かない、家具を噛む、トイレを覚えない、抱っこが嫌い、ブリーダーにうさぎの交換をしてもらえなかった」などの理由で飼育放棄されました。米国でも日本でも「可愛いから飼ってみたけど、思っていたのと違った」という理由で捨てられるケースが少なくありません。基本的な性格や行動について、よく知ってから飼うようにしたいですね。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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