アナタはどのSRがお好き? ロングセラーの秘密は、好きなカタチに変えられるカスタム性にあり。【ヤマハ】
MotorFan / 2018年8月11日 9時10分
昨年8月に生産が終了しつつも、今年中には復活が噂されているヤマハSR400。約40年ものあいだ、基本的なスタイリングを変えずにいるのに今なお高い人気を維持しているのは何故なのか? じつはメーカーが変えずとも、オーナーが自由に「モデルチェンジ」できるカスタムの土壌がSRには揃っているのだ。 REPORT●佐賀山敏行・一間堂(SAGAYAMA Toshiyuki)
カフェレーサーからチョッパー、ハイパフォーマンスまで変幻自在!
空冷SOHC単気筒エンジンによる鼓動感やオートバイ然としたスタンダードなスタイリングなど、SRの魅力はたくさんあるが、これほどの人気を得ている最大のポイントは、やはりカスタムの自由度にあるだろう。
シングルクレードルフレームと空冷単気筒エンジンはシンプルゆえにあらゆるスタイリングに対応。80年代にはカフェレーサーブームを作り出し、90年代後半からはトラッカー、そして2000年代後半からはチョッパーやVMX(ヴィンテージモトクロッサー)スタイルが人気だ。大手パーツメーカーだけでなく、カスタムショップ単位で多くのカスタムパーツがリリースされているのもカスタムの幅を広げる要因のひとつ。ワンオフカスタムはもちろん、ボルトオンパーツの組み合わせでも十分に個性的なマシンを作ることができるのだ。
最近では70年代そのままの純正フォルムが再評価され、当時のフォルムをさらに極めた「純正ルック」も人気。利便性を求めるツーリングユーザーにも支持されている。
また、決してハイパワーとはいえないエンジンだからこそ、チューニングの余地があるのもSRの面白いところ。ハイカムシャフトにピストン、さらに400ccエンジンであれば500cc純正クランクを入れたストロークアップが定番メニューだ。もちろんハイパフォーマンスマフラーやキャブレターも専用品が揃っているし、最近ではF.I.チューニングも盛んである。
40年間フォルムを変えなかったSRだが、オーナーの数だけスタイルの違うSRがある……こんなバイクは他にはないはずだ。
01.カフェレーサー
セパレートハンドルにロングアルミタンク、シングルシートにバックステップと、往年の英国車カスタムを思わせるカフェレーサー。SRが登場した当時から人気のカスタムスタイルで、今もこのスタイルに憧れてSRに乗り出したというライダーは多い。 (車両制作:オレンジブルバード)
02.ハイパフォーマンス
シングルスポーツとしての性能を突き詰めたのがハイパフォーマンスカスタム。足まわりは専用パーツや他車種の流用で性能を大きくアップし、ブレーキの前後ディスク化も珍しくない。現代的かつ攻撃的なスタイリングにも注目だ。
(車両制作:デルスラーラ)
03.トラッカー
XT500をルーツに持つSRはダート系カスタムが意外なほどによく似合う。じつは純正シートのテールカウルはダートトラックレーサーのTTシートをイメージしたということだし、初期型500の純正ハンドルはダートトラックバーを思わせるアップタイプだったりするのだ。軽快感が高く、街乗りにも最適なライディングポジションは、ライトにバイクを楽しみたいというライダーに今なお根強い人気がある。
(車両制作:モーターガレージグッズ)
04.純正ルック(ハイパフォーマンス)
まさにSRのようなオートバイらしいスタンダードなルックスが再び注目を集めている。しかし、もうちょっとスポーティに走りたいという意見を取り入れたスタイルがこちら。SRらしさを残しつつも。前後足まわりや吸排気、排気量を見直すことで現代のバイクにも引けを取らない性能となっている。ちなみにベースはF.I.車で、500cc化しつつ最適な燃調チューニングが施されている。
(車両制作:バイク工房グリーンティー)
05.純正ルック(70’S)
SRらしさを残しつつ、70年代の雰囲気をより濃くしたカスタムが最近のトレンド。このマシンは「SRにSP仕様(ヤマハのアメリカン・XS650SPなど)があったら」というコンセプトにより、アップハンドルやリヤ16インチ・キャストホイールが装着されている。
(車両制作:メイドバイスリーティー)
06.チョッパー
2000年に入り、トラッカーに変わって人気を獲得したのがチョッパーだ。王道のスタイリングはシートレールをドロップ加工し、フロントフォークを少しローダウン、さらにリヤ16インチ化&ショートサスを装着したコンパクトなチョッパーだが、ここに紹介するようなロングフォーク仕様も人気だ。
(車両制作:2%ER)
07.VMX
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10005199/big_538735_201808110859110000001.jpg)
まるでXT500が現代によみがえったかのようなVMXスタイルは、純正ルックと並ぶ、いま最も人気の高いカスタム。実際にオフロードでも遊べるため、これまでオンロード一筋だったSRファンのハートをキャッチ。近年、林道デビューを果たすSRライダーが続々と増えているのだ。
(車両制作:デルスラーラ ver.広島)
08.ノンジャンル
既存のジャンルに縛られない自由な発想で作られたカスタムが多いのもSRの特徴。このマシンはドラッグレーサーとチョッパーを融合させたロー&ロングスタイルが魅力。タンクやシート、サイドカバーなど、随所にSRらしさを残しつつも、オリジナリティー溢れるフォルムとなっている。
(車両制作:モーターサイクルズ・バーン)
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