早大、40秒のある運動が30分以上の有酸素運動よりも運動効果があると発表
マイナビニュース / 2024年4月15日 20時3分
早稲田大学(早大)は4月12日、トレーニング効果を生み出す「最少(の運動)量」のメカニズムについて、強度の工夫によって、短時間であっても大きな運動効果をもたらし得ることを発見したと発表した。
同成果は、早大 スポーツ科学学術院の川上泰雄教授、国立スポーツ科学センターの山岸卓樹研究員らの共同研究チームによるもの。詳細は、「Medicine & Science in Sports & Exercise」に掲載された。
効率のよいトレーニング方法として、わずか40秒の高強度間欠的運動(20秒の全力運動を、休憩を挟んで2本実施)が、30分以上を要する中程度の強度の有酸素運動と同等もしくはそれ以上に「最大酸素摂取量」(全身持久力の指標である、1分当たりの酸素摂取量の最大値)を向上させることが明らかにされている。
一方、間欠的運動の時間を減らした場合(10秒を2本、あるいは20秒を1本)は同様の効果が得られないことも確認されているが、その理由は未解明。さらに、高強度間欠的運動に関する研究では、エネルギー代謝を主とするものが多く、筋肉への影響については不明だったという。全身持久力や筋力を高めるトレーニングの最少量の解明や、筋肉への影響を明らかにできれば、現代人の運動不足の解消や、健康増進、疾病予防につながることが期待されるとする。
そこで研究チームは今回、トレーニング効果を生み出す最少量の解明を目指し、異なる高強度間欠的運動中の全身・局所のエネルギー代謝、大腿部の筋活動について多角的に検証することにしたという。
今回の研究で用いられた運動課題は、「10秒の全力スプリントを80秒の休憩時間を挟んで4本」と「20秒の全力スプリントを160秒の休憩を挟んで2本」の2種類。いずれの運動課題も自転車エルゴメータを用いて実施され、総運動時間(40秒)とスプリント時間と休憩時間の比率(1:8)は運動課題間で統一された。その結果、主に以下の3点の結果を得られたとした。
10秒以上のスプリントを反復した場合、2本目以降は全身および筋肉の酸素消費量の増加が頭打ちになる。
筋肉の酸素消費量は、10秒と比較し20秒スプリントで増大する。
いずれの運動課題も大腿部8筋の活動を有意に増大させる。
さらに、これらの結果から以下の3点がわかった。
10秒以上の全力スプリントを反復する場合、全身・筋肉の有酸素性エネルギー代謝を高めるためには2本で十分である。
総運動時間(40秒)を運動課題間で統一した場合、(スプリントの本数を減らして)スプリント1本あたりの時間を長くすることで、筋肉の酸素消費量を最大限に高められる。
わずか40秒の高強度間欠的運動で、大腿部の主要な筋群の活動が高まる。
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