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井上尚弥vs.ルイス・ネリは、こうなる!『5・6東京ドーム決戦』

マイナビニュース / 2024年4月25日 7時30分

3年前にネリは初黒星を喫した。フィゲロアとのWBA、WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦でボディブローを喰らいマットに沈んだ。屈辱的な敗北。だが、再起後は4連勝と復活を遂げている。ただ、いずれも世界戦ではなく井上と比すればレベルの低い相手との闘い、さらに試合間隔も開いておりマッチメイクに恵まれなかった観もある。

井上とネリの過去の試合映像を何度も見返した。
現時点において両者の間には、やはり実力差がある。
スピード、テクニック、パワー、タクティクス。そのすべてにおいて井上が上回っていると感じる。ネリには爆発力があるが、接近戦でのパンチの精度はモンスターに劣る。

○■ネリの「秘策」とは

ただ、気になることが一つある。
「イノウエのウィークポイントを見つけた」
4月23日、帝拳ジムで公開練習を行った際にネリはそう口にした。
多分、これはフェイクだろう。井上に決定的な弱点があるとは思えない。
気になったのは、その言葉ではなくネリの妙な落ち着きである。おそらく彼は試合でやるべきことをすでに決めていると私は感じた。

ネリはクレバーな男だ。総合力で自分がボクサーとして井上よりも劣っていることを良く理解している。だから真正直に闘おうとはしないだろう。
実力差があっても、時に闘い方次第で勝敗がひっくり返ることもある。そこにネリは、すべてをかけるつもりだ。
彼は言った。
「私は、これまでにイノウエと闘ってきたボクサーたちとは違う。多額なファイトマネーと引き換えにベルトを置いていった奴らとはね」
さらに、こうも口にしている。
「この試合は必ずKO決着になる。私が勝っても、イノウエが勝とうとも」

ネリは決めている。
1ラウンドに勝負をかけることを。
井上にリズムを掴まれた後に勝機はない。ならば、その前に一撃を喰らわせるしかないとの考えだ。おそらく彼は、最終ラウンドまで闘うスタミナを度外視して序盤から猛ラッシュをかける。
ここで、つまりは井上が距離感を掴みペースを刻む前にネリが一撃を見舞うことに成功したならば、戦況は一変しよう。そんな千載一遇のチャンスに賭ける策だ。

井上優位は変わらない。
しかし、もしネリの策が嵌ったならば、34年の刻を経て東京ドームでスーパーアップセット(大番狂わせ)が起こるかもしれない。
開始ゴング直後のファーストコンタクトに注目だ。

なお今回もテレビでの生中継はなく、試合の模様は「Prime Video」で生配信される。

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