『ストレイヤーズ・クロニクル』栁 俊太郎インタビュー(前編)
NeoL / 2015年6月27日 16時54分
『ストレイヤーズ・クロニクル』栁 俊太郎インタビュー(前編)
6月27日公開の映画『ストレイヤーズ・クロニクル』は、望まぬ特殊能力を持って生まれた2組の若者たちの苦悩や希望を描いたアクション・エンタテインメント。“希望”のチームスバルと、“絶望”のチームアゲハ――。敵対する対照的な2組のうち、チームアゲハに属し、全身硬化の能力を持ったヒデを演じたのは、モデル・俳優として注目を集める、栁 俊太郎。独特の存在感で活躍の場を広げる彼に、本作についてはもちろん、俳優としての今後やプライベートのことなどさまざまな“気になる”話を訊いた。
――完成した作品を観て、いかがでしたか?
栁「全員いい感じに、見せ場があって。キャラクターもしっかり別れているので、それぞれの想いが映し出されていて、感動しました」
――ほかの共演者の方とご覧になったんですか?
栁「はい、試写会で」
――見終わってから、どんなお話を?
栁「試写会終わって、結構すぐに解散しちゃったかも(笑)。特に話をしていないですけど、今回、現場のときからそんな感じだったんです。僕はチームアゲハだったので、(チームスバルとは違い)特にハッピーな雰囲気でもなかったので。撮影現場では本当に会話が少なくて、終わってもそんな感じでしたね(笑)」
――スバルとアゲハは対照的な2組でしたもんね。空き時間も劇中と同じチームの雰囲気でいることを、皆さんが意図的にやられていたんですか?
栁「意図的というよりは、自然と、だと思いますね。役を演じるうえで自然とそうなっていたような気がします。(チームアゲハのリーダー)染谷くんが、リーダーとして、しっかり空気を作ってくれていたんです」
――なるほど。栁さんが演じたのは、拳銃の弾丸も弾くほど身体を硬化させる特殊能力を持ったヒデ。どんなことを考えながら、演じていましたか?
栁「監督から『参謀長みたいな感じで』って言われていたので、そこは意識しました。あとは、ヒデは見た目も大きく変化する役だったので、“人間らしさ”を出さなきゃいけないなと思っていて。だから、チームの中で誰よりも涙もろい部分がある。もちろんチームのみんなのことを思ってなんですが、結構、常に涙ぐんでいます(笑)。そこで人間らしさや感情を出せたらいいなと思いながら演じていました」
――人間らしさを“涙”で表現するというのは、栁さんのアイデアなんですか?
栁「そうですね。見た目が変化するのって、ヒデだけなんですよ。しかも、キャラ的にも口数が多い人物じゃないので、わかりやすく人間らしさを出さないと、僕だけ浮いちゃうのかなという怖さもあって。台本を読んだときに、そうしようと思いましたね」
――本作は、登場人物のリアルな感情とともに、アクションも大きな見どころです。
栁「結構、アクションは苦労しました。これまでやったこともあったんですけど、ケンカとはまた違うアクションなので。しかも、ヒデは爪が伸びるので、練習のときから、その距離感を意識しないといけなかったですし。それと、(全身硬化の能力者ということで)攻撃を受けているのに効いてないっていうアクションは初めてだったので、それも難しかったですね。タイミングもそうですし、どう動けばいいのかというのも大事だったので」
――アクション練習は時間かけられたんですか?
栁「はい。ヒデの能力はアルマジロの遺伝子を組み込まれたという設定なので、それを意識しながら練習していて。アルマジロの動きというか、人間が引っ掻くのとはまた別の動きを意識して練習していましたね」
――アルマジロっぽい動き、最初はイメージしづらかったのでは……?
栁「YouTubeで動画検索しました(笑)。あとは、監督とも相談しながら」
――ですよね(笑)。キャラクター作りについて、監督と密に相談し合っていたんですか?
栁「動きに関しては、アクションの先生とやりとりすることが多かったですね。感情の部分は、監督と現場で作り上げていった感じで。最初は僕らに任せてくれたので、演じながら現場で『ここはこうしたほうがいい』って言っていただく感じでした」
――チームアゲハの皆さんとは、役作りに関して意見交換しました?
栁「いや、そういう会話も本当になかったですね。でもその緊張感が良かったのかなと思います。本当に独特の空気感でした」
――今まで参加してきた現場と比べても「異色だな」って思います?
栁「そうですね。今まで若い人たちが集まった現場って、わりとキャッキャした雰囲気なことが多かったんですけど、それが全然なくて。不思議だけど、すごく面白い現場でしたね。それに、芝居をちゃんとやりたいと思っている人たちの集まりだと思うので、現場でもみんなすごく堂々としていて。堂々としているから、変に戯れなくてもいい作品になるのかなって思いますね。本当にみんな、かっこよかったです」
――会話はなくても、刺激的な現場だったんですね。ちなみに、現場に入る前に不安はなかったですか? なかなか特殊能力者を演じることって多くはないと思うんですが。
栁「うーん。アゲハは人を殺している集団なので、そういう感覚と、若者のリアルな感情っていうのを、チームとしてうまく出せるのかなっていうのは気になっていました。不安というよりは、どう面白くなるんだろうな?っていう、期待感のほうが大きかったですね」
――実際に演じてみて「大丈夫だな」って感じたんでしょうか。
栁「初めてチームアゲハが全員で揃ったときの空気感で、なんとなくわかりました。たぶん、ほかのみんなもそうで。初めて会ったときから独特の空気があって、あの日に、結構固まったなっていう感覚はありますね」
――会話がなくてもわかり合えるって、いいですね。
栁「そうですね。でも、どうなんだろう? 本当に大丈夫だなと思えたのは、できあがりを観たときかも。そこで『これでよかったんだな』って、ちゃんと思えたような気がします」
▼プロフィール
栁 俊太郎
1991年5月16日生まれ、宮城県出身。2009年より『MEN'S NON-NO』専属モデルとして活動。2012年公開の映画『ヴァージン/ふかくこの性を愛すべし』で本格的な俳優としての活動もスタートさせ、以降は映画・ドラマ・CMなどで活躍。近年の主な出演作に、映画『渇き。』、『クローズEXPLODE』、ドラマ『弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』、『黒服物語』などがある。
公式サイト http://www.anore.co.jp/artist/actor/yanagi/index.html
▼作品情報
『ストレイヤーズ・クロニクル』
6月27日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/strayers-chronicle/index.html
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)本多孝好/集英社 (C)2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会
監督:瀬々敬久
脚本:喜安浩平、瀬々敬久
出演:岡田将生、染谷将太、成海璃子、松岡茉優、白石隼也、高月彩良、清水尋也、鈴木伸之、栁俊太郎、瀬戸利樹、黒島結菜、青木崇高、渡辺大、忍成修吾、団時朗、日向丈、布施紀行、本郷奏多、豊原功補、石橋蓮司、伊原剛志
関連記事のまとめはこちら
http://www.neol.jp/culture/
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