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「腸カンジダ」が体内で増殖していたら?健康な腸を取り戻すために「食べてはいけないもの」と「積極的に摂るべきもの」とは?【医師が解説】

OTONA SALONE / 2024年11月28日 18時46分

「第二の脳」ともいわれる腸内にカンジダ菌が増殖すると、腸はうまく機能しなくなり、全身にさまざまな不調を引き起こし、多くの重大な病気にもつながります。

腸カンジダの治療をおこなっている、ひめのともみクリニック院長の姫野友美先生にお話を伺いました。

<<【前編】「謎の不調はもしかして「腸カンジダの増殖」が原因かも⁉︎要因となりやすい5つの習慣と、引き起こされる恐ろしい症状とは?【医師が解説】」に続く後編です。

 

腸カンジダの増殖を調べるには?

−−−増殖すると恐ろしい病気を引き起こす腸カンジダ。その検査方法について教えてください。

 

一般的な便検査では腸カンジダを検出することはできないため、『尿中有機酸検査』で判定します。この検査では、腸カンジダが作り出す物質「アラビノース」を測定します。

「アラビノース」は腸カンジダが持つヒアルロニダーゼによってヒアルロン酸から産生され、腸壁から体内に入り血液中を回って尿に排出されます。

人間はアラビノースを産生することが出来ませんので、尿中に検出されたアラビノースは腸カンジダによって産生されたと解釈できます。また、アラビノース以外に酒石酸やシュウ酸も腸カンジダ増殖のよいマーカーになります。

 

原因不明の体調不調や慢性疲労があるなら、腸カンジダを疑って、一日も早い検査が必要です。

ちなみに尿中有機酸検査は、他にも神経伝達物質の合成や変換、エネルギー代謝がきちんと機能しているかなど多様な情報が得られる優れた検査です」

 

増殖が判明したら「除菌」対策を!その方法とは?

腸カンジダはなかなかのやっかいな敵なんです。退治方法は除菌です。除菌をしないと症状はよくなりません。

【クリニック】では、尿中有機酸検査の結果により、以下3セットの服用で除菌を行います。

① 腸カンジダがバイオフィルムを形成するのを抑え、腸内を酸性にする乳酸菌

② 腸カンジダが形成している膜を壊す消化酵素

③ 腸カンジダを除菌するハーブサプリメント

 

除菌後は、腸カンジダで荒らされた腸内環境を回復させるため、さらに乳酸菌を入れて腸を整えます。

 

日常生活】では、食事療法で除菌します。腸カンジダの増殖原因となるものを避け、善玉菌を増やす食べ物を食べることで、善玉菌が徐々に腸カンジダを追い出すように減らしていきます。目安は3ヶ月から6ヶ月ほど続けることが基本です。

 

腸カンジダの増殖状態によっては厳しい食事制限が必要になりますが、まずは以下3つの除菌対策を行ってください。

①    腸カンジダのエサとなる甘いもの・糖質を断つ

●砂糖が含まれる食品や飲み物、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップ、ココナッツシュガーなどの甘味料。

●精製された炭水化物(砂糖・白米・小麦粉など)、パン、麺。

●果物(糖質の少ないレモンやアボガドはOK)

 

※主食の白米を完全に抜いてしまう糖質制限はおすすめしていません。副腎疲労を悪化させ体調を崩す原因になります。砂糖に関しては百害あって一利なしです。

 

②   抗菌作用のある油や香味野菜を摂る

●腸カンジダの除菌に有効な油は、抗菌作用・抗真菌作用のある「中鎖脂肪酸のMCTオイル」です。腸カンジダに対抗し抑制する作用があります。無味無臭なので料理や飲み物にぜひ加えてみてください。

●腸の炎症を改善するには「オメガ3系脂肪酸の油」が有効です。魚に多く含まれるEPA・DHAやアマニ油、えごま油は、腸カンジダの繁殖で炎症を起こしている腸を正常な状態に戻す働きがあります。

●抗菌・殺菌作用や解毒作用のある香味野菜や香辛料、スパイス類も積極的にとります。ニンニク、ショウガ、シソ、パクチー、クミン、シナモン、クローブなど。

 

③   食物繊維など善玉菌のエサになる食品を食べる

 

●食物繊維が豊富な新鮮な野菜、海藻、こんにゃくなどを積極的に食べましょう。

●野菜の食物繊維は腸の善玉菌を増やす働きがありますが、糖質の多い人参やかぼちゃ、芋類は控えめに。

●海藻はわかめ、のり、あおさ、生もずくなど。

●精製度の低いグルテンを含まない穀物も。玄米やアマランサス、キヌアなどの繊維は腸をきれいにし、化学物質や農薬、重金属などを取り除く働きもします。

●腸粘膜を強くするためにビタミンA。うなぎ、レバー、緑黄色野菜を食べましょう

 

 

早く直そうと一気にやり出すと、途中で息切れを起こして結局は続けることができなくなります。

「これならできそう!」「まずはこれだけやってみよう」と少しずつ取り入れ、体調の変化を確認しながら、“根気よく”続けていきましょう。そうすれば腸のバリア機能が修復され、腸カンジダが増殖しない強い腸粘膜を維持できます。何でも食べられる健康な腸を取り戻しましょう!

 

 

お話を伺ったのは

姫野 友美先生 (ひめのともみクリニック院長)

東京医科歯科大学医学部卒業、九州大学医学部付属病院、北九州市立小倉病院、麻生飯塚病院、愛風会さく病院、Mayo clinic Emergency Room(U.S.A) Visiting Clinician、東京都立広尾病院、東邦大学大橋病院、木原 病院、(財)東京顕微鏡院付属診療所、テーオーシービル診療所、女性のための生涯医療センターViVi勤務を経て、 2005年にひめのともみクリニック開設。2006年~2021年は、日本薬科大学漢方薬学科教授。著書多数。近著に「認知症になりたくなければラーメンをやめなさい」(講談社)

 

≪美容・健康ライター、エディター 葉山より子さんの他の記事をチェック!≫

 

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