【逆説の日本史】「木造文化の国・日本」が率先して進めるべき「トランジスタ原発」構想
NEWSポストセブン / 2025年1月11日 16時15分
要するに、中国共産党は日本の反日マスコミや媚中派の政治家を操り、ODAなどの形で日本から膨大な援助を引き出した。戦前、日本が中国を侵略し莫大な損害を与えたというのは事実だからそれに見合う援助は当然すべきだったが、中国は天安門事件で世界の顰蹙を買って以降も「お人好し」の日本を利用してさんざん金を引き出したうえ、それを反日教育につぎ込んでいる。日本から見れば「金をドブに捨てた」どころか「盗人に追い銭」をしているわけで、これ以上そんな形で中国を利することは、世界平和のためにもやるべきでは無い。
じつは、私が数年前からこの事態を予測できたにもかかわらず敢えて警告を公にしなかったのは、そうした媚中派だけで無く日本の古い原発にからんだ利権に巣食う連中に、「井沢元彦も原発の必要性は認めている」などという形で私の主張を利用されたくなかったからである。しかし、そうは言っても危機は確実に迫っている。ではどうすればいいのかについて、私はようやく解決策を思いついた。ヒントは前編で述べたように、歴史のなかにあった。
「泥の海」に浮かぶ「箱舟」
それを語るには、まず日本の歴史の常識をあらためて認識してもらわねばならない。まず認識していただきたいのは、「日本は木造文化の国」であることには誰しも異論が無いだろうが、なぜそうなったのかということである。
正直言って私もいまから三十年近く前に『逆説の日本史』の古代編を書いたころには、まったく気がついていなかった。数十年たってようやく気がつき、YouTubeの『井沢元彦の逆説チャンネル』にアップし、『真・日本の歴史』(幻冬舎刊)にも書いたので詳しくお知りになりたい方はそちらをご覧いただければいいのだが、簡単に言えば「日本が木造文化の国になったのは、森林が豊富だからでは無い。世界唯一と言ってもいい、地震と共存している国だから」である。
日本以外の国では、古代から建築と言えば「レンガで建てるもの」であった。レンガは素人でも大量生産が可能で、レゴブロックのようにどんな建物でも造れる。さらに火災にも強い。一方、木造建築は木材を建材に加工する手間も大変だし、なにより火災に弱いという致命的欠点がある。にもかかわらず、日本人は古代から木造建築だけに専念し、中国や朝鮮半島ではあたり前のレンガ建築を採用しなかった。
なぜなら、レンガ建築は地震にきわめて弱いという欠点があるからだ。だから、われわれ日本人は早い段階でレンガ建築を捨てた。にもかかわらず、そういう歴史を忘れてしまった明治の日本人は、欧米を見て「レンガ建築という便利なものがあるじゃないか」と考え、首都東京に日本初の高層ビルである「凌雲閣(浅草十二階)」や「一丁倫敦(レンガ建築のビル街)」など大量にレンガの建物を造ってしまった。それが灰燼に帰したのが関東大震災である。
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