【逆説の日本史】「木造文化の国・日本」が率先して進めるべき「トランジスタ原発」構想
NEWSポストセブン / 2025年1月11日 16時15分
また、いま日本が頭を悩ませている「核廃棄物の捨て場」も、そもそも西洋風に「地下室を造って納める」という考え方は捨て、「泥の海」のなかに浮かぶコンテナとして、きわめて頑丈に造ればいい。そうすれば、極端な話、首都圏の近くでも置けるはずだ。もちろん何百年経過しても中身が漏れない頑丈な「金庫」のような形で造る。つまり、そうしてコストを下げた安価できわめて安全な日本製「ブイ型」原発、「コンテナ型」廃棄物倉庫を造れば世界中の国が買いにくるはずで、人類全体のエネルギー問題解決にもつながるし、中国だって買わざるを得ないだろう。仮に日本の技術を盗もうとしても、それならそれでより安全な原発が造られるわけだから、日本の利益にもなる。
要するに、外部と完全に隔絶、独立し、移動も可能な「トランジスタ原発」を造ればいいということだが、ひょっとして実現不可能だと思う人がいるといけないので念のために述べておく。実現不可能どころか、そうした外部と隔絶した小型移動式原子炉はすでに実用化され、何基も存在している。原子力潜水艦の原子炉である。つまり、あれを軍用目的で無く、もっと大規模に民生目的で造れということだ。
最後にもう一度言うが、「東京から中国・上海まで境無しの空域」なのである。日本はこの道をいく以外他に無いと私は考えるが、読者のみなさんはどう思われるだろうか?
(新年特別編・終)
【プロフィール】
井沢元彦(いざわ・もとひこ)/作家。1954年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。TBS報道局記者時代の1980年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞、歴史推理小説に独自の世界を拓く。本連載をまとめた『逆説の日本史』シリーズのほか、『天皇になろうとした将軍』『「言霊の国」解体新書』など著書多数。現在は執筆活動以外にも活躍の場を広げ、YouTubeチャンネル「井沢元彦の逆説チャンネル」にて動画コンテンツも無料配信中。
※週刊ポスト2025年1月17・24日号
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
積水ハウス、業界初の共同建築事業「SI事業」新規パートナー3社と締結
@Press / 2025年1月8日 15時0分
-
積水ハウス、業界初の共同建築事業「SI事業」新規パートナー3社と締結
共同通信PRワイヤー / 2025年1月8日 15時0分
-
中国の原発建設ラッシュの背景―独メディア
Record China / 2025年1月7日 18時0分
-
【逆説の日本史】「歴史家の使命」としていま述べておくべき日本人と全人類の将来にかかわる提言
NEWSポストセブン / 2024年12月30日 11時15分
-
このままでは小田原城や小倉城の二の舞になるだけ…メディアが報じない「名古屋城天守再建問題」の本質
プレジデントオンライン / 2024年12月29日 16時15分
ランキング
-
140歳から運動不足解消は何から始めたら良いの?
JIJICO / 2018年3月30日 7時30分
-
2迷惑行為に「強制措置」発動!? 広島の道の駅で「夜間消灯」が開始 騒音に危険行為…開業1年半で「怖い」「うるさい」住民の苦情殺到! カメラ映像は警察に提供へ
くるまのニュース / 2025年1月11日 14時10分
-
3「4種類のマグロ」、どれが“値段が高い”か分かりますか?プロに聞く「マグロ」の見分け方
日刊SPA! / 2025年1月11日 15時54分
-
4雪が降ったら「ワイパーを立ててはいけない」ってマジ!? 冬の“常識”雪国では「非常識」だった?
くるまのニュース / 2025年1月11日 12時10分
-
5【無印良品】2024年に人気だった「菓子」ランキング! 2位「不揃い 発酵バターバウム」、1位は?
オールアバウト / 2025年1月11日 18時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください