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よくわかるスマホ通信料バカ高のカラクリ

プレジデントオンライン / 2019年1月2日 11時15分

写真=iStock.com/TkKurikawa

■通信料金が高止まりしている理由は大きく2つ

NTTドコモは端末代金と通信料金を分離する「分離プラン」を拡充し、来期以降、年間最大4000億円を通信料金の値下げとして還元すると発表した。今期の営業利益予想は9900億円なので、最大で4割を顧客に還元することになる。ただし、コスト削減や新事業の創出・拡大によって、実際は2000億円程度の減益となるのではないか。

きっかけは菅義偉官房長官が「携帯電話の通信料金は他国より高い、4割程度下げられる余地がある」「料金体系が不透明」と発言をしたこと。

通信料金が高止まりしている理由は大きく2つ。1つは他キャリアからの乗り換えや4年割賦契約者を対象に、端末を大幅値引きしている点。端末購入者にはメリットがあるが、値引き原資は全利用者の通信料金だ。

もう1つは販売代理店への補助金だ。キャリアが代理店に対し端末値下げを目的とした補助金を渡すのは禁じられている。だが実際は、違う名目で補助金を渡し、代理店はそれを端末の値引きに使っているケースが多い。補助金の原資も通信料金だ。

■KDDIの分離プランは4年割賦契約とセット

海外では2万~3万円程度のAndroid端末や、型落ち・中古iPhoneが人気だ。高価な最新機種に人気が集まる日本で、利用者の初期負担を減らすために編み出されたのが端末と通信の料金を一体化する方式であり、i‐mode時代から続いてきた。

KDDIの高橋誠社長は「我々は分離プランのフロントランナーだ」と発言した。だが同社の分離プランは4年割賦契約とセットで、使用期間が2年を超えたら端末値引き(残債免除)が適用されるなど、完全な分離ではない。ソフトバンクも同様だ。

ドコモの発表は完全分離を目指すものと思われるが、他キャリアが端末値引きを継続すればユーザーを奪われる可能性がある。完全な分離プランへの移行は、モバイル業界の信頼を取り戻すために不可欠だ。他キャリアの追随を期待したい。

(野村総合研究所 コンサルティング事業本部パートナー 北 俊一 構成=吉田洋平 写真=iStock.com)

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