会社の個室トイレで「30分睡眠」のすごい効果

プレジデントオンライン / 2019年10月13日 17時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Paul Bradbury)

■夜に寝たりない人はどうしたらいいか

熱帯夜が続くと、どうしても不眠気味になります。睡眠不足を補うために昼寝をするという人もいるでしょう。

「たとえ夜の睡眠時間が5時間と短くても、昼寝を3時間すれば合計8時間。健康上は問題ないはずだ」。こんなふうに睡眠時間を「夜と昼の足し算」でとらえるのは、医学的には正しいのでしょうか。

原則をいえば、人間は夜行性の動物ではありませんから、夜にまとめて眠ったほうがいい。人間の体には夜になると眠くなり、太陽が昇ると目が覚める「サーカディアンリズム(概日周期)」というものが備わっています。昼寝が長すぎるとこのサーカディアンリズムが崩れ、夜になっても眠れなくなったり、昼間に眠気に襲われたりしてしまう。だから昼寝のしすぎはよくないとされているのです。

ただし最近の研究では、夜の睡眠時間が削られない程度であれば、少しくらい昼寝をしても問題はないということが判明しています。

特に夜型の人は、昼寝は有効です。なぜなら、太陽が沈むと調子が出てくるので、どうしても寝る時間が遅くなってしまう。しかし、会社勤めをしていれば、否応なく早起きせざるをえなくて睡眠不足になりがち。夜型か朝型かは遺伝子によって決まっているので、これは変えようがない。ですから、夜型の自覚がある人は、昼寝をうまく取り入れて睡眠不足を少しでも解消しておきたいということです。

■30分未満の昼寝は「時間あたりの睡眠の効用が最大化する」

ビジネスパーソンが平日に昼寝をするのは難しいかもしれませんが、昼休みに30分ほど昼寝をすると、疲労回復に大きな効果を発揮します。

アメリカのコーネル大学の社会心理学者、ジェームス・マース教授によれば、30分未満の昼寝は「時間あたりの睡眠の効用が最大化する」とされ、「パワーナップ(ナップ=仮眠)」と呼ばれています。

しかし実際は昼休みであっても、オフィスではなかなかリラックスできず、眠るどころではないかもしれません。そんなときは昼食をサッとすませて、残りの30分は非常階段やトイレの個室など、人目を完全に遮断できる環境で過ごすといいでしょう。

30分が無理なら1分でもいいので、目を閉じてボーっとする時間をつくってください。現代人は昼休みも絶え間なくスマートフォンやパソコンの画面を見ている人が多いのですが、目を閉じることで脳に入力される情報が遮断され、酷使している目そのものはもちろん、脳の自律神経系を休ませることができます。たとえ眠れなくても、1人になって安心できる「ホーム」の環境で休むことは、眠った場合と同じくらいリセット効果を得られます。午後の仕事の効率が違いますから、ぜひ試してみてください。

昼休みは1分でも目を閉じてボーっとしよう

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梶本 修身(かじもと・おさみ)
東京疲労・睡眠クリニック院長
医師・医学博士。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。大阪大学大学院医学研究科修了。『スッキリした朝に変わる睡眠の本』など著書多数。

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(東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本 修身 構成=長山清子)

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