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子供に「なぜ夕日は赤いの?」と聞かれたときに避けるべき3つのNGワード

プレジデントオンライン / 2021年2月4日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Nadezhda1906

子供に「なぜ夕日は赤いの?」と聞かれたとき、どう答えるべきか。教育家の小川大介氏は「大人が無意識に使った言葉で、子供が学びを止めてしまうことがある。親であれば3つのNGワードだけは避けてほしい」という――。

※本稿は、小川大介『「見守る」子育て』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■知識を教え込むより「なんでだろうね」

子どもを賢い子に育てたいなら、知識を教え込むよりも効果的なことがあります。

「なんでだろうね」
「このあとどうなりそうかな」

こうしたフレーズを家族が口にする習慣を持つことです。「なんでだろう?」と思うことで、お子さんは自然と頭のいい子に育ちます。

「知ってる・知らない」で終わると、学びはそこで止まります。大事なことは、「それ知ってる、でもなんでそうなっているんだろう?」と一歩踏み込むかどうかです。

親御さんが日頃から「なぜだろう?」「どうなるんだろう?」と問いを口にするご家庭では、お子さんが頭を使う機会が自然と増えるのですね。

「なんでだろうね」を考えることは「因果関係」、つまり原因や理由を探ることです。

たとえば「夕日ってなんで赤いの?」と子どもに質問されて調べた結果、「光は赤や青や緑、いろんな色に分解できて、その中では赤が一番遠くに届きやすい。空気中には水蒸気やほこりのような障害物があって光の波長を邪魔するから、夕日は青や緑ではなく、一番遠くまで届く赤い色に見える」ということがわかったとします。

「光の波長として赤が遠くに届きやすいから赤く見える」――まさに科学ですよね。

■子どもの質問攻撃も、楽しくなってくる

このようないかにも科学的な話題に限らず、「なんで今日の晩ごはんも、サンマなの?」「今は旬だからおいしいし安いのよ」「へぇ、旬って安くなるんだ、なんで?」といった会話でもいいわけです。科学的思考とは原因や理由を考えることですから、子どもの「なんで? なんで?」の問いは、それ自体がもう、科学的思考なのです。

こんな視点を持つと、子どもの質問攻撃も、ちょっとワクワクしてきませんか?

「このあとどうなりそうかな」という問いかけは、応用力を育みます。「今ある材料からそのあとどうなるかを考える」というのは、つまり応用するということだからです。

■「物語の続きを勝手に作る」遊びもおすすめ

たとえば、AI技術について。ニュースで「AIの技術進歩によって通行ゲートの顔識別も瞬時に完了できるようになりました」と流れたら、「AIの進歩はすごいね、これからどうなっていくんだろうね?」と問いかけてみます。今後の展開をお子さんと一緒に想像してみるのですね。

「監視カメラも高性能になるから、犯罪が減るのかな?」
「でも映画みたいに変装のマスクをかぶったらばれないんじゃないの」
「そんな映画みたいにはいかないんじゃないかなぁ」
「なんで? きっと3Dプリンターで簡単に作れるよ!」
「そっか、そうすると何が本当かわからなくなってきそうだね」

といった話が、関心のままに広がると思います。

このように、「どういうことが起きるだろうね」とか「どうなるのかな」と想像してみることは、答えのない問題に対して、自分なりの考えを持とうとする力の土台を育んでくれます。

ほかにも、「物語の続きを勝手に作る」という遊びもおすすめです。

たとえば『桃太郎』なら、元々の物語は「鬼退治をして、村に帰ってきました。めでたし、めでたし」で終わりますね。そこから、「このあと、桃太郎はどうしたんだろうね?」と考えてみるのです。

「鬼の子たちがかわいそうになって、財宝を返しに行った!」
「おじいさんが怠け者になって、おばあさんに怒られた!」

などと、なかなか盛り上がりますから、ぜひやってみてください。

開いた本の上に家や川などの世界が広がっているイラスト
写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SIphotography

■無意識に使う「NGワード」が学びを止めてしまう

子どもは自分の心が動いたことをきっかけに、学ぶ力を日々育てているわけですが、親御さんが悪気なく、学びを止める「NGワード」を発しているときがあります。

ここではよくあるNGワードをご紹介します。もし心当たりのワードがあれば、使う回数を減らしていけるようにちょっと意識してみてください。

●NGワード1「さあ、知らない」

子どもに「これ、なあに?」と聞かれて「さあ、知らない」。「知らないことは聞かないで」というような答え方をしている親御さんがけっこういらっしゃいます。おそらく、「子どもに何か聞かれたら正解を教えなくてはいけない」と思うあまり、知らないことは答えられないという気持ちから、突き放してしまうのでしょうね。

でもね、必ずしも親御さんが正解を教えなくてもいいんです。「知っている、知らない」ではなく、大事なのは、知るまでのプロセスです。「さあ、知らない」の代わりに、「お父さんも知らないから、一緒に調べようか」「わかんないなぁ。じゃあ、一緒に本を読んでみようか」などと、次につながる言葉を選んでみてください。

大人同士でも「あれ何かな?」と口にしたとき、「さあ、知らない」としか返さない人と、「確かに、何だろうね。不思議だよね」と返事をしてくれる人、どちらと付き合いたいかといえば、後者ですよね? 私が前者の返し方をされたら、確実にショボン……となってしまいます。

■「いいから早くしなさい」が持つ2つの問題

●NGワード2「いいから早くしなさい」

せっかく子どもが興味を持っていることがあるのに、親の都合で、親が考えるスケジュール通りに子どもを動かそうとする言葉です。たとえば、遊んでいる子どもに宿題をさせたいとき、まだ名残惜しそうな子どもに向けて発したりするのが典型的なシーンですね。似たようなNGワードに「そんなこといいからこっちをしなさい」というものもあります。

これらの言葉には2つの問題があります。

ひとつは、「今あなたが興味を持ったことは、どうでもいいことなのだ」というメッセージを伝えることになってしまい、子どもの心の動きを止めてしまうこと。

もうひとつは、「早くしなさい」と親が用意したメニューを与えることで、自ら取り組む意欲を失わせてしまうことです。

子ども自身の気持ちが向いていないときに無理にたきつけてもうまくいきません。

ゆったりとした予定を組むなどして親御さんが気持ちに余裕が持てるようにすると、これらのNGワードをあまり使わずに済むので、工夫してみてください。

■大人目線の「何の役に立つの?」には要注意

●NGワード3「どうでもいい」「意味がない」「何の役に立つの?」

お子さんが低学年くらいまでの間は特に、これらの言葉は極力使わないようにしましょう。大人から見たら「そんなもの何の役に立つの?」と感じることでも、子どもにとっては自分の内面を広げるのにとても大切なことであったりするわけです。

小川大介『「見守る」子育て』(KADOKAWA)
小川大介『「見守る」子育て』(KADOKAWA)

知り合いのお子さんに、昆虫が大好きな子がいました。1日中、虫かごの前にいて、虫の絵をものすごく精緻に描くのです。お母さんは「そんなことより算数のドリルでもやってほしい」とぼやいていましたが、私は「6歳であの観察力はすごいから、絶対見守ってあげたほうがいい」と伝えました。

その後、その子は学年が上がるにつれて、理科も算数も好きな科目になりましたし、国語でも言葉の使い分けが上手になっていきました。虫の観察で伸ばしていった観察力、つまり細部をよく見る力がここで生きたのです。

子どもの関心事はあとで何につながるかわかりません。大人の基準で「どうでもいい」「意味がない」「何の役に立つの?」とジャッジする発想はやめましょう。

「役に立つかどうか」の思考で学びに触れさせていると、「これはテストに出ないからやらない」という発言につながっていきます。目先の利益にとらわれると、大事なものを見失います。

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小川 大介(おがわ・だいすけ)
教育専門家・「かしこい塾の使い方」主任相談員
京都大学在学中より大手塾で看板講師として活躍後、中学受験プロ個別指導塾を創設。6000回を超える面談を通して子どもが伸びる秘訣を見出す。受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評があり、幼児教育から企業での人材育成まで幅広く活躍中。『1日3分!頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)、『ドラえもんの国語おもしろ攻略 国語力をきたえるカタカナ語』(小学館)、『親も子も幸せになれるはじめての中学受験』(CCCメディアハウス)など著書多数。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」

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(教育専門家・「かしこい塾の使い方」主任相談員 小川 大介)

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