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インド人プロフェッショナルが日本人に期待するリーダシップとは

PR TIMES / 2024年3月22日 21時40分


株式会社コード/CHORD Corporation は日系企業において就業経験を有する日本在住のインド人プロフェッショナルを対象に、アンケートおよびインタビュー調査を行いました。今回の調査を通して、日本人リーダーに関して、インド人プロフェッショナルがどのように評価しているのかが明らかになりました。また、グローバル企業のCEOポジションを次々と射止めるインド人プロフェッショナルが、どのような資質と強みを有しているのかを明らかにしました。

本プレスリリースでは、以下の3点から調査結果の概要を解説します。
 ・どのような強みがインド人プロフェッショナルをグローバル企業のCEOに押し上げるのか
 ・インド人プロフェッショナルは日本人のリーダシップをどう捉えているのか
 ・日本人・日本企業はどのように新たなリーダシップを醸成すべきか




調査の概要
・調査期間:2023年10月~2024年1月 
・調査主体:株式会社コード
・調査対象:日本企業におけるオフィスワーク経験を有し、日本に在住している18~65歳のインド人
・有効回答数:66人
・調査方法:インターネット調査


どのような強みがインド人プロフェッショナルをグローバル企業のCEOに押し上げるのか

世界を代表するグローバル企業の経営トップ・経営幹部の座にインド人プロフェッショナルが就任するのは、もはや驚きではなくなった。しかし、一体なぜ、彼らはグローバル企業において、高い能力を発揮し、信頼と評価を得られるのか。

今回当社が実施したアンケート調査とインタビュー調査では、インド人プロフェッショナルが持つ5つのユニークなファクターと、8つの強みが浮かび上がってきました(図表1)。

[画像1: https://prtimes.jp/i/127414/3/resize/d127414-3-d69afe88a7a6248180eb-14.png ]


ファクターI:カオスでダイナミックな生活環境
物事が常に流動的に動き続け、サプライズが絶えないインド。その中で最善を尽くすため、インド人は「最適解よりも満足解」を優先する必要性を学び、同時に「持久忍耐力」「異質適応力」といったスキルを習得する。

ファクターII:生粋のダイバーシティ環境
インド国内には、22の公用語と100を超える言語、10種類の主要文字が存在し、全国から学生が集まる有力大学には、実に多様なバックグラウンドの仲間と共に学ぶ環境が用意されている。そうした環境でインド人プロフェッショナルは、異なる人々が互いに違いを認め合う重要性を学び、「異質適応力」や「誰とでも協調できる力」といったスキルを獲得する。

ファクターIII:強固な家族・親族関係
インド人は家族・親族といった内集団で互いを守り合う文化が非常に強い。したがって、インド人は幼少期から老若男女問わず多くの人に育てられ、「誰とでも協調できる力」や「寛容さと思いやり」について学ぶ。また、そうした内集団において常に同年代の兄弟や従妹と切磋琢磨が求められ、健全で「無意識の競争マインド」が育まれる。

ファクターIV:2,500万人のなかで戦い抜く学歴社会
毎年2,500万人が生を受けるインドにおける受験戦争は他国とは比較にならない。国内トップ大学やエリート官僚試験に勝ち抜くことは、親族全体の人生を浮上させる成功と位置付けられる。そうした競争環境とプレッシャーに打ち勝ったインド人プロフェッショナルは、たしかな「アナリティクス力」と、「無意識の競争マインド」を身に着ける。

ファクターV:英語ベースのSTEM教育システム
インドの教育システムでは、小学校レベルから英語が全科目で利用されることで、英語をベースとした「コミュニケーション力」が幼少期から身に着く。また、インドの教育機関ではSTEM教育に特化したカリキュラムが多く採用されていることから、伝統的な薬学・工学系キャリアへ進むために必要なスキルを効率よく習得することができ、様々な業務で求められる実用的な「アナリティクス力」もおのずと上達すると考えられる。


インド人プロフェッショナルは日本人のリーダシップをどう捉えているのか

グローバル企業を牽引するインド人プロフェッショナルの力を借りることは、グローバル化やDXを推進する日本企業にとって重要なテーマであり、インド人プロフェッショナルを惹きつける魅力が日本企業には求められる。そこで、当社はインド人プロフェッショナルが「日本人のリーダシップをどのように評価しているか」を焦点にアンケート調査を実施した。日系企業において就業経験を有するインド人プロフェッショナル66人の回答から、日本人のリーダシップの特徴が浮かび上がった。

インド人プロフェッショナルは、日本人のリーダシップのうち、「礼節」「誠実さ」「忍耐力」を高く評価している(図表2)。勤勉な姿勢で働き、時間厳守やいわゆる“報連相”をまめに行う日本人リーダーは、部下に対するリスペクトが厚いと捉えられている。また、結果を追求し続ける忍耐力もプロフェッショナリズムとして高く評価されている。

[画像2: https://prtimes.jp/i/127414/3/resize/d127414-3-40a4266496eab038a594-11.png ]



一方、インド人プロフェッショナルがインド人リーダー、グローバルリーダーのリーダシップのうち高く評価しているのは「適応力」「コミュニケーション力」「意思決定力」であった(図表3)。

[画像3: https://prtimes.jp/i/127414/3/resize/d127414-3-9db178c9a91ee840fdd0-12.png ]


これらの結果から、日本人リーダー、インド人リーダー、グローバルリーダーのリーダシップを比較すると、日本人リーダーの特徴と課題が浮き彫りになる(図表4)。特筆すべきは、日本人リーダーの「適応力」の低さであろう。日本人リーダーは、不確実な状況、異文化環境における経験が乏しいと捉えられており、インド人プロフェッショナルなど異なるタイプの人材を上手に生かしきれていないというリアルな体験談も寄せられた。また、「コミュニケーション力」への評価も低く、「メンバー間の相互理解の軽視」や「目的が不明瞭なタスクだけの指示」などが指摘されている。暗黙知や間接的コミュニケーションは、同質人材の間では通用するが、異なるタイプの人材を巻き込むには適していないという示唆であろう。

[画像4: https://prtimes.jp/i/127414/3/resize/d127414-3-7091767ec153e8601c8d-13.png ]



日本人・日本企業はどのように新たなリーダシップを醸成すべきか

上述の通り、日本人リーダーはグローバルリーダーやインド人リーダーと異なる特徴を有することが確認された。では日本人リーダーはどうあるべきなのか。

ここで起こりがちなのは「やっぱり日本人リーダーはダメだ」という極端な悲観論であり、二極的な見方である。すなわち、グローバルリーダーやインド人リーダーは優秀で、日本人リーダーは劣っているという受け止め方である。これは全く建設的ではなく、極端なものの見方と言わざるを得ない。多様性(Diversity)を受け入れる(Inclusion)ということは、日本人リーダーの特徴・違いも受け入れ、それらをどういった環境や仕組みで活かすのかを考えることであろう。

当社のコンサルティングサービスにおいては、以下の3つの選択肢をクライアント企業に提示し、具体的な推進プロセスを支援している。

Option1:既存リーダーの能力開発
リーダシップに偏りが生じる最大の理由は、リーダシップとは何かを認識せず、可視化しないことにある。リーダシップを測定するアセスメントは多数あり、それらを通して自らの弱みを理解するだけで、多くのリーダーは自らの改善を図ることができる。自らを直視するだけで多くの弱みは克服・軽減される。

Option2:異なるタイプのリーダーの登用(組織内から)
どのような組織においても、「こういう人がリーダーになる」というパターンがあり、そうした人物像をロールモデルとして定義している場合もある。実はこのロールモデルにも偏りがあり、それが組織全体のリーダシップを偏らせる。異なるロールモデルを定義し、これまでとは異なる人材をリーダーに登用する。そうすれば、組織全体に新たなリーダシップが醸成される。

Option3:異なるタイプのリーダーの登用(外部から)
組織内でこれまでとは異なるタイプのリーダーが見つからなければ、外部から登用することも選択肢である。この場合、組織内から「どうしてあんな人をリーダーとして連れてきたのか」という反発が起こりがちである。これを乗り越えるには、組織に新たなリーダシップを加える必要があり、そのために多様な人材を集めているという明確な経営メッセージが必要である。間接的表現ではなく、明確なメッセージが共有されるべきだ。



本調査に関する詳細結果については下記にお問い合わせください。また、インド人プロフェッショナルに関するお問い合わせ、インド人材の力を発揮するための組織・人材開発についてもご質問お待ちしております。




本調査結果に関するお問い合わせ
https://chordcorp.com/#contact
(担当:Apurva Jindal、原田健太)


【Apurva Jindalについて】
2016年 インド工科大学(IIT)ボンベイ校卒業
2016年 インド野村総研にコンサルタントとして入社、日系企業のインド市場参入プロジェクト、成長支援プロジェクトなどに従事
2019年 COLLEGEDUNIA WEB入社、経営企画を担当
2023年 London Business SchoolにてMBA修了
2023年 株式会社コード参画、Manager


【原田 健太について】
2018年  英国 University of Sussex にて国際関係学の修士号を取得
2018年 インド野村総研にリサーチャーとして入社、市場調査、国際情勢、グローバルビジネスに関わるプロジェクトに参画。専門は国際関係、新興国ビジネスに関わるリサーチ
2022年 株式会社コード参画 コンサルタント


【株式会社コードについて】
社 名:株式会社コード / CHORD Corporation
本 社:東京都千代田区神田松永町14 CIRCLES秋葉原駅前101
設 立:2021年3月
代表者:金 惺潤
事業内容:経営コンサルティング事業、メディア事業、街づくり事業

URL:https://chordcorp.com/

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