【研究レポート】わかめの摂取が食後血糖値およびインスリンの上昇を抑える
PR TIMES / 2019年3月19日 15時40分
~ヒト試験で実証:日本農芸化学会2019年度東京大会にて発表~
ふえるわかめちゃん(R)や、わかめスープ、リケンのノンオイルを販売する理研ビタミン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山木一彦)は、わかめを摂取することにより食後の血糖値の上昇とインスリンの分泌が抑えられることをヒト試験で確認しました。
本研究内容は、3月24日より開催されます日本農芸化学会2019年度大会(演題番号1B1a09)にて発表いたします。
URL:http://www.rikenvitamin.jp/corporate/technology/presentation.html
[画像1: https://prtimes.jp/i/30833/11/resize/d30833-11-723167-8.jpg ]
海藻は日本食を代表する食材であり、「健康的である」というイメージがあるにもかかわらず、その健康効果については未解明な部分が多い食べ物です。
理研ビタミンはこれまで、わかめの健康効果を明らかにすべく研究を重ね、血圧やコレステロール、整腸作用に対する影響などを発表してまいりました(文献1, 2)。近年、糖尿病予防やダイエットとの関わりから、食後の血糖値をコントロールする食事術などが注目されています。そこで、わかめの摂取が食後血糖値に与える影響をヒト試験で調べました。
【方法】
被験者:健常成人男女26名の方
対照食:米飯 200g
試験食:米飯 200g+乾燥カットわかめ※ 4g
※5分間、十分量の水で戻し、その後2、3回水ですすぎ水切りしたものを摂取。
※米飯摂取5分前よりわかめは摂取を開始した。
調査項目:米飯摂取前、摂取30、60、90、120分後の血糖値および血中のインスリン値
【結果】
わかめの摂取による食後血糖値の上昇抑制(図1)
わかめを食べていた場合は食べていない時と比較し、食後の血糖値の上昇が著しく抑えられました。特にその効果は食後30分で著しく(図1A)、食後2時間を通じた血糖値の変化量の合計も、わかめの摂取により著しく低下していました(図1B)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/30833/11/resize/d30833-11-520102-11.png ]
わかめ摂取によるインスリンの節約(図2)
わかめを食べていた場合は食べていない時と比較し、食後のインスリンの上昇が著しく抑えられました。特にその効果は食後30分で著しく(図2A)、食後2時間を通じた血中のインスリンの変化量の合計も、わかめの摂取により著しく低下していました(図2B)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/30833/11/resize/d30833-11-405278-12.png ]
食事をして炭水化物をとると、消化によってブドウ糖となり、小腸から吸収されて血液のなかに入るため、食後は血液中のブドウ糖の量(血糖値)が高くなります。健康なヒトの場合、血糖値が上がるとその変化を膵臓が感知してインスリンというホルモンを分泌し、ブドウ糖が筋肉に取り込まれてエネルギーとして使われます。余った分は肝臓、脂肪細胞などの組織に脂肪などとして蓄えられて、適度な値に血糖値はコントロールされます(文献3)。
食後の急激な血糖値の上昇は動脈硬化をまねき、糖尿病の進行にもつながるため、上手にコントロールすることが大切です。また、インスリンの作用は血糖値の制御だけでなく、脂質の代謝などにもおよび、過剰なインスリンは糖分を脂肪に変えてからだに貯めるようにも働きます(文献4, 5)。そのため、食後の過剰なインスリンの分泌を抑えることも大切です。
本研究の結果から、わかめを摂取することにより、食後の血糖値の上昇およびインスリンの分泌が抑えられることが期待されます。
文献1)Hata Y., Nakaima K., Uchida J., Hidaka H., Nakano T. Clinical effects of brown seaweed, Undaria pinnatifida (wakame), on blood pressure in hypertensive subjects. J. Clin. Biochem. Nutr. 2001; 30: 43-53.
文献2)Yoshinaga K, Maruya R, Koikeda T, Nakano T. Effect of Undaria pinnatifida (wakame) on the human intestinal environment. Functional Foods in health and disease 2018; 8(10): 477-493.
文献3)糖尿病治療の手びき2017(改訂第57版) 日本糖尿病学会編・著 南江堂
文献4)糖尿病診療ガイドライン2016 日本糖尿病学会編・著 南江堂
文献5) 益崎裕章 肥満症の内分泌学的解析 日本内科学会雑誌 2011; 100(9): 2638-2645.
<いつもの食卓に、わかめをプラス!わかめ活用レシピ>
そばにわかめをプラス!
蒸し鶏とわかめのサラダそば
[画像4: https://prtimes.jp/i/30833/11/resize/d30833-11-165229-6.jpg ]
【食材(1人分)】
そば:1玉
乾燥カットわかめ:1g
鶏ささ身:50g
きゅうり:1/4本
ラディッシュ:1/2個
和風ドレッシング:大さじ3
※糖質:約55g
【作り方】調理時間10分以内
そばを器に盛り付ける。
鶏ささ身は耐熱皿に入れ、電子レンジで加熱する(600W 2分~)。粗熱を取り、食べやすい大きさに裂く。
乾燥カットわかめを水で戻し、きゅうりは千切り、ラディッシュは薄切りにする。
1に2・3を盛り和風ドレッシングをかける。
話題のサバ缶にわかめをプラス!
サバ缶サラダ
[画像5: https://prtimes.jp/i/30833/11/resize/d30833-11-893965-7.jpg ]
【食材(2人分)】
玉ねぎ:100g
乾燥カットわかめ:2g
ブロッコリースプラウト:10g
さば(水煮缶):1缶
青じそドレッシング:大さじ3
※糖質:約6g
【作り方】調理時間10分以内
玉ねぎは薄切り、ブロッコリースプラウトは根元を落とし半分に切る。玉ねぎ・ブロッコリースプラウトを合わせて水にさらす。
乾燥カットわかめは水で戻し、水気をきる。
器に1を敷き、2と水気を切ったサバ缶をのせ、青じそドレッシングをかける。
理研ビタミン株式会社は、今後とも天然物の有効利用について研究を進め、食を通じてお客様に健康と豊かな食生活を提供してまいります。
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