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OUI Inc.、細隙灯顕微鏡画像を用いた角膜混濁検出AIの開発に成功

PR TIMES / 2024年3月14日 15時45分

スマホで眼科診断を可能とする医療機器「Smart Eye Camera」の開発行う、OUI Inc.(株式会社OUI)が世界の失明原因の一つである「角膜混濁」を検出することができるAIモデルを開発。



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64389/42/64389-42-4c3b39c192a43e108f4887c30b540980-1142x312.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Yoshitsugu K, Shimizu E, Nishimura H, Khemlani R, Nakayama S, Takemura T. Development of the AI Pipeline for Corneal Opacity Detection. Bioengineering. 2024; 11(3):273. https://doi.org/10.3390/bioengineering11030273
 OUI Inc.の吉次研二・清水映輔らの研究グループにより、Smart Eye Cameraで撮影した前眼部画像より「角膜混濁を検出」するAIアルゴリズムの開発に成功いたしました。本研究成果は、科学雑誌「Bioengineering」に2024年3月13日(日本時間)に公開されました。
【背景】
 角膜混濁は、感染や外傷、遺伝、ビタミンA欠乏などが原因で発症する疾患であり、視力低下を招き、世界の失明原因の一つとされています。角膜混濁による失明は、特に開発途上国が中心で発生しており、小児期の感染やビタミン欠乏による角膜混濁は弱視などの合併症も引き起こしてしまいます。しかし、医療機器不足や、眼科医師不足により角膜混濁による失明を防ぐことは2024年現在できておりません。
昨今、人工知能(AI; artificial intelligence) の活用が医療分野にもおいて盛んになってきております。眼科領域においては、特に網膜疾患や視神経疾患(眼底疾患)のスクリーニングや診断において、AI開発が世界中で盛んに行われています。しかし、2024年3月現在、角膜混濁をはじめとした、前眼部疾患におけるAI開発は進んでおりません。診断AI開発のための機械学習に必要な、画一的で、大量の細隙灯顕微鏡の画像データを取得することが困難である事が原因の1つとされています。
 こういった背景のもと、当社では、自社開発を行ったSmart Eye Camera(SEC; 医療機器届出番号: 13B2X10198030101、13B2X10198030201、13B2X10198030301)を用い、前眼部画像を収集、さまざまな前眼部疾患の診断AI開発着手に力を入れております。
 本研究では、SECを用い、細隙灯顕微鏡の画像データを取得、動画から画像フレームを抽出、眼科専門医によるアノテーション(教師データ作成)、セマンティック・セグメンテーションによる角膜抽出、適用的ヒストグラム平坦化(CLAHE)を用いた画像処理、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを用いた深層学習等を実施することにより、前眼部画像から角膜混濁診断AIの開発を試みました。

【研究結果】
 本研究は、SECを用いて収集された、合計5,996枚の画像に対し、眼科専門医が角膜混濁の有無をラベリング(アノテーション)、角膜混濁あり1,617枚・角膜混濁なし4,379枚に分類しました。画像の前処理として、セマンティック・セグメンテーションを用いた角膜領域の抽出(図1)や、CLAHEを用いた画像コントラスト調整(図2)を実施し、EfficientNet-B4というCNNモデルを用いた機械学習を実施しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64389/42/64389-42-d9082529ef5863a9ece2fcfb9a7477b0-1096x648.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1. セマンティック・セグメンテーションによる角膜抽出[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64389/42/64389-42-36a341e04c1cae4edc4a32588a6956a2-1098x818.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. CLAHEを用いた画像コントラスト調整

結果として、感度: 0.96 (95%信頼区間: 0.97 - 0.99)・特異度: 0.96(95%信頼区間: 0.97 - 0.99)・精度: 0.96(95%信頼区間: 0.97 - 0.99)・AUC: 0.98(95%信頼区間: 0.98 - 0.99)と高い性能を得ることできました。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64389/42/64389-42-4e12889018f4ff5ba3306d95d4531f4b-1130x346.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3. 角膜混濁診断AIの性能
 この結果により、本アルゴリズムは角膜混濁の診断において、高い診断性能を有することとなり、十分に実用化が期待される結果となった。また、従来であれば万を超える多量の画像収集が必要な画像診断AI開発において、セマンティック・セグメンテーションやCLAHEなどの画像前処理を施すことで、約6,000枚の画像から高性能のアルゴリズムを開発したことに学術的な意義があるとも考えられました。
 今後は、本アルゴリズムを外部データセットでバリデーションすることで、実臨床に最適化されたモデルを開発し、プログラム医療機器(SaMD;Software as a Medical Device)としての実用化を進めてまいります。

 当社は、角膜混濁の他にも「白内障」の診断AI「ドライアイ」の診断AIなどさまざまな眼科疾患の診断AI開発に取り組んでおります。

本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構等の研究助成で行われました。
【OUI Inc. について】
OUI Inc.は現役眼科医が創業した、慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業です。
医学・工学・ビジネスのプロフェッショナルが力を合わせて、世界の失明を50%減らし、眼から人々の健康を守ることをミッションに掲げて活動しています。
http://www.ouiinc.jp/
OUI Inc.は、眼科の診察を可能にする iPhoneアタッチメント型医療機器SECをゼロから開発しました。iPhoneのカメラと光源を利用した眼科診療機器は本邦初であり、多数のエビデンスより既存の細隙灯顕微鏡と同等の性能があることが証明されています。 現在世界の失明人口は4,400万人、これらの患者さんの半分以上が、眼科医療に対するアクセスがないことが原因で、予防可能・治療可能な病気によって失明しています。日本中・世界中の眼科医・非眼科医・医療関係者の方々と力を合わせて、Smart Eye Cameraを使ってこれらの患者さんに眼科医療を届けるモデルを世界中に広げ、世界の失明を半分にし、眼から人々の健康を守ることをミッションにかかげ、事業を推進しております。

【会社概要】会社名:OUI Inc. (株式会社OUI)
URL:https://ouiinc.jp
代表取締役:清水映輔
(眼科専門医 医学博士)
設立:2016年7月15日
本社所在地:
東京都港区南青山2-2-8 DFビル510
電話番号:050-3554-3339
Mail: info@ouiinc.jp


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64389/42/64389-42-dfd52976a7dde2a305927c2ba5f6eeea-2160x2160.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
代表取締役:清水映輔


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