たるみ・シワを決定づけるのは角質細胞であると発見
PR TIMES / 2020年10月21日 14時15分
老化した角層は、広がってたるみに、折り込まれてシワに容貌を変化させる
株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、10月21日から30日の期間に開催されている化粧品の国際学会、IFSCC Congress 2020において、肌のたるみやシワの形状を決定づけるのは、表皮細胞のサイズの変化によることを発表しました。IFSCC Congressは2年に1度開催される、化粧品技術者が最新研究結果を発表する最も権威ある国際学会です。例年は世界各国で開催されており、今大会は日本での開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響により、初めてとなるオンライン発表となりました。当社は直近4回連続参加しており、今回の発表は過去最多の6件です。
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2020年10月21日
■研究の背景
深刻な悩みである老化現象の代表である肌のたるみ・シワは、従来、肌の深部の真皮の衰えや、肌の奥にある皮下脂肪や筋肉の変化によっておこるものと考えられてきました。当社は、IFSCC Congress 2018において、たるみの原因は、重力による皮膚表層の面積拡大によることを発表しました。今回の研究は、この研究を進化させ、顔のそれぞれの部位によっておこる角層の変化に注目し、角層という肌の最外装で何が起こっているのかを研究したものです。
■研究内容
肌の最表面の角層に着目し、顔の表面積・皮膚表面の微細構造・角層サイズの観察と皮膚の運動特徴の解析を行いました。加齢により皮膚の表面積は頬部で増大しており、角層サイズの分布がわかる「角層マップ」では、全体的な角層サイズの拡大と角層サイズのむらが発生していることがわかりました。これは表面積の拡大部位とほぼ一致します。ただし、角層サイズの変化は頬部と目元では異なり、目元は他の部位と比べると角層サイズが小さく、加齢によるシワの形成が顕著です。つまり、皮膚は、加齢によって表面積を広げたいところは、角層を拡大させ、縮めたいところでは角層を縮小し折り込むことでシワとなり、肌内部のたるみをカバーしていることがわかりました。
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次に角層サイズの分布がなぜ変化するのか、顔の49地点の皮膚の動きの解析と皮膚細胞の観察を行いました。動きに反応するセンサーを用いて、まばたきと発声をしたところ、角層サイズ・表面積ともに大きな頬部で、皮膚の伸縮が大きいと関連しました。そこで培養細胞に伸縮刺激を与えたところ、明らかに角層細胞が拡大していました。この結果から、顔のたるみやシワと関連する細胞サイズは皮膚の動きが影響を与えていることがわかりま
した。実際の人の皮膚でも同様の結果がでました。
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これらの研究から皮膚の動き・細胞サイズと、たるみ・シワの因果関係は明らかで、たるみや、シワは、角層次第で形づくられるということです。当社は、2016年に「笑うとシワができるのは本当だった」という趣旨の研究を発表しましたが、表情を乏しくすることで、シワの予防を目指しているわけではありません。83年間蓄積してきた当社の角層研究成果をもとに、さらに研究を進展させ、角層をコントロールすることで、肌理を美しく健康にするだけでなく、若々しい容貌を保つ化粧品の開発につなげたいと考えます。
■発表タイトル
Stratum Corneum and Appearance:Macroscopic Examination of the Stratum Corneum Provided a New Target for-Anti-Aging
和文:角層と容貌:角層の巨視的な考察はアンチエイジングの新しいターゲットを提示する。
■発表者
株式会社ナリス化粧品 森田美穂・堀辻麻衣
■特許出願内容
出願人:株式会社ナリス化粧品 発明者:森田美穂・堀辻麻衣
特願2019-200158: 皮膚成分の分析方法(発明者/森田美穂)
特願2019-200159: 皮膚成分採取用シートおよび皮膚成分の採取方法(発明者/森田美穂)
特願2020-061921: 皮膚シワ改善剤・皮膚シワ改善方法およびそのスクリーニング方法(発明者/森田美穂・堀辻麻衣)
【補足説明・図解】
たるみ・シワが角層次第で形成されるのは、角層がネットバックのような働きをするから
従来行われてきた、たるみ・しわの研究は、肌の深部の皮下脂肪や筋肉の変化が主でしたが、これは言わば、風船の研究です。角層細胞は、紙袋のように中身が多少変わっても外観が変わらないものでなく、ネットバッグのような変化をするものと考えられます。そのため、角層の変化が容貌の変化を決定づけると捉えることができます。
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研究者プロフィール
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森田美穂(もりた みほ)
株式会社ナリス化粧品
研究開発部 研究課 基盤技術グループ シニアリーダー(部長職)
京都大学農学研究科博士後期課程地域環境科学専攻社会人特別選抜 在学中
― 略歴 ―
東京工業大学大学院生命理工学研究科を修了後、株式会社ナリス化粧品に入社。研究開発一筋20年目。研究業務では、主に皮膚の老化改善研究に従事し、製品への技術搭載はもちろん、学会や論文など社外への情報発信にも精力的に取り組んでいる。
プライベートでは一児(5歳)の母。趣味は見仏で、広隆寺の半跏思惟像が好き。
― 職務経歴 ―
2001年: 入社・研究開発部配属。現在まで主にスキンケア技術の開発を坦当。対象は、化粧品・美容機器・ハミガキなど
2014年: リーダー職。 (課長相当)
2016年:特許登録10件、出願25件で社内発明奨励表彰。
2017年:特許出願40件で社内発明奨励表彰。日本美容皮膚科学会学術大会にて優秀演題賞受賞。
2018年:シニアリーダー職。(部長相当)
2019年:特許登録20件で社内発明奨励表彰。
過去の研究例
●たるみの原因、重力による皮膚表層の細胞面積の拡大を発見(2018年9月25日)
●青色ダイオード(LED)による育毛作用を発見(2017年8月1日)
●テラヘルツ波を応用、衣服だけでなく化粧品も透過。肌の水分測定可能に(2016年10月12日)
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