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[カーオーディオ・素朴な疑問]スピーカーの“2ウェイ”と“3ウェイ”、音が良いのはどっち?

レスポンス / 2024年3月29日 6時30分

カーオーディオシステムのアップグレードに興味を抱きつつも、「なんとなく分かりづらい…」がゆえに距離を置いているというドライバーは少なくないに違いない。当連載は、そういった方々の「?」の解消を目指して展開している。現在は、「スピーカー」に焦点を当てている。


◆理想形は実は「フルレンジスピーカー」。しかし現実的には「マルチウェイ」が主流!


今回は、「カースピーカー」には「2ウェイ」と「3ウェイ」とがあることについて解説していく。さて、実際のところ音が良いのはどちらなのかというと……。


ところで「スピーカー」としての理想形は実は、「フルレンジスピーカー」だ。つまり左右で1つずつの「スピーカーユニット」だけで超高音から超低音までをスムーズに再生できれば、それがもっとも望ましい。音の出どころが左右で1か所ずつとなるので、状況としてシンプルだ。ゆえにサウンドがまとまりやすい。


しかし実際のところ、高性能な「フルレンジスピーカー」を作るのは難しい。なぜなら「スピーカー」は、口径が小さいほど高音再生は得意になるが低音再生が苦手になる。口径が大きくなるとその逆のことが起こる。なので口径の異なる「スピーカーユニット」が用意され、それぞれに得意な範囲だけを再生させることが一般的になっている。


なおこのような「スピーカーシステム」のことは、「マルチウェイ」と呼ばれている。そしてその中で2つの「スピーカーユニット」にてシステムが完結されるものが「2ウェイ」、3つの「スピーカーユニット」にて構成されるものが「3ウェイ」と呼ばれている、というわけだ。


◆純正も市販も主流は「2ウェイ」。しかし「2ウェイ」には限界がある!?


ちなみにカーオーディオでのスタンダードは、純正も市販も同様に「2ウェイ」だ。一部の軽カー等では「フルレンジスピーカー」が採用されているケースもあるが、多くの車種の「純正スピーカー」が今や「2ウェイ」化されている。


そして「市販スピーカー」も主流は「2ウェイ」だ。「市販スピーカー」では「フルレンジスピーカー」はほぼなく、「2ウェイ」か「3ウェイ」かの2択となってはいるものの、「2ウェイ」の方が一般的だ。こちらの方が「フルレンジスピーカー」に近く「3ウェイ」と比べてシンプルなので、サウンドがまとまりやすい。そして取り付けの難易度も低い。場合によっては純正スピーカーと入れ替えるだけで取り付け作業を終えられる。


しかしながらカーオーディオ愛好家のクルマを見ると、「3ウェイ」が採用されているケースがとても多い。その理由はズバリ、「3ウェイ」には音的なアドバンテージがあるからだ。


というのもクルマには「2ウェイ」が不利である独特の理由がある。それは、中低音再生を担う「ミッドウーファー」がドアの低い位置に取り付けられることだ。結果、音楽の主要パートの音の多くが足元から聴こえてくることとなり、美味しいところを100%聴き取れないということも起こり得る。


◆「2ウェイ」には宿命的な問題点がある!? しかし「3ウェイ」にもデメリットが…


さらにいうと、「2ウェイ」にはそもそもいかんともし難い問題点が存在している。それは「ミッドウーファー」の再生範囲が広すぎる、ということだ。なので「ミッドウーファー」には過度の負担がかかり、「分割共振」という良くない現象も引き起こされる。


「分割共振」とは、振動板の中心付近と外周付近の動きがシンクロしない状態、つまり振動板が波打ったような動き方をしてしまうことを指す。そしてこの現象が起こると音が濁る。


対して「3ウェイ」では中音の再生を担う「スコーカー(ミッドレンジ)」を足すこととなり、「ミッドウーファー」の負担も減らせるので「分割共振」が起こりづらくなる。さらには「スコーカー」を高い位置に取り付けられるので、中音が高い位置から聴こえてくる。そして「スコーカー」とは正対できるので、情報量も多く受け取れる。また


とはいえ、「3ウェイ」にもデメリットがある。それは取り付けと制御の難易度が上がることだ。なのでコストが多くかかり、そしてサウンドチューニングも難しくなり失敗も有り得てくる。逆に「2ウェイ」でも諸々が上手くいけば状況がよりシンプルであることが功を奏し、むしろより良いサウンドを作れることもある。


というわけで、どちらが良いのかは一概には言い難い。しかし「3ウェイ」はメリットがあり、その一方で難しくもあるけれど取り組み甲斐もある。そこに面白みを感じる愛好家が多くいる、というのが結論だ。


今回は以上だ。次回以降も「スピーカー」に関連した「?」の解説を続行する。乞うご期待。

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