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「1380万円あったら東大合格ガチャが1回まわせる?」東大生100人のデータからわかった、子どもの才能に関係なく東大合格させる「重課金ルート」

集英社オンライン / 2024年3月4日 11時0分

「結局、 東大合格にはいくら必要なのか?」100人の現役東大生に聞いた仰天の「予備校代」と「最も無駄だと思った教育投資」〉から続く

子どもの才能に頼らず、塾や予備校の力をできる限り有効活用して、東大合格を目指す「重課金ルート」にはいくら必要か? 実際に、東大生100人にアンケートを取って分析した『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)より一部抜粋、再構成してお届けする。

#1

東大合格の重課金ルートのスタートはSAPIX

ここでは、親の課金だけで子どもを東大に入れるために必要な教育手順をさらっていきます。今回は小学校で「いきなり塾の進学クラスに入る」と想定していますが、さらなる安全をとりたい場合は、もっと小さなころから勉強させなくてはいけません。幼稚園段階での知能訓練や、小学1年生からの塾通いなども含めて、600~700万円程度が加算されると考えてください。



小学校:300万円程度

小学校では、少なくとも4年生から塾に通っていることでしょう。もちろん、前項で説明したように4年生で確実に進学クラスに入るため、低学年から塾に通うケースも考えられます。ですが、それを考えてしまうと、「いつから通っていたのか」や、小学校受験(いわゆる「お受験」)の可能性まで考えなくてはいけなくなるので、ここでは小学校4年生からSAPIXに通ったと仮定します。

SAPIXの公式ホームページによれば、小学校4年生、5年生、6年生でそれぞれ授業料が異なるようです。4年生では月額42900円、5年生では53900円、6年生では61600円がかかります。社会を選択しない場合、算数の追加講義を選択する場合などで料金が多少上下するようですが、いったんこの金額で考えていきます。

授業料だけを単純に足していくと、42900×12+53900×12+61600×10=1777600円かかります。小学6年生を10か月としたのは、中学受験はほぼ2月で終わるため、1月までの通塾を想定しているためです。

これに春期講習と夏期講習の費用や教科書代、公開模試の参加費用、入塾費用などが加算されます。季節講習の費用は、残念ながら公式ホームページに記載がありませんでした。

しかし、実際にSAPIXに通っていたと思しき人のホームページをいくつか確認したところ、小学校4年生で9万円、5年生で10万円、6年生で20万円程度がかかるようです。もしもこれが本当なのだとすれば、季節講習だけで約40万が追加で加算されます。

さらに、入塾費用が33000円。公開模試は1回当たり5000円~6000円程度で、年間に4回程度開催されるようなので、5500×4×3=66000円。塾と家が何駅か離れているケースも多いでしょうから、交通費を考えてプラス10万円。すると、小学校時点ではおよそ240万円が塾代にかかると推察されます。

そして、忘れてはいけないのが各学校に出願する際に納める入学検定料。学校によりけりですが、2万~3万程度の学校が多いようです。滑り止めも含めて5つの学校を受けたと仮定すると、さらに10万円。通っている小学校に支払う費用とは別にこれだけのお金がかかります。

公立小学校の学費はタダですが、給食費が無償化されていないと考えましょう。給食費が月額5000円程度、すなわち年額6万円とすると、その他教材費なども含めて小学校6年間では40~50万円もかかることになるでしょう。これを追加すると、小学校時代にかかる費用は全部で約300万円。もちろんピアノや水泳など別の習い事をやった場合は、これに追加で費用がかかります。

「中学合格おめでとう、次は東大!」

中学校:500万円程度
 
小学校時代の苦労のかいもあって、あなたのお子さんは見事有名私立中高一貫校に入学することができました。ですが、受験戦争はまだまだ続きます。せっかく中学校に入ったのは、元をたどれば、一流高校に入って大学受験で楽をするためでした。成績不良で高校進学不可になれば、これまでの努力が水の泡です。

実際、私がむかし勤めていた塾にも「うちの子は○○中学校(都内にある超一流私立中高一貫校)に通っているが、中学受験が終わってからまったく勉強のモチベーションがなくなってしまい、成績が落ち込んでいる。学校と鉄緑会の勉強についていけるように、個人指導してほしい」という親御さんが来たことがありました。

この子のように、燃え尽きてしまう人は想像以上に多いものです。高校に入ってからの成績も安定させて、東大合格率を限りなく100%に近づけたいなら、中学校から成績を安定させることは必要不可欠です。

さらに、鉄緑会などの進学塾に通っておくことも重要です。鉄緑会は一部の学校に通う子弟を対象として、徹底的な詰め込みエリート教育を行う進学塾です。圧倒的な授業進行度の速さと演習量によって、他の追随を許さないスピードで生徒を鍛えます。

恐ろしいことに、鉄緑会が中学校の前で配るチラシには「中学合格おめでとう、次は東大!」と書いてあるのだそうです。

鉄緑会のチラシによれば、塾にはオープンコースとレギュラーコースの2種類が存在しています。進学コースであるレギュラーコースは、月額37300円のようです。これで英語と数学の2科目を見てくれるので、相場からみても他塾よりは安いといえるでしょう。

3年間レギュラーコースから落ちずに(定期的に塾内学力模試が行われ、上位60人から漏れると落とされるようです)いられたと仮定するなら、37300円×12か月×3年=1342800円がかかります。

もちろん、鉄緑会の指導についていけずに、別の塾でそのフォローアップを頼む家庭もあるでしょう。そうした場合には、さらに月額2万~3万程度を払って別の塾、もしくは個別指導や家庭教師を頼むことになります。

ここで加算したのはすべて通常授業の費用なので、夏期講習や春期講習、冬期講習などを受講すると考えると、年あたりプラス10万円してしまってもいいでしょう。

 さらに、私立の中高一貫校に通っていることを忘れてはいけません。私立中学校に通うだけで、年間平均100万円、3年間で300万円がかかります。中学校、塾とは別に習い事をしたいのであれば、さらにお金がかかってきます。

ただし、鉄緑会に通う場合は、そもそも鉄緑会の課題量が多すぎて学校の宿題をやっている暇がないといわれるレベルの塾であることを鑑みても、学校と塾以外の習い事に通う選択肢は存在しないと考えていいでしょう。

もちろん塾や学校により異なりますが、ここに追加で交通費や日々の昼食代、参考書代、模試の受験費用などがかかることを考えると、3年間で合計500万円かかると考えてもいいでしょう。多すぎるかもしれませんが、少なくとも学費と塾代だけで450万円はかかることは忘れないでください。

高校受験までたどり着ければあともう一息だが…

高校:580万円程度

ついに大学受験の最前線である高校にたどり着きました。ここまでくれば、あともう一息で受験のゴールが待っています。中学校から通っている鉄緑会の指導も、より一層熱を増してくるでしょう。

一流高校に入っているあなたのクラスメートは、そう見えないかもしれませんが、それでも「大学? まぁ東大かな」と答える程度には受験を意識しています。高校に入ってからはお互いに切磋琢磨しあって成績を伸ばしていくことを意識するのがいいかもしれません。

塾の費用を見てみましょう。鉄緑会の費用も、河合塾と同じく、学年によって変動します。まず高校1年の場合。この時は、英語と数学の2科目を受講可能です。両方とも受講した場合の金額は、およそ月額35000円程度とのこと。年間で考えると42万円です。

高校2年生からは全11科目がA群とB群の2種類に分割され、それぞれから何科目を受講するかによって料金が異なってきます。ここでは、英語・数学・現代文・古典・日本史・世界史(東大文系の二次試験での入試科目)をすべて受講した場合を考えてみましょう。この場合、A群から2科目、B群から4科目なので、月額84000円ほどになるそうです。年間では84000円×12か月=1008000円。

高校3年生でも、全10科目がA群とB群にわけられ、どの授業をどれだけ選択したかによって値段が変動する仕組みのようです。仮に高2と同じく英語・数学・現代文・古典・日本史・世界史を受講した場合、A群から4科目、B群から2科目で月額約100000円。受験までの9か月間で90万円がかかる計算になります。もちろん、毎年夏期講習や春期講習が入ってくるので、ここでも毎年10万円を季節ごとの特別講習に出すと仮定します。

鉄緑会に通う費用だけで、42万+100万+90万+10万(特別講習費用)×3年=262万円がかかる計算になります。模試代や教材費などは一切考えていませんから、これに追加で出費があります。高校が私立であることも忘れてはいけません。やはり3年間で300万円がかかります。すると、合計金額は562万円にまで達します。

1380万円あったら、東京大学合格のガチャが1回回せる

ここで終わりではありません。大学受験の際にも、受験料がかかります。東大以外にも、早稲田、慶應あたりから2つずつ、合計5つの学校に出願したとすると、出願費用だけで35000×4+30000=170000円もかかってしまいます。合計で580万円ほどにまでなってしまいました。

私は鉄緑会の実態を知りませんが、鉄緑会に通っていた知り合いによれば、多くの人は「英語、数学、数学3、物理、化学」のように、英語と数学、理科科目をとるようです。また、鉄緑会には文系生徒が少なく、理系生徒の割合が多いため、特に国語を取る生徒は少ないとのこと。

そのためここで言っている金額は、想定されるマックスであると考えてください。一から十まで塾に任せて東大を受験したいなら、580万円という金額になるというシミュレーションです。

小学校から高校までの金額を足してみましょう。小学校が300万円、中学校が500万円、高校が580万円でしたから、300+500+580=1380万円。いわゆる東大エリートコースを歩みたいのであれば、これだけのお金と9年間の月日がかかります。この試算はかなり塾に頼る想定で組んでいるので、依存度を減らすなら、もう100万~200万程度は少なくできるかもしれません。

逆に、小学校4年生時点でアドバンテージを得るために、幼少期から知能トレーニングや英会話塾などに通わせると想定すると、プラス600~700万円はかかるでしょう。

そう考えると、子どもの才能に頼らずに、すべて課金だけでどうにかするなら、2000万円ほどかかるといえるかもしれません。徐々に投資額が大きくなっていることから単純に比較はできませんが、1380万円を9年で割ると年間150万円と少し。月当たりでいえば、約13万円ほど。

確かに、安い金額ではありません。ですが、このコースを歩んでいけば、お子さんは決して低くない確率で、東京大学の門戸をたたくことができます。言ってみれば、東京大学に行けるチケットが入ったガチャがあったとして、1380万円あったら、それが1回回せるのです。

文/布施川天馬

#1 「結局、 東大合格にはいくら必要なのか?」100人の現役東大生に聞いた仰天の「予備校代」と高校時代、「最も無駄だと思った教育投資」

東大合格はいくらで買えるか?

布施川天馬
「1380万円あったら東大合格のガチャが1回回せる?」東大生100人のデータを集めてわかった、子どもの才能に関わらず東大合格させる「重課金ルート」_7
2024/2/21
1,595円
240ページ
ISBN:978-4065351826
「子供の教育にどれくらいのお金を使えば、東大に合格できるのか?」東大生ライターである著者が、東大生100人への独自アンケートをもとに、この問いを徹底的に考えた結論がこの本です。その結果見えてきたのは「1380万円をかけて中学受験からしっかり準備すれば、地頭のよさにかかわらず誰でも50%以上の確率で東大に合格できる」という事実です。本書では、確実に東大合格するための正しい受験プランを提案するとともに、「東大受験を投資として見たときのコストパフォーマンス」「東大に合格した人たちは幸せになっているのか」といった、東大受験のリアルな情報をくまなくお伝えします。

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