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ラーメンか? ソーメンか? ソーメンを夏だけのものにしないタイパ抜群の新しい食べ方とは

集英社オンライン / 2024年3月27日 11時0分

そうめんは手軽に食べられる夏ならではの食べ物だが、どうしても食べ方がマンネリになりがち。そんな中、今までになかった「ラーメン風そうめん」を楽しめるストレートつゆがヤマサ醤油株式会社から発売された。なぜ盛夏前ではなく、今発売なのか? 商品開発のこだわりなど同社の営業本部マーケティング部宣伝広報室室長代理・西谷綾さんと商品企画室主任・濱田菜歩さんに訊いてみた。

暑くなりきる前にそうめんの需要拡大を狙う

創業370年を超える醤油の老舗メーカー、ヤマサ醤油株式会社は、壜入りストレートつゆのパイオニアだ。
同社からラーメン風そうめんを楽しめるストレートつゆ「ヤマサ麺屋一杯」シリーズが発売された。

そうめんといえば、夏の食べ物というイメージだが、なぜ本格的な暑さの前の春先からこのつゆを発売開始したのだろうか?



同社では、まずそうめんがどのように食べられているかを、徹底的に調べたという。

調査の中で、1年間のうちにそうめんを10回以上食べる人が26%、4~9回は28%と約半数の人は年間で4回以上の頻度で食べていて、年齢に関わらずどの年代もよく食べられていることがわかった。

「年代が上がるほどそうめんを召し上がる頻度は高いですが、予想以上に若い世代でもそうめんが召し上がられていることがわかりました。また、そうめんを食べたいときはどんな気持ちかを調査したところ、調理を簡単に済ませたい、軽い食事で済ませたい、短時間で作れるという回答が多く、そうめんは涼しいだけのイメージではなく、手軽なメニューとして認識されていました」(濱田さん)

そうめんの食べ方についても調査されたが、「つけ」が圧倒的に多く、いつもと違う味で食べてみたいと人が63%という結果に。

「調査によって、お客さまがそうめんの新しい味、食べ方を求めていらっしゃるということがわかりました。さらに家庭内だけなく、そうめんの外食専門店がオープンし、季節問わず人気を博しています。そうめんのニューウェーブが来ていると感じ、もっと新しい食べ方を簡単にできたら、さらにたくさんの方にそうめんを食べていただけるのではないかと思ったんです」(濱田さん)

そうめんの販売量は気温が高くなる7月が最盛期で、4~6月はまだ需要が少なく、冷凍うどんに負けている。そうめんの需要を伸ばすには、本格的な暑さの前の4~6月から需要を喚起できる、しっかり食べられる満足感が必要なのだと同社は考え、今までにないストレートつゆを開発することになった。

「冷凍やチルドうどんは、つけつゆで食べるスタイルからさまざまな味のつゆをかけたり混ぜたりして食べるスタイルまでバリエーション豊かですが、乾麺のそうめんは、濃縮つゆを希釈するか、ストレートタイプの和風つゆしか選択肢がありませんでした。今までにないストレートつゆの味わいをご提案することで、新たな食べ方が生まれて、乾麺市場が底上げされ、ともに成長できたらという思いもあり、麺屋一杯の開発に取り組みました」(西谷さん)

2年以上かけて開発したこだわりのラーメン風そうめんつゆ

飽きずに楽しめ、しっかりとした食べ応えのあるストレートつゆにするために、本格的なラーメンの濃厚な味わいを追求することになった。

「当社では新製品を発売するサイクルは半期に1度ですが、『麺屋一杯シリーズ』は2年以上かけて、開発しました」(西谷さん)

つゆの味わいとしては、醤油ラーメンを彷彿とさせる「鶏がら煮干つゆ 醤油」、魚介のうま味たっぷりの「鯛だしつゆ 塩味」、辛うまが好きな人向けの「シビ辛麻辣つゆ」の3種類に決定。

それぞれ有名店のラーメンの味を研究しつつ、そうめんにかけてつるっと食べられる喉ごしのよさや、最後まで飽きない味づくりにこだわったという。

「例えば、『シビ辛麻辣つゆ』は辛うまいラーメンをイメージして、豆板醤、唐辛子、クミンの辛さとコクに、花椒油のシビれ、華やかさを加えたしっかり辛い味わいに。冷たい麺でも、辛さ・風味がきちんと感じられるように作りました」(濱田さん)

「ブランド名の『麺屋一杯』には外食の麺屋のラーメン店、そば店、うどん店の味わいを家庭で手軽に『一杯』味わっていただきたいという思いを込めました。和風つゆに飽きた方、ラーメンの味わいが好きな方、とにかく麺好きな方にぜひ味わっていただきたいです!」(濱田さん)

そうめんにつゆをかけるだけでOKという手軽さ。ひとつの器で麺もトッピングものせられて簡単に調理できるのがうれしいポイントだ。洗い物が少なくて済むのでタイパを気にする人にもおすすめ。

発売して、まだ1か月だが、売れ行きは好調で新しいそうめんの食べ方の提案として好評のようだ。

広告宣伝にも「ラーメン風のそうめんつゆ」を訴求するために、ラーメン店風のロゴ、「ラーメンソーメン」をオリジナルで作り、麺好きな人にも注目してもらえるように工夫している。

「当社の公式Xで『ラーメンなのか?ソーメンなのか?キャンペーン』を実施して
どちら派か投稿していただいたり、YouTuberとのコラボ動画を公開したり、など、幅広い世代に関心をもってもらえるように力を入れています。5月にはPOPアップ店舗なども予定しています」(西谷さん)

記者も、「鶏がら煮干つゆ 醤油」で実食してみた。つゆをドバっとかけるのがおすすめとのことだったので、そうめんにたっぷりかけて食べたが、煮干のパンチと醤油のコクの濃厚な味わいはまさにラーメンを食べている気分に。でも麺はそうめんなので、ラーメンほどこってりせず、つるっと食べられた。おすすめの食べ方を聞いたところ、

「『鶏がら煮干つゆ 醤油』のトッピングには小ねぎが絶品です!」(濱田さん)

「どの味もおすすめですが、魚介の旨味とゆず果汁がさわやかな『鯛だしつゆ 塩味』はお酒を飲んだ後の締めにもぴったりです」(西谷さん)

とのことだった。

そうめんはそもそも手軽に食べられるものだが、毎度同じ食べ方では飽きてしまうことも。

「ヤマサ麺屋一杯」シリーズはストレートタイプで、つゆをかけるだけで、ラーメン風の味わいが楽しめるのが新鮮で、アレンジの幅が広がり、春夏の食卓の楽しみの一つになりそうだ。

取材・文/百田なつき

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