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船乗りを導く灯台の光のような“ろくぶんぎ座”のレンズ状銀河

sorae.jp / 2020年12月26日 17時16分

レンズ状銀河「NGC 3115」(Credit: NASA, ESA, and J. Erwin (University of Alabama); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))

レンズ状銀河「NGC 3115」(Credit: NASA, ESA, and J. Erwin (University of Alabama); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))

こちらは「ろくぶんぎ座」の方向およそ3200万光年先にあるレンズ状銀河「NGC 3115」です。ぼんやりとした紡錘形の輝きのなかに埋め込まれた芯のような中心部分と、そこから二手に伸びているように見える明るい構造は、霧に覆われた海上を行く船を導く灯台の光を連想させます。

レンズ状銀河は渦巻銀河や棒渦巻銀河のように扁平な姿をしているものの、渦巻腕はありません。NGC 3115は地球に対して真横を向けた位置関係にあり、中心部分を取り囲む渦巻腕がない円盤(銀河円盤)を横から見ることになるため、冒頭の画像のように中心から伸びる2本のサーチライトのように見えるのです。

ブラックホールに引き寄せられていく高温ガスの観測結果をもとに、NGC 3115の中心には太陽のおよそ10億倍の質量がある超大質量ブラックホールが存在するとみられています。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、NGC 3115に存在するとされる超大質量ブラックホールは、太陽10億個分以上の質量がある既知のブラックホールとしては最も地球に近いものだといいます。

NGC 3115はイギリスのアマチュア天文家サー・パトリック・ムーア氏によって1980年代にまとめられたアマチュア天文家向けの天体カタログ「Caldwell Catalog」(カルドウェルカタログ、またはコールドウェルカタログ)に「Caldwell 53」として登録されています。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」によって可視光線と赤外線の波長で観測されたもので、NASAから2020年8月20日付で公開されています。

 

Image Credit: NASA, ESA, and J. Erwin (University of Alabama); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
Source: NASA
文/松村武宏

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