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「詐欺の被害金、全額回収」は誇大広告?現役弁護士に聞く、信頼できない弁護士の特徴

日刊SPA! / 2024年3月9日 8時52分

とくにロマンス詐欺の場合、被害金が一千万円や二千万円というケースも多く、1億などと超高額になることもあるのだとか。そのため着手金のパーセンテージが2.8%などと低くても、被害金が一千万円だと28万円。二千万円だと56万円と高額になってしまう。

「それでも一般的に着手金は契約時に支払わなくてはいけないし、被害金がまったく回収できない場合でも返金されることはありません。そのため、回収の見込みがほぼないにもかかわらず着手金を受け取ったり、弁護士が依頼を未着手のまま放置してしまったりすれば、詐欺被害者は再び詐欺に遭うのと同じ状況に陥ってしまうのです」

しかし実際、「弁護士から事件処理の報告がない」、「事件処理の進捗や今後の見通しについて弁護士に説明を求めたのに対応がない」、「高額回収ができると説明されたのに着手金倒れになった」といった苦情が寄せられている。

「懲戒処分を受けた弁護士のなかには、『回収の可能性はゼロではないため着手金詐欺ではない』と考える人もいるかもしれません。ただ、これがまかり通るとなると、弁護士を信頼して依頼した詐欺被害者は、無駄なお金を支払って時間まで費やし、さらには心までも傷つけられることになります」

 過去に金融機関で勤めていた筆者は、借金の返済に困って弁護士に過払い請求や個人再生などの債務整理を弁護士に依頼したが放置されて身動きが取れないと困る顧客を何人もみてきた。こういったケースは、どうだろう。

「問題のある弁護士による二次被害という点で、いま問題視されているのはロマンス詐欺だけです。また、大半の弁護士は依頼者様の悩みを解決しようと真摯に取り組んでいることも付け加えておきます。ただなかには、着手金だけもらって意図的に未着手という事例もあるかもしれません」

◆ロマンス詐欺の回収率と口座を売ってはいけない理由

 ロマンス詐欺の回収率については、詐欺を専門に扱う佐久間弁護士でさえ「被害金を回収するのは、本当に難しい。ほぼ回収できないと思ったほうがいいでしょう」と繰り返すほど。ではどうして、詐欺案件のなかでもロマンス詐欺はとくに回収率が低いのだろうか。

「ロマンス詐欺の場合、基本的にフェイスブックのメッセンジャーやインスタグラムのDMといったSNSを通じてやり取りをするので、相手方がどこの誰だか分からない。相手方まで辿り着くことは、およそ無理です。そのため銀行から相手方に送金している場合は、相手方の銀行口座を凍結し、残高が残っていればそこから回収。また、名義人の情報を銀行に照会して手紙を送り、口座名義人に返金請求をすることもあります。

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