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「ジェットスター・ジャパン」でストが頻発する理由。ライバルのLCC・ピーチとの違いとは【訂正アリ】

日刊SPA! / 2024年4月18日 8時50分

 具体的な交渉内容を聞くと「過去には、有期雇用社員を無期雇用に変更した事例があります。また、コロナ禍での客室乗務員職は、仕事が蒸発したために、副業制度を設けました」と説明してくれた。

 同社は、客室乗務員の採用に経験は全く求めていない。「オーディション」と名付けた採用では、多職種からの応募があるという。それがコロナ禍では功を奏した。元の業種に戻って働くことのできた社員がいたのだ。ピーチアビエーションの社長以下執行役員も含めた人事政策はES(Employee Satisfaction=従業員満足度)の考え方が根付いているという。

◆エアラインに求められるモノとは

 前段にも述べた《明日3/29のストライキは中止致します。会社がスト参加者に対して懲戒処分を検討する可能性があると言われてしまい、まずは組合員の安全を守ることが最優先であると判断いたしました。》(JCAのXへのポストより引用 ※3)とストライキは回避された。JCAのXでは、懲戒処分(※3)を受けた機長1名は「いったん会社を去る」ことを決断したという。その後、同氏は個人でXを立ち上げ、発信を続けている。会社側は、事前通告の守られない正当性のないストライキについては懲戒処分を含めた対応をすると発言している。

 ジェットスター・ジャパンにおける労使交渉の解決には、双方の協力と相互理解が不可欠になるのだが、その兆しは見えない。その後の同社は、何事もなかったようにセール運賃の発表なども行っている。人のうわさも七十五日と言われる。

 現在は4月中旬でまだ労使の交渉終結から2週間強しか経過していないが、もうこの話題は巷のニュースから消えている。労使闘争が終結していないエアラインとESが保たれるエアラインのどちらの航空機に搭乗するほうがいいのだろうかなどと思われかねず、心配だ。

 世間では「持続可能な」という言葉が独り歩きしているが、こと労使関係で言えば、しっかり持続可能な関係を構築してもらいたいものだ。それでこそ、公益事業であり公共交通機関と言えるのだから。また、ジェットスター広報部からは「弊社にも社員代表は存在します。2019年から段階的に有期雇用社員の期間の短縮を図り、現在は入社後発令時から正社員になります。コロナ禍では弊社はキャビンクルーに副業の斡旋を行い、支援しました。弊社にも多職種経験者は多く存在します」と説明があった。

(※4)JCAのXのポストより。記事公開当初、同ポストの内容を筆者が「ストライキの参加者への解雇も辞さない」「正当性のないストライキ開始の場合は参加者を解雇する」と意訳して記述しましたが、JCAによる発言と誤解される恐れがあるため、記述を変更しました。なお、ジェットスター広報部から「当社が記者レクで説明した内容の追記を」と申し入れがあったため、以下、掲載します。(2024年4月20日追記)

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