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「奇蹟のカンパネラ」偉才ピアニストのフジコ・ヘミングさん すい臓がんで死去 92歳

スポニチアネックス / 2024年5月2日 8時6分

ピアニストのフジコ・ヘミングさん

 世界的ピアニストのフジコ・ヘミング(本名・ゲオルギー・ヘミング イングリット フジコ)さんが4月21日にすい臓がんで亡くなったことが2日、分かった。92歳だった。一般財団法人フジコ・ヘミング財団の公式ウェブサイトで発表された。葬儀は本人および遺族の意志により、すでに執り行った。お別れの会については「検討中」とした。

 アルバム「奇蹟のカンパネラ」が大ヒット。リストやショパンの曲を愛し、国内外で精力的に演奏活動を続けていた。

 サイトでは「ファンの皆様ならびに関係者の皆様へのご報告」として文書を掲載。「フジコ・ヘミング(本名:ゲオルギー・ヘミング イングリット フジコ)は、2024年4月21日未明、92年の生涯を終え、永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます」と報告した。

 2023年11月に自宅で転倒した後、一日も早い復帰を目指し治療とリハビリに励み順調な経過をたどっていたところ2024年3月におこなった検査の結果すい臓がんと確定診断され療養を続けておりましたが、 4月21日に容態が急変し、神の御許に旅立たれました」と経緯を説明。葬儀はご本人及び親族の遺志により、近親者のみですでに執り行ったとし「とても美しく穏やかな表情での旅立ちでした」と明かした。

 すい臓がんとの診断後は「診断後は、皆様に心配をかけたくないという本人の希望により公表は差し控えさせて頂いておりました」とも。「公演を楽しみにして頂いていたファンの皆様、主催者様等には、多大なるご迷惑ご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

 「フジコ・ヘミングは、昨年も精力的な演奏活動を続けていたところでした。怪我をしてからは、思い通りにならない身体にもどかしい思いを抱えながらも、直前まで、復帰してピアノを弾きたいという強い意思をもって治療とリハビリに励み、病室や病院内でピアノを弾いたこともありました」と闘病中の様子を明かし、「3月に予定していたニューヨークのカーネギーホールでの公演や日本での公演を楽しみにしておりました」とつづった。

 「皆様へこのようなご報告をしなければならなくなったことは、誰よりもフジコ・ヘミング本人にとって本当に残念であったと思います。フジコ・ヘミングは、聴力を失っても魂でピアノを弾き続ける強さを持ちつつも、動物愛護を実践して保護猫を多数引き取り、また被災者や大変な思いをしている人達へのチャリティコンサートを積極的に行うなど、慈愛の心に満ちあふれた人でした。奇蹟の『カンパネラ』を再び弾ける日が来ることをフジコ・ヘミング本人ともども切に祈っておりましたが、もう叶えることはできません。しかし、これから先も、フジコ・ヘミングの魂の演奏の思い出が皆さまの心の中で奏で続けられることを願っております」と記した。

 お別れの会については「現在、検討中」だとし、「今まで応援してくださったファンの皆様、共演者 主催者 メディア関係 懸命に尽くして頂いた医療従事者の方々 その他関係者の皆様には、心より深く感謝し御礼申し上げます。本当にありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。

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