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井上尚弥、ネリKOへ意欲「どのパンチでも倒せるように」 31歳バースデーに練習公開、誕生日会は「やらないです」

THE ANSWER / 2024年4月10日 15時4分

31歳の誕生日を迎えたこの日、公開練習でサンドバッグを叩く井上尚弥【写真:浜田洋平】

■所属ジムで会見、31歳の心境は「変わらずですね」

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が10日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。5月6日に東京Dで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を予定。公開練習は試合10日ほど前が通例だが、今回は31歳の誕生日当日になった。悪童との歴史的興行へ、心境やコンディションを明かした。戦績は井上が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

 井上が順調ぶりをアピールした。公開練習ではシャドー2回、サンドバッグ2回をこなし、キレのある動きを披露。練習前には陣営の大橋秀行会長、父・真吾トレーナーと会見した。誕生日を祝われると「ありがとうございます。(心境は)変わらずですね。年は関係なくパフォーマンスは成長している。いいキャリアを積めていると改めて思います」とコメント。すぐに決戦ムードを漂わせた。

「いつも通り順調です。スパーはまだ重ねていきます。いま87ラウンドくらい。100回は超えるかなと。計画通りです。ここからは感覚のずれを修正していく。減量にも入るので、しっかりと整えていくことが大事」

 初めて世界王者になって10年が経った6日には、WBC独自ルールの試合1か月前計量をクリアした。スーパーバンタム級のリミットは55.3キロ。1か月前はリミットの10%、15日前は5%、7日前は3%が上限とされている。

 サウスポーのネリは前に出て手数を出すタイプ。対する井上は2019年11月以来、7戦連続KOとライバルたちを葬り去ってきた。「何ラウンドかわからないけど、どのパンチでも倒せるように準備している。そうなるべく仕上げてます」とKO決着へ意欲。ネリの印象は「意外と攻撃に目が行きがちですが、打たれ強さもある。荒々しいボクシングの中で防御の細かいうまさもある。対峙した時の空間の使い方も上手いと思う」と表現した。

 ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応が出た。18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪。ともに勝利したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分を受けた。海外でリング復帰し、20年9月にスーパーバンタム級で世界2階級制覇。今年2月、ネリ陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。規定に基づき、処分が解除された。

 東京Dのボクシング興行は1990年のマイク・タイソン以来34年ぶり。日本人がメインイベントを務めるのは初めてとなる。井上は「10年目で東京Dは何かの縁。しかも大橋ジム30周年。必ず成功させないといけないし、そういう試合こそモチベーションを高く保ってパフォーマンスを発揮できる」と力強かった。

「5万人近い声援はかなり自分にプラスに働く。その声援をもとにとてつもない試合をしたい」と誓った。当日は弟の拓真らも前座で戦う。残り1か月を切ったが「いい試合で結果を出したい。(当日の出場者は)大橋ジムで4人いる。みんなで最高の日にしたい。最高の結果で締めたい」と意気込んだ。

 31歳になったが、誕生日会について問われると「やらないです。そんなことやってる場合じゃないです」と笑顔。「この試合をクリアしたら次は夏と12月。3試合をこなしたい」と展望も語った。

○…Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上―ネリ戦のほか、元K-1王者・武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(豪州)に世界初挑戦。井上の弟のWBA世界同級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多の規模となる。(THE ANSWER編集部)

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