新電元工業、収益改善へ事業構造改革
LIMO / 2020年12月5日 21時0分
新電元工業、収益改善へ事業構造改革
前工程ラインなど集約
パワー半導体などを手がける国内半導体中堅の新電元工業は、収益構造の改善を図るため、事業構造改革を実施する。半導体デバイス事業では前工程クリーンルーム(CR)の集約化による、稼働率の改善を図るほか、パワーモジュール組立などの後工程分野でもラインの統合など効率化を追求する。
2年連続で営業赤字
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、足元の半導体デバイス事業は収益が悪化。2020年度(21年3月期)は、売上高が前年度比9%減の281億円、営業損失14億円を予想しており、2年連続で営業赤字を計上する見込み。収益改善に向けた施策が求められるなか、上期決算発表にあわせて、事業構造改革が発表された。
構造改革では研究開発などを担ってきた飯能工場(埼玉県飯能市)の活動を停止。同社は埼玉県朝霞市に新事業所の建設を進めており、同事業所および国内生産会社に飯能工場の各種開発機能を移設し、開発の合理化と効率化を図る。朝霞新事業所には飯能工場の研究開発機能、事業運営機能、大手町本社の営業機能などを集約。あわせて飯能工場のCRは21年3月をもって閉鎖する。
同様に前工程を担う㈱東根新電元(山形県東根市)でもCR1棟を閉鎖し、前工程の稼働率を20%程度改善させる。これにより、飯能工場のCR閉鎖とあわせて、国内に5棟あったCRは3棟となる見込み。加えて、東根新電元と㈱秋田新電元(秋田県由利本荘市)におけるウエハーの大口径化により、グループにおける前工程の生産性を30%程度向上させていく。
パワーモジュール比率を24年度に2割へ
秋田新電元でパワーモジュールの生産ラインの一部をタイのランプーン新電元のIoTを導入した生産性の高いラインに統合する。秋田新電源は次世代パワーモジュール製品の生産ラインを構築し、モビリティー・産業機器市場向けにパワーモジュール事業のさらなる成長を目指す。
デバイス事業のうち、パワーモジュールの売上比率は11%程度(19年度ベース)であったが、今後自動車分野での製品ラインアップを拡充することで、24年度をめどに売上比率を20%まで引き上げていく方針。
急激な収益悪化に対応し、海外生産子会社ではすでに人員の適正化を進めているは、国内においても20年度中に希望退職の募集などにより、本体および国内グループ会社で10%程度にあたる人員を削減する。海外子会社を含めて、合計で約400人の人員削減を見込んでいる。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ニデック、今期営業益は41%増へ EV駆動装置は「リスタート」
ロイター / 2024年4月23日 17時47分
-
薄型パッケージ採用、三相ブリッジダイオードモジュール発売
PR TIMES / 2024年4月18日 13時15分
-
コニカミノルタ、富士フと提携協議でも残る火種 ついに事務機改革に着手、過去最大の人員削減
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 7時30分
-
日産、「全固体電池」採用の新型EVを28年に投入へ 普及拡大に向けた“革新技術”採用で競争力を強化 生産ラインを初公開
くるまのニュース / 2024年4月16日 20時40分
-
ラピダスがNEDOの2nm向けチップレット研究開発委託先に決定、エプソン千歳工場に試作ラインを設置へ
マイナビニュース / 2024年4月2日 20時15分
ランキング
-
1突然現場に現れて「良案」を言い出す上司の弊害 「気になったら即座に直したい」欲求への抗い方
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 9時0分
-
2なぜ歯磨き粉はミント味? ヒット商品の誕生には「無駄」が必要なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月26日 8時0分
-
3濃口醤油と淡口醤油、塩分が高いのはどっち?…醤油の「色の濃さ」と「味の濃さ」の知られざる関係
プレジデントオンライン / 2024年4月26日 8時15分
-
4「加賀屋」50歳の元若女将が選んだ"第2の人生" 震災からの復興への道、仕事術について聞く
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 13時0分
-
5円安、物価上昇通じて賃金に波及するリスクに警戒感=植田日銀総裁
ロイター / 2024年4月26日 18時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください