2人に1人がコロナ後も「今の生活を続けたい」のはなぜか
LIMO / 2021年6月9日 12時35分
2人に1人がコロナ後も「今の生活を続けたい」のはなぜか
コロナ禍になって約1年。さまざまな我慢を強いられる中、コロナ前の生活に戻る日が待ち遠しくてたまらない人がほとんどかと思いきや、現在の生活をコロナ収束後も続けたいと考えている人は少なくないようです。
博報堂生活総合研究所は2020年4月以降、毎月「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施。開始1年目の今年4月には、「コロナ禍での生活における気づき」や「現在の生活スタイル」に関する質問を追加した特別編の結果を発表しています(調査対象:首都圏・名古屋圏・阪神圏の20〜69歳の男女1,500人)。
コロナ禍の日常生活でどんな気づきがあり、なぜコロナ前とは違う現在の生活スタイルを続けたいと考えるのでしょうか。以下、調査結果を見てみましょう。
「コロナが収束しても現在の生活スタイルを維持したい」が過半数
まず、「現在の生活スタイルを維持したいか(新型コロナウイルスへの感染懸念がなくなった前提で)」という質問に対する「そう思う」と「ややそう思う」の合計は全体で56.3%と、半数を超えています(図表1参照)。
年代別に見てみると、「維持したい」(「そう思う」と「ややそう思う」の合計、以下同)が最も多いのは40代の61.1%。次いで30代の58.9%と、比較的若い層で現状の生活スタイルの維持意向が高くなっています。
一方、50代だけは、「維持したくない」と考える人が「維持したい」人を上回る結果となっています。
現状の生活スタイルを維持したい理由は?
現在の生活スタイルを維持したいと答えた人に維持したい理由を聞いたところ、全体で最も多かったのは「時間の無駄削減や自己管理ができるから」の30.7%(図表2参照)。
年代別で見てみると、20代、30代では「時間の無駄削減や自己管理ができるから」が4割超で、全体の30.7%を10ポイント以上、上回っています。
また、20代は「快適/健康的なリズムで生活できるから」が18.5%で、全体の12.2%より5ポイント以上高くなるなど、現状のライフスタイルをポジティブに捉えていることがうかがえます。
対照的に、60代では「コロナに限らず感染が不安で対策が必要だから」が全体より5ポイント以上高くなっており、若い世代とシニア世代とでは維持したい理由に違いが見られます。
コロナ禍で新たに気づいたことは?
また、コロナ禍での生活になってから1年で新たに気づいたことについて17項目を提示して、あてはまるものを選んでもらったところ、図表3のような結果になっています。
「自分も社会全体も衛生意識が高まり、風邪や病気にかかりにくくなった」(1位)
毎年インフルエンザが流行する時期には、筆者の子供たちが通う小学校でも大抵いくつかのクラスが学級閉鎖になっていましたが、昨冬はインフルエンザの話を聞くことさえありませんでした。
コロナ前はそれほど重要視されていなかったマスクの着用や手洗い・手指の消毒が、病気の予防に大きな効果があると実証されたことは、公衆衛生に対する人々の意識を変えたのではないでしょうか。
「家族と過ごすことが楽しくなった」(2位)、「人と会うときの時間を大切にするようになった」(同率3位)
外出自粛では必然的に家族と過ごす時間が増え、逆に家族以外の人とはなかなか会えなくなってしまいました。不安な時期にそばにいてくれる家族がいかに心強い存在であるか、また、人と会う時間がいかに貴重なものかという気づきは、コロナ禍で思うように行動できない経験があってのことかもしれません。
「大切なものを見極める機会になった」(同率3位)、「自分の成長のために時間を使いたいと思った」(5位)
当たり前だと思っていたモノの大切さを再認識するのと同時に、当たり前だと思っていたモノが、実はそれほど重要でなかったと気づいた人もいたようです。特に、テレワークやオンライン授業は、まだまだ改善点はあるとしても、感染対策以上にメリットを感じた人は少なくないかもしれません。
「生活費はもっと節約できる」(10位)、「オンラインのサービスが増えて便利」(11位)
筆者の個人的な経験でも、コロナ前より買い物に行く回数が減ったことで無駄な買い物が減り、それほど無理をせずに生活費が減少しました。また、オンラインサービスを上手く使うことで、少しだけゆとり時間を持てるようにもなりました。感染防止のためにしていた行動なのですが、主婦には嬉しい気づきだと感じています。
やっぱりコロナ前の生活に戻りたい
一方、現状の生活を維持したくないと答えた人にその理由を聞いたところ、「不自由やストレスで楽しくない」「自由に外で活動したいから」「人と交流や会食がしたいから」の3つが上位に挙がりました。我慢の生活が長く続いていますから、こう考えるのも無理はないでしょう。
おわりに
2人に1人が、アフターコロナも今のまま過ごしたいと考えることに疑問を感じた人もいるかもしれません。けれども、辛いことも多かったコロナ禍の1年が様々なことを改めて考える機会になり、多くの人が新たな気づきを得たからだと考えると、納得がいくのではないでしょうか。アフターコロナの生活では、単純にコロナ前に戻るのではなく、そんな多くの人の気づきが活かされるといいですね。
参考資料
新型コロナウイルスに関する生活者調査(https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/04/20210430.pdf)【特別編】(博報堂生活総合研究所)
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