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【親の介護】団塊ジュニアは知っておこう「介護にかかるお金って平均どのくらい?」

LIMO / 2024年1月5日 21時55分

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【親の介護】団塊ジュニアは知っておこう「介護にかかるお金って平均どのくらい?」

筆者は「団塊ジュニア」。同級生たちの多くが、親の介護中、もしくは介護予備軍です。

先日も、「実家の母が毎年作ってくれるお雑煮を楽しみにしていたが、料理の段取りがおぼつかない様子に戸惑ってしまった。味も見た目もいつもと違うお雑煮に、明らかな認知面の低下を感じ取った」という友人の帰省エピソードを聞いたばかり。

この年末年始はふとした親の変化に気づき、「介護」という2文字がちらつき始めた人もいるでしょう。今回は団塊ジュニア世代ならぜひ知っておきたい「介護のお金のこと」について考えていきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

「介護のこと」親が元気なうちに話しておければよいけれど……。

takayuki/shutterstock.com

LIFULL seniorが2023年12月23日に公表した調査では、「親の介護の準備」について 家族や親族で話し合っている人の割合は26.6%。

親が元気なうちに、介護について自然に話し合う時間が持てれば理想的ですが、それができる家庭はそんなに多くはないはずです。

とりわけ「介護費用」について具体的なイメージがわいてくるのは、親子ともに程度の年齢になってからというケースが多いかもしれませんね。

今回は一般的な介護費用について、各種調査結果をもとに整理していきます。介護にかかる費用は人それぞれですが、標準的なデータを知っておくことで、いつかくるその時に慌てずに済むかもしれません。

あの「老後の2000万円」には介護費用は含まれていない

かつて「公的年金だけで暮らした場合、老後資金が2000万円不足する」という金融庁のレポートが、数年前に世間の注目を集めました(※2017年家計調査のデータをもとに試算)。まだ記憶に新しいという方もいるでしょう。

ただしこれは、介護が不要で、健康な状態で天寿を全うできたケースの話。実際にはほとんどの人が、何らかの医療や介護を必要としたあと寿命を迎えることになりますね。

介護の自己負担金、介護リフォーム、有料老人ホームの入居費用など、実際に介護にかかる費用は人それぞれ。とはいえ、標準的な相場を知っておくことで、「その時に」備えた心づもりもできてくるでしょう。

【親の介護】団塊ジュニアは知っておこう「介護にかかるお金って平均どのくらい?」

生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」から介護費用の平均額を見ていきましょう。

介護費用(一時的な費用の合計)

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)」
 

介護費用(月額)

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)」

一時的な費用の合計は74万円、月々の費用は施設介護で12万2000円、在宅介護で4万8000円です。ただしこれは介護費用がかからなかった人、つまり「0円」の回答も含まれている点に留意が必要です。

また、介護期間の平均は61.1カ月、約5年ですね。仮に5年間分の費用(一時金含め)の合計は、在宅介護で約370万円、施設介護で約820万円になります。

施設介護の場合、民間施設(有料老人ホームなど)か公的施設(特別養護老人ホームなど)によっても費用は変わってくるでしょう。

医療依存度が高い場合は、受け入れ先が限られてくる可能性もあります。また、費用の安さで人気の特別養護老人ホーム(特養)は、入所の順番待ちをする待機者も多いため、必要なときにすぐ入所できるとは限りません。民間の有料老人ホームに入居しながら特養入居待ちをするケースもよく聞く話です。

子育てとは異なり、介護は先行きの見通しが立ちにくい点が難しいところ。本人の資産や年金額を考慮しながら、介護途中で資金がショートしないように計画を立てていく必要があるでしょう。

9割のシニアが「介護費用は自分のお金から出す予定」

出所:内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r04/zentai/pdf/2_3_3.pdf)」

ちなみに内閣府の「令和4年高齢者の健康に関する調査結果」によると、トイレなどの介護が必要となった際、約9割の人が「自分の資産から捻出する」と答えています。

とはいえ、歳を重ねると親本人がお金の管理を行うことが難しくなるケースも多いでしょう。とりわけ認知症になってしまった場合、判断能力が低下して銀行や証券会社などの口座からお金を引き出せなくなる可能性もあります。

親の資産状況を把握し、その資産を守るためには、必要に応じて家族信託や任意後見などの制度を利用していくことも視野に入れるとよさそうですね。ただしこの二つの制度は認知症になってしまう前に締結しておく必要がある点も知っておきましょう。

まとめにかえて

来たる2025年は「団塊の世代」がすべて75歳以上となる年。同時に、厚生労働省の推計によると、高齢者の高齢者の5人に1人が認知症の人になると見込まれている年でもあります。

「いつまでも元気なはずだった親の背中が、なんだか急に小さく見えた」というように、漠然と親の老いを感じる人もいるでしょう。また、久々に帰った実家が「汚屋敷」状態だったり、親の運転する車に不審な傷がついていたり、といった明らかな異常から親の認知面の低下を察知する人もいるはずです。

ちなみに、株式会社LIFULL seniorの調査リリースによると、老人ホームを探す人が1年間でもっとも増えるのは1月というデータも。歳を重ねた老親の姿を目の当たりにして、介護サービスや施設への入居を検討する人も多いとのこと。

「いつもと違う?」と感じた時は、少し注意深く見ていてあげましょう。しかるべき介護と医療に早めに繋いであげることで、本人と家族の生活の質は向上していくかもしれません。

参考資料

LIFULL senior「LIFULL 介護、年末の帰省シーズンに向けて「親とのコミュニケーション」に関する調査を実施」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000049958.html)

生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)

内閣府「令和4年高齢者の健康に関する調査結果」(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r04/zentai/pdf/2_3_3.pdf)

厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/nop101.pdf)

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