1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

株主優待で損をしたくない人、知っておくべき3つのポイント

トウシル / 2024年3月15日 8時0分

写真

株主優待で損をしたくない人、知っておくべき3つのポイント

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の西崎努が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
株主優待で損をしたくない人、知っておくべき3つのポイント

 資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動を分かりやすく解説します。

お悩み

株主優待に興味があるけど、気になる銘柄を買えばそれでいいのか?

鈴木明博さん(仮名)会社員・50歳(既婚、共働き、子供いない)

 鈴木さんが休日に自宅でのんびりしていると妻が頼んでいた株主優待でお米が届きました。

 そういえば最近いろんな株主優待が我が家に届くことが気になっていました。自分も株式投資は昔から多少やってはいて、値上がりしそうな株式や配当が高い銘柄を選ぶことはあっても株主優待はあまり気にしたことがありませんでした。

 取引のあるネット証券で調べてみると、株主優待で20項目以上の優待内容や権利確定月、優待獲得に必要な最低金額などいろんな項目で調べられることを知って、まだ株式を購入していないのに調べるだけで楽しくなってきました。

 そうなると妻がお米を優待で選んでくれていたので、相談しながら自分も優待銘柄へ投資してみようという気になってきています。ただ優待のことを考えながら株式投資をしたことはなかったので少し銘柄選びに不安もあります。

 鈴木さんが株主優待を楽しみながら、うまく活用していくにはどうしたらいいのでしょうか? 

株主優待で損をしないポイント、実践する人が陥りがちな失敗、そして活用法とは?

 3月は日本企業の大多数が本決算を迎える大切な決算シーズンです。それは同時に優待投資にとって最も盛り上がる月です。3月の第2金曜日には日経平均先物・オプションのメジャーSQ(特別清算指数)もあることから日本株にとって大きな変化が起きやすい月でもあります。

 何度かお伝えしていますが、優待投資は株式投資の一種ですから基本的にハイリスクな投資といえますが、それだけにうまくいけばハイリターンも期待できます。優待狙いの方は優待がもらえたらそれでいいという方もいるでしょうが、株式投資であることを忘れて株価の値下がりで損をしては本末転倒です。

 以前には優待投資をする際に損をしないために「事前に知っておきたい」ポイントをお伝えしました。

「やってはいけない優待投資!損をしないための鉄則3選」

鉄則1:優待内容を最優先で投資をしないこと
鉄則2:優待クロスorつなぎ売りの活用も検討すること
鉄則3:優待が廃止・不要になる可能性も考えておくこと

 その後に、優待投資を「実践する人に陥りがちな失敗」をお伝えしました。

「優待投資、始める前に知っておきたい注意点3選」

注意点1:投資する銘柄を増やし過ぎないこと
注意点2:優待銘柄がもらえる条件を確認すること
注意点3:購入するタイミングを焦らないこと

 そして、今回は株主優待をする人に知ってほしい「優待投資の活用法3選」をお伝えします。

損したくないなら知っておくべき活用法1: 優待の付加価値を利用する

 株主優待銘柄を選ぶときには、その企業の株主優待に興味があるかどうかで選ぶという人がほとんどでしょう。それと同時にその優待内容や株式の配当利回りを考えて投資することが一般的になっています。

 ただ株主優待を単に利回りで比較するのは優待投資のやり方の1つにすぎません。以前は個人株主数を増やすことが主目的だった優待も、今では企業の知名度向上や広告効果などマーケティングに利用されています。

 そして、個人で優待投資をするなら自分の家計や娯楽に生かせる優待を選ぶことも選択肢の1つです。単に利回りに着目するだけでなく、優待内容によって自分の生活費を節約できるものや、娯楽に使う費用を減らせるものであれば、経済的にはより高い効果があるといえます。

 こうした優待内容の中には、「自分にとって」価値が高いものや、地域が限定されていて優待ランキングには載ってこない企業の優待もあります。そうした優待を見つけてうまく活用することが優待投資の醍醐味(だいごみ)でもあります。単純な利回りや優待でもらえる商品券だけでなく、「自分なりの付加価値」を探してみましょう。

損したくないなら知っておくべき活用法2:優待銘柄の株式情報の特徴をみる

 3月に最も盛り上がる優待投資ですが、配当同様に権利落ち日が近づくほど優待狙いの投資が増えることが想定されます。いつも当てはまるわけではありませんが、権利落ち日が近づくと株価が上昇し、権利落ち後には株価が下がる傾向にあります。

 株価の動きだけでなく、優待狙いでつなぎ売り(現物取引の買い注文+信用取引の新規売建注文をすることで、株価の下落リスクを抑えて株主優待を得る投資手法)をする際には、いつごろまでに新規売建をしておく必要があるのか?(信用取引の売建は人気銘柄の場合は権利落ち日より早い段階で売建てが上限になることが多い)を考えておきましょう。

 また、その企業がいつごろの決算発表を予定しているのか? それによる過去の株価変動は? 優待が何単元(100株〜など)から対象となるのか? 長期保有すると優待がより良くなるのか?など優待投資をするための株式分析をすることが優待投資を成功に導いてくれます。

 優待にだけ着目するのではなく、企業情報のチェック、配当も減配の可能性がないかなど確認しましょう。

 買いたい優待銘柄を見つけたら、どうやって購入するのが良いかを考えることが大切です。何となく権利落ち日が近づいてきたから購入するのではなく、その優待銘柄を丁寧に分析して「投資」をすることです。最低単元だけ買うのでなければ、何度かに分けて購入することで取得価格を平均化することも考慮してみましょう。

損したくないなら知っておくべき活用法3:企業の優待や株主への対応方針を知る

 株式投資をしていると意外なほど企業の決算資料を見ていない方が多いことに驚きます。私たちのような担当者がついているとしても、株式投資はハイリスク・ハイリターンであり、さまざまな情報で株価がある日突然大きく動くこともあるので、企業決算は特に重要な情報です。人づてではなく自分でも確認しておくべきでしょう。

 その中で優待投資をするなら企業の株主への対応を確認しておくことが重要です。特に優待を通じて企業がどんな効果を期待しているのか、また今後も継続していく方針なのかなど、もし分かるのであれば確認しておきたい項目です。

 決算書類とは面白いもので、各社によって特徴がかなり出てきます。会社HPを見てみるだけでも、会社のイメージを知ることができますし、IR情報から決算情報や株主対応への公開情報も確認することができます。

 優待投資であっても大切なことは投資先の企業を「知る」ということです。株主優待に着目しがちですが、優待投資も株式投資ですから、うまく生かせるためには自分なりにその企業の将来性や安定性など投資目的に合っているかどうかを判断するようにしましょう。

優待投資も株式投資であることが大前提

優待だけでなく株式投資を楽しもう!!

 優待投資というと株主優待に注目されがちで、優待を楽しもうという雰囲気がありますが、ぜひ株式投資そのものに興味をもって楽しんでいただけたらいいなと思います。興味をもつことでその企業を知ることにつながり、自然と企業研究になっていきます。

 株式投資してみようという人に私が最初に進めるのは自分が働いている業界や生活に関わっている企業への投資から始めてみることです。はやりのテーマや世間的に知名度の高い企業への投資もいいですが、「なんとなく」での投資は投資経験や判断力を鍛えるといった次への投資につながらず、よくありません。

 投資のやり方は人それぞれですし、どのくらい時間や労力をかけるかも千差万別です。ただ楽しくない投資を続けることは大変なので、ぜひ自分なりの株式投資を楽しむきっかけに株主優待も利用してみてください。

■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)、『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!

【要チェック】
 楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、本連載「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。

 また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。

(西崎努)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください