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早稲田の名物誌「マイルストーン」の凄い仕組み化 1・2年生で制作も、四半世紀歴史を繋げた真髄

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 8時0分

多くの早稲田出身者にとって懐かしいであろう、青の表紙(筆者撮影)

『マイルストーン』。

【写真】早大出身者ならきっと懐かしい、マイルストーンの誌面

早大生、そして早大の出身者であればピンとくる名前ではないだろうか。そう、早大生のための総合情報誌の名前だ。正式には『Milestone Express』という。

授業情報や早稲田・高田馬場のおすすめ飲食店、サークル情報などを掲載した、早大生なら誰でも知っている存在と言っていいだろう。

早大生はこの本を見ながら履修する授業やサークルを選ぶのがお決まりだ。筆者も早稲田出身で、『Milestone Express』に4年間お世話になったのだが、こういう本は意外と他校にはないのだという。

約15年かけて、サークル情報誌から総合情報誌へと進化

『Milestone Express』はマイルストーン編集会というサークルが作っている。1978年に創立し、現在47期まで在籍。

ミニコミブームの流れに乗って、数人で集まって作られたサークルで、もともとは文芸誌を作っていた。それがいかにして、今のような形になったのか。幹事長の藤間真由さん(2年生・46期)は次のように説明する。

「1982年から『Milestone Express』を刊行し始め、最新号は42号となります。『Milestone Express』も刊行当初はサークル情報のみを掲載した雑誌でしたが、1996年から授業情報や飲食店情報を掲載し始めました」

早大はサークルが多く、1981年の時点でも5000ものサークルがあったそうで、それを掲載するだけでも十分な価値があったそうだ。

「発売は毎年3月で、サークル内にある販売部署が、取り次ぎを介さずに各書店と直取引をしています。早稲田・高田馬場エリアにある文禄堂、成文堂、芳林堂書店のほか、附属高校の最寄り駅付近の書店にも営業をかけ、自分たちで本を運び込んでいるんです。実店舗での販売がメインですが、一部書店のECサイトで通販も行っています」(藤間さん)

なんと最盛期の発行部数は2万部に上る。学生数が減った現在でも、約2万部を発行し続ける、モンスター雑誌である。

「非公認」ゆえ、忖度なしレビューが可能に

そんな早大生には欠かせない雑誌を発行するマイルストーン編集会だが、実は大学公認サークルではない。

逆に非公認ゆえ、授業の口コミはオブラートにいっさい包まない歯に衣着せぬ内容で、自由度が保たれている。むしろ、一度も公認サークルになることを検討したことはないという。非公認なため、現在は学校内の生協にも置かれていない。

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