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NHKが「テキストニュース」を次々に閉鎖する懸念 「放送と同様」でネット受信料を取るつもり?

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 8時0分

NHKは、放送契約者のみが利用できる番組配信サービス「NHKプラス」を、ネット単独で契約できるようにしたい思惑があるようです(画像:「NHKプラス」より)

このところNHK関係者から漏れ聞こえてくるのは、各ニュースサイトが廃止に向かって動いているとの情報だ。NHKは2015年に「公共放送から公共メディアへ」をスローガンに掲げ、NEWS WEBに限らず「政治マガジン」「事件記者取材note」などを開設したり、放送したテーマをその後も追って、視聴者からの情報も取り入れてネットで成果を提供するなど次々にニュースサイトを充実させてきた。これらを一気に廃止するのなら、もはや「公共メディア」の目標を取り下げたも同然だ。

「NHKプラス」をめぐる受信料問題

NHKは今は任意業務であるネット業務の必須業務化をめざしている。必須業務化で、現在は放送契約者のみが利用できる番組配信サービス「NHKプラス」を、テレビを持っていない人でもネット単独で契約できるようにしたいらしい。放送だけでは受信料収入を若い世代から取れなくなるのが目に見えているため、少しでも収入を増やしたいのだろう。もちろんあくまでアプリをスマホにインストールし能動的に契約した人だけで、一時期言われたようにスマホを持つだけで受信料を取るわけではない。

総務省の有識者会議「公共放送ワーキンググループ(WG)」はそのための議論の場だが、ネットの必須業務化に反対する日本新聞協会に散々難癖をつけられ、圧力を逃れるため、新聞協会が要求する「テキストニュースの廃止」をNHKは受け入れた。ネットでの展開は「放送と同様の効用(放送と同じこと以外やらない)」をもたらすものに限定するとプレゼンしたのだ。とにかく「NHKプラス」でお金を取れるようにすればいいとの判断なのだろう。

具体的には、NHK NEWS WEBをはじめとするネットでのさまざまな報道サイトを閉鎖することになるらしいのだが、NHKの受信料を払っている立場からすると冗談じゃない話だ。サービスの低下になるわけで、まさか本当に実行するとは思えなかった。今回の議論に沿って法改正が成立するのは早くても来年で、まだまだ先の話だ。

しかも、聞こえてきた話をまとめると組織としての機能不全に思える。上層部から必ずしも具体的な廃止の方向性や進め方について指示は出ていないらしいのだ。ただ、本来そこまでの権限を持つ立場ではない者が事実上決定権を握り、「放送と同様」に従って次々にサイト閉鎖の指示を出していると聞く。陰でアイヒマンとかラスプーチンなどと揶揄する人もいる。明確な説明もなくこれまで育ててきたサイトをクローズさせることは職員の士気を大きく損ね、退職者も続出しているとの噂だ。

NHKに受信料を払う価値はあるか

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