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日本人を印象操作するヤバいグラフを見抜く方法 数値はウソをついていないのによく見ると…

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 16時0分

日本人を印象操作するヤバいグラフを見抜く方法

「数学なんて将来役に立たないし」と、学生の頃テスト前にぼやいていた人は多いでしょう。しかし実は、「世の中のほとんどのことは統計と確率で読み解ける」としたらどうでしょう? 小学生の算数教室などの出前授業を実施し、中高生に実用的な数字・数学を伝えている佐々木淳さんの書籍『“1 ミリも難しくない”統計学 スマホゲームのガチャでSSRを引く確率は?』より一部抜粋・再構成してお届けします。

新型コロナの報道で使われていたグラフ

2020年に新型コロナウイルスが流行した当初、パニックになったという方も多かったのではないでしょうか。人類が経験したことのない疫病がはやると混乱するものです。また、新型コロナウイルスに関連するニュースが連日流れていました。その中には、感染に関する責任問題を問うものもありました。

【画像でわかる】印象操作するヤバいグラフを見抜く方法

感染問題でナーバスになっていた頃の日本では、「新型コロナウイルスに感染したら、それは本人のせいだと思う」と、自己責任と考える人もいました。この割合は、「欧米の3~4倍」にもなっていたそうです。このようなグラフで報道されたケースがありました。

皆さんは、どのように感じますか? このグラフだけを見ると、日本人には「感染は自己責任」だと思っている人がとても多いように感じるかもしれません。しかし、よく数値を見てください。そう思っているのは約15%で、全体としては少数派です。そして、さらに少数である他国を引き合いに比較することで、「日本人は、新型コロナウイルスに対して厳しすぎる」といったイメージを持たせているのです。

それをさらにくっきりと見せる技法が、このグラフには使われています。
それは、グラフの目盛りを操作することです。グラフの目盛りをよく見ると、0から始まっていません。本来グラフの基準は0にするべきです。

なぜなら、棒グラフの目盛りを0から始めずに途中からにすると、違いや変化が強調されるため、間違った印象も強調される可能性があるからです。

今回のケースでは、あくまで「コロナの感染は自己責任」と思っている人は少数派のはずなのに、グラフにだけ着目すると、まるで圧倒的多数で、ほとんどの人がそう思っているように見えてしまったのです。

目盛りを0からスタートする形に直すのが原則

このような棒グラフは、目盛りを0からスタートする形に直すのが原則です。実際に、直したグラフを提示すると次のようになり、イメージが随分と変わったと思います。なお、Excelなどの表計算ソフトで積み上げ棒グラフを作成すると、「目盛りが0から始まらない」ことがあるので修正しましょう。

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