コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 15時0分
コンサルタントは入社1年目から徹底的にビジネスの基礎を叩き込まれる。しかもその基礎は他業界に移っても、15年、20年たっても普遍的なスキルとなる。春から新社会人になる人も、ベテランの人も、改めて確認しておきたいビジネススキルについて、ビジネスコンサルタント・大石哲之氏の著書『コンサル一年目が学ぶこと』から抜粋してお届けする。本稿のテーマは「雲雨傘提案の基本」。
コンサルタント1年目で学んだことのなかで、とりわけわかりやすく、すっと頭に入ってきたことのひとつに、雲雨傘の論理があります。
【画像で見る】筆者がコンサル1年目に学んだ「雲雨傘の論理」とはどういうもの?
「黒っぽい雲が出てきたので、雨が降り出しそうだから、傘をもっていったほうがいい」
これは、事実と、解釈と、アクションの区別をつけることのたとえです。いったいどういう意味でしょうか?
事実、解釈、アクションを区別する
雲というのは、「事実」をさします。実際に目で見て観測したこと。雲が出ているということは、誰が見てもわかる客観的な事実です。
雨が降りそうだというのは、その事実から推測される「解釈」です。雲が黒いという事実から、雨になるだろう、という解釈を引き出しているのです。
最後は、傘です。雨が降り出しそうだ、という解釈から、傘をもっていくという「アクション」を起こしています。
もう一度整理すると、次のようになります。
(事実) 「空を見てみると、雲が出ている」
(解釈) 「曇っているから、雨が降りそうだ」
(アクション)「雨が降りそうだから、傘をもっていく」
ここで大切なのは、①事実②解釈③アクションの3つをきちんと区別することです。
これを混同したり、一部を省略して結論づけたりしてしまうと、筋が通らない話になってしまいます。よくある失敗例をご紹介しましょう。
「だから何なのか?」という解釈
失敗①「雲」だけで提出してしまう
入社1年目で必ずやってしまう失敗は、上司に調べものを依頼されたときに、データのグラフや事例の記事だけを上司のところにもっていって、「できました!」と報告してしまうことです。依賴されたテーマに関連しそうなデータや、記事をコピペしてきて、それをレポートと称して上司に出してしまうのです。
新聞や雑誌の記事からたくさん情報を集めて、報告に行く。褒められるかと思っていたら、死ぬほど怒鳴られます。
「なんだこれは!これをどうしろというんだ。俺がこの記事を全部読めというのか?」
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