道民が愛する「セイコーマート」凄い物流の仕組み 脅威の積載効率8割はなぜ達成できるのか
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 17時40分
【2024年3月27日15時40分追記】初出時、店舗数や積載効率などに誤りがあり、一部訂正いたしました。
4月1日にトラックドライバーの労働時間に上限規制が設けられることで、「物流2024年問題」への関心が急速に高まっている。企業においても自社製品を販売先に届ける、あるいは、商品をきちんとタイムリーに仕入れるために物流の維持は重要なミッションとなっている。
そうした中で、筆者が2000年から注目しているのが、北海道基盤のセコマが運営する、コンビニエンスチェーン、セイコーマートである。北海道で「セコマ」と言えば、誰にでも通じるほど地域に密着しているコンビニだが、同社の注目すべき点は、川上から川下まで、サプライチェーンをすべて自社で「飲み込んでいる」ことである。同社は小売企業でありながら、物流企業でもあるのだ。
北海道では圧倒的な存在感
セイコーマートがいかにして物流企業になったかを説明するには、同社の特徴を知っておく必要がある。
同社はもともと地元の酒屋を支援するという目的で、1971年に創立された日本に現存する最も古いコンビニである。2023年7月末時点の店舗数は1186店と、2022年12月の1180店から増やしている。対して、セブンイレブンは昨年7月末時点で996店舗と、前年5月の1000店舗超から減らしている。ちなみに、ファミリーマートは239店、ローソンは店679を展開している。
北海道は10万人あたりのコンビニの数が全国トップですでに競争は厳しい状況にある。この中で、セイコーマートはどのようにして店舗数を伸ばしているのだろうか。
特徴の1つとして挙げられるのは、北海道基盤ならではの地域密着経営である。顧客満足度調査では、直近13回中、12回セイコーマートが1位に輝いている。それは、全国チェーンではできない臨機応変な対応からもうかがえる。
以前、北海道で地震があり、大停電があった時、「店内調理はできるが、おにぎりの具材がない」ということがあった。その時は、塩おにぎりを提供した。災害発生時、具材がない場合は塩おにぎりを提供するルールとなっているが、災害時でもそれぞれが状況に応じて考えられる従業員が揃っているのだ。
「雑談ができるコンビニ」という特徴もある。他のコンビニでも人によってはフランクに話してくれる店員もいるが、セイコーマートの場合は、常連が入ってきた瞬間に、「今日はマルマルないよ」とか「何はあるよ」という会話になる。「ここはスナックか」というほどの密着度があるのだ。
目指すのは「デイリーユースストア」
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