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「幸せな人生イベント」になぜか疲れてしまう理由 元気がなくなるメカニズム「休養学」博士が解説

東洋経済オンライン / 2024年3月31日 9時0分

喜ばしい人生のイベントも、疲れを生み出す「ストレッサー」になり得ます(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

結婚や昇進、希望する企業へ就職が決定――

嬉しいことが起きたときに、なぜかぐったりと疲れを感じてしまうことはありませんか。

日本リカバリー協会の代表理事であり、科学的な視点で「疲れ」と「休息」を研究する医学博士の片野秀樹氏は、ポジティブな出来事でも人によってはストレスになり、疲労の原因になることがあるといいます。

ストレスを受けたとき、私たちの体では何が起こっているのか。片野秀樹氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より、抜粋・編集してお届けします。

疲労の「もと」はストレスである

私たちはよく「ストレス」という言葉を口にしますが、ストレスって何だと思いますか?

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「会議でいいたいことがいえなくてストレスがたまった」

「満員電車ってストレスだよね」

などなど――。多くの場合は「イヤだけど、我慢するしかないもの」というような、精神的な重圧の意味で使っているかもしれません。

しかし休養学でいうストレスとはもっと幅広く、肉体的・精神的な疲労の原因になるような外的刺激はすべてストレスであるとみなします。

たとえば暑いとか寒いとか、そんな単純なことも立派なストレスですし、結婚や昇進など一般には喜ばしいとされている出来事も、生活が大きく変わるという意味ではストレスです。

私たちにストレスを与えるものは「ストレッサー」と呼ばれます。ストレッサーには大きく分けて、次の5種類があります。

■物理的ストレッサー
暑い、寒い、うるさい、人ごみがすごい、日差しがまぶしすぎるなど、肉体に物理的なストレスを与えるもの

■化学的ストレッサー
公害、薬物、化学物質が与えるストレス。アルコールあるいは薬物の副作用、タバコのニコチンなどが含まれる

■心理的ストレッサー
不安や緊張や失望、悲しみなどの感情を自分に与える出来事のこと。結婚や昇進、進学、仕事や学業での目標、ノルマもこれに当てはまる

■生物学的ストレッサー
新型コロナウイルスに代表されるような、ウイルスや細菌など。花粉症の原因となるスギ花粉もこちら

■社会的ストレッサー
家族関係、友人関係など人間関係や、お金など経済的な問題がもたらすストレス

疲労とは、本来の活動能力が下がった状態のことを指します。

これらのストレッサーがどのようにして活動能力を下げるかというと、たとえば100mを走ると、体は熱を出しますから物理的ストレッサーの「暑さ」がストレスとなり、疲労のもととなります。また、運動すると体内に活性酸素が生み出されますが、これは化学的ストレッサーの一種です。

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