消費者の関心は企業の想いへの共感に変わった 所有の喜びだけではもうモノは売れない
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 19時0分
情報もモノも飽和し、ニーズが多様化した現代では、昔と同じ商品を作っていても昔と同じようには売れなくなっています。その原因は、時代の変化に伴う消費者の価値観の変化にあるようです。本稿は『デザインを、経営のそばに。』 から一部抜粋・再構成のうえ、環境や人々の価値観がどのように変化しているのかご紹介します。
なぜ今、ブランディングデザインが必要なのか
私が広告会社の電通に入社したのは2009年のことです。フェイスブックやツイッター(現・X)などのソーシャルメディア(SNS)が普及し始めていたものの、まだまだ一般的ではない時代で、当時はテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのマスメディアが情報の中心でした。
当時と比べると、広告業界を取り巻く環境も大きく変化しました。
私が特に影響を感じている、大きな変化は次の4点です。
➀伝える手段の多様化
大きな変化の1つ目として、伝える手段の多様化があります。
2009年頃は、4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)と呼ばれる、マスメディアが情報の中心でした。これらは広告費が高額なので、マス広告を発信できるのは一部の大企業に限られていました。
しかし現在は、SNSなどの普及によって情報発信が手軽になり、小さいブランドや個人のお店も情報を発信することが可能になりました。また、お客様自身が情報を発信することができるようになり、クチコミの力も以前と比べて大きくなりました。
ブランドの情報をお客様に伝えるための手段が、当時と比べて多様化し、選択肢が豊富になったのです。
➁商品・サービスの増加
当時は、マスメディアが主な情報源だったため、多くの人がその時々のトレンドを追いかけていました。しかし、現在は全国規模のブームというものは少なく、1人ひとりが自分の好きなものを楽しむ時代に変わりました。その結果、多様化するニーズに合わせて、様々な商品・サービスが生まれるようになりました。
また、商品・サービスが増加している背景には、テクノロジーの進化により起業のハードルが低くなったことも考えられます。
お店を持たずにECサイトで商品を販売したり、SNSで広告を配信したりするなど、少ない予算でも新しいブランドを始められるようになりました。
日本でも、若手起業家が増えつつあり、新しい感性を感じる商品・サービスが増えてきています。
ニーズが多様化したことと、テクノロジーの進化によって起業のハードルが低くなったことにより、商品・サービスの数が圧倒的に多くなりました。
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