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開発進むJR駅に負けない、「阪神芦屋駅」の底力 駅周辺は散策に最適、谷崎潤一郎「細雪」の舞台

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 6時30分

阪神芦屋駅は芦屋川駅に架かる地上駅(筆者撮影)

阪神電気鉄道の芦屋駅は兵庫県芦屋市の玄関口の1つであると同時に、阪神本線の主要駅でもある。芦屋駅までは大阪梅田駅から19分、神戸三宮駅から11分だ。同駅の北側にはJR神戸線(東海道本線)の芦屋駅、阪急神戸線の芦屋川駅がある。また、同じ芦屋市内に阪神の打出駅があるが、こちらは平日朝ラッシュ時を除き優等列車は停車しない。

【写真を見る】駅の利用者数という点ではJR芦屋駅に2倍近くの差をつけられている「阪神芦屋駅」。その周辺にはいったい何があるのか?

直通特急・特急が停車

芦屋駅には直通特急・特急、区間特急、区間急行が停車し、平日の朝ラッシュ時に限り神戸三宮―近鉄奈良間を直通する快速急行が停車する。

参考までに、阪神芦屋駅の1日あたりの乗降人員は約2万6000人だ。対して、JR芦屋駅の乗車人員は約2万4000人、阪急芦屋川駅の乗降人員は約1万3000人である。JR芦屋駅は乗車人員のため、乗降人員に置き換えるとだいたい5万人弱となる。

駅の利用者数という点では阪神芦屋駅はJR芦屋駅に2倍近くの差をつけられている。しかし、郊外住宅地としての芦屋の発展は阪神芦屋駅からはじまったのだ。

国内初の都市間電車として阪神本線が開業したのは1905年のことであり、同時に芦屋駅も開業した。官営鉄道大阪―神戸間は1874年に開業していたが、芦屋駅が設置されたのは1913年のことである。つまり、最初に芦屋市に駅を開設したのは阪神なのだ。

阪神本線の開業により、大阪・神戸へのアクセスが飛躍的に高まり、阪神芦屋駅周辺の精道村は郊外住宅地として注目された。商店街も形成され、芦屋駅の北東に本通商店街、それに連なる甲陽市場も開設。商店街に隣接する赤レンガ造りのモダンな劇場もオープンした。

1923年には駅南側に鉄筋コンクリート3階建ての精道村役場が竣工。当時は建物の立派さから「日本一の役場」と言われた。1927年には駅北側に芦屋警察署が設置された。現在も阪神芦屋駅周辺には芦屋市役所、芦屋税務署、芦屋警察署があり、同駅は芦屋市官庁街の最寄り駅なのだ。

阪神芦屋駅の重要性を象徴する施設もあった。それが貨物駅である。阪神は1915年に全線で貨物輸送を行い、芦屋駅にも貨物駅が設置された。1920年代の阪神芦屋駅の絵葉書を見ると、ホーム北側に貨物駅への引き込み線が見られる。その後、1931年に阪神の貨物輸送は廃止された。

駅周辺の商店街が衰退

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