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「同じ学校、同じ塾」でなぜ成績に差がつくのか 「頭脳のOS」をアップデートする"魔法の言葉"

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 9時30分

実は、このOSとソフトは、人間の頭脳にもあると筆者は考えています。

人間の場合のOSは「考える力」のことで、いわゆる「地頭」と呼ばれるものです。地頭が良いとは、考える力があるという意味だと筆者は捉えています。一方のソフトは子どもたちの世界で言えば、国語、算数、理科、社会などの学習科目に当たります。

例えば、40人の小4のクラスがあるとします。学校では同じバージョンのソフト(例:小4算数、小4理科など)を授業で“インストール”します。では、40人の子どもたちの頭脳のOSバージョンはどうなっているでしょうか。

均一であるとは思えません。つまり、小4の科目というソフトがインストールできるOSとそうでないOSが混在しているとしたら、同じ授業を受けても差がつくことは容易に想像できます。

小学校までは問題がなかったけれど、中学に入ったら急に授業についていけなくなった場合、その子のOSは小学校のソフト対応のOSであり、中学までは問題なかったけども、高校の授業は理解ができなくなったということは、中学のソフト対応までのOSだった可能性があるということです。

学校の授業は科目という名の“ソフトのインストールの場”であり、OSのアップデートはしません。近年、学習指導要領の改訂により、「思考力」がクローズアップされていますが、果たしてOSという概念を持った指導がされているのか怪しいのではないかと思っています。ですから、理解できない子に対して、その子の「やる気の問題」にしてしまうこともあります。なぜ、やる気が出ないのか、そこが重要な論点です。

さて、話を戻します。

このような実態になっているとしたら、OSをアップデートさせてしまえばいいわけです。つまり、「OS=考える力」のアップグレードです。しかし、ここでまた疑問が発生します。それは、「考える」とは一体何を指すのかという疑問です。

「皆で考えてみよう!」「しっかり考えるように!」と言われたときの、「考える」とはどういうことを言うのでしょうか。「考えるとは何か?」と聞かれて答えることは意外と難しいものです。

実は今まで、「考えている」と思っていたけども、それは単に「悩んでいるだけ」だったかもしれないのです。

もし「考えるとは何か」がわかれば、子どもたちのOSのアップデートができるはずです。

「考えることができる子」の特徴

考えるとはどういうことかを知るために、次の英語の問題の例をご覧ください。英語の現在完了形を勉強している場面で、次のような問いがあったとします。

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